不動産投資の種類は数多く、それぞれ特徴や収益を得る仕組みが異なります。また、不動産投資の目的は「収入の増加」「相続税対策」「インフレ対策」「老後のための資産形成」の大きく4つに分けられます。どの目的を重視するかによって最適な投資方法は変わるため、慎重な選択が必要です。
この記事では、14種類の不動産投資の特徴やメリット・デメリットを解説します。
ポイント
- 不動産投資の主目的は「収入の増加」「相続税対策」「インフレ対策」「老後のための資産形成」の4つ
- 不動産投資には多くの種類があり、重視する目的別に選ぶことが大切
- 不動産投資は所有している資産や手持ちの資金、収益性・リスクも踏まえて選ぶことが大事
不動産投資とは
不動産投資とは、土地や建物などの不動産を用いた投資の総称です。おおまかには取得した費用と売却価格の差益(キャピタルゲイン)を見込む投資と、賃貸収入(インカムゲイン)を見込む投資があります。
近年、サラリーマンの副業として人気が高まっているのは後者の賃貸収入(インカムゲイン)を見込めるタイプの投資です。マンション・アパート経営や駐車場経営、トランクルームの経営など、分類すると14種類の投資方法があります。
不動産投資4つの目的
投資家には、それぞれ不動産投資に対する個別の目的があるはずです。もちろん目的は1つだけとは限りません。2つあるいはそれ以上あって、その中でその投資家にとっての優先順位があるケースも少なくないでしょう。
ここでは不動産投資を行う代表的な目的について見ていきましょう。
収入の増加
不動産投資のわかりやすい目的は、収入の増加です。月々に入ってくるお金を増やしたい人も多いことでしょう。本収入とは別に、数万円でもいいから副収入が欲しいという場合には、たとえば不動産投資によって賃貸収入を得ることで実現可能です。
もちろん、キャッシュフローをきちんとコントロールしなければ、逆にマイナスになる可能性もあるので、注意が必要です。
相続税対策
不動産は、相続税を算出する基準となる相続税評価額を抑えることが可能で、現金(預貯金)を相続する場合と比べ節税できる可能性があります。
そのため、資産を多く所有しているほど、不動産にシフトしておくことで、手元に残せる資産価値を多くできるでしょう。
加えて賃貸中の物件の相続は、空室物件を相続するよりも相続税評価額が圧縮できます。ただし、賃貸需要があるエリアでなければ、メリットが享受できないので注意が必要です。
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インフレ対策
モノの価格が上がってお金の価値が相対的に下がるインフレ局面では、現金の価値が徐々に目減りしてしまいます。
資産を現金(預貯金)で持っている場合、インフレにより資産価値が減価してしまうかもしれません。不動産のように物件を所有することは、インフレ対策にもなります。
インフレ対策の場合は「ロケーション」「賃貸料」「流動性」に注意して投資先を検討する必要があります。
建物は年々減価しますが、土地は物価によって価格変動します。そのため、需要が見込める地域で不動産を持つと、賃貸料や土地の価格の上昇も期待できるでしょう。
また、インフレ局面でも賃貸料がゆるやかに上昇する傾向にあります。客観的な材料があれば賃貸料の値上げはそれほど難しくないので、リターンを最大化しやすいでしょう。
老後のための資産形成
老後にもらえる年金に不安がある場合に、老後の資産形成の1つのかたちとして毎月賃貸料の収入が得られるようにすることができます。
個人年金のように捉えて不動産投資をする場合、長期的なスタンスで検討しましょう。不動産投資では利回りに目がいきがちですが、リターンが大きい物件はリスクも大きいからです。
長期的な資産形成を考える場合、長いスパンで見ても需要が見込めるエリアの物件を選べば、将来的な価値が下がりにくいでしょう。
また、月々の賃貸収入を得ながらできるだけ早く不動産ローンを完済しておけば、物件価格が大きく上がった際に売却することも可能です。
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不動産投資の種類
不動産投資の主な種類は以下の14種類です。
- 区分マンション
- 一棟アパート・マンション
- REIT
- 不動産小口化商品
- 一棟ビル
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- シェアハウス・民泊
- 工場・倉庫
- 駐車場・駐輪場
- 戸建て
- トランクルーム
- 太陽光発電
- 土地の賃貸
- 不動産クラウドファンディング
これら14種類の不動産投資がどのような目的に対して特に効果があるのか表にまとめました。それぞれ目的に対して効果が大きい場合に「大」、小さい場合に「小」としています。
| 収入の増加 | 相続税対策 | インフレ対策 | 老後の 資産形成 | |
|---|---|---|---|---|
| 区分マンション | 小 | 大 | 大 | 大 |
| 一棟アパート 一棟マンション | 大 | 大 | 小 | 小 |
| REIT | 小 | 小 | 大 | 小 |
| 不動産小口化商品 | 小 | 大 | 大 | 小 |
| 戸建て | 大 | 大 | 大 | 小 |
| 一棟ビル | 大 | 小 | 大 | 大 |
| サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住) |
大 | 大 | 大 | 大 |
| シェアハウス・民泊 | 大 | 大 | 小 | 大 |
| 工場・倉庫 | 大 | 大 | 大 | 大 |
| 駐車場・駐輪場 | 小 | 大 | 大 | 大 |
| トランクルーム | 大 | 小 | 小 | 大 |
| 太陽光発電 | 大 | 小 | 大 | 大 |
| 土地の賃貸 | 大 | 大 | 大 | 大 |
| 不動産クラウドファンディング | 大 | 小 | 小 | 大 |
おおまかな目安であり、実際は個々の物件によってさまざまなケースがあります。あくまで参考としてご覧ください。
区分マンション
マンションの中の一戸ないし複数戸を購入し、賃貸物件として貸し出すことで、家賃収入として賃料を得ます。マンション投資は人気ですが、一棟マンション投資は高額な費用がかかりハードルが高いです。その点、区分マンションは比較的トライしやすい投資といえます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 区分マンション | ・少額の自己資金で始められる ・管理の手間が少ない ・修繕費が少なくて済む ・売買の流動性が高い |
・一棟マンションより利回りが小さい |
区分マンション投資がおすすめの人は、少額から不動産投資を始めたい初心者や、手間をかけずに安定収入を得たい人です。
具体的には以下のような人に向いています。
- 不動産投資の経験が浅く、リスクを抑えて始めたい
- 投資額を比較的少額に抑えたい
- 賃貸管理や建物維持の手間を最小限にしたい
なお、区分マンション投資については以下の記事で特集していますので、ぜひ参考にしてください。
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新築と中古の違い
区分マンションの投資では、新築と中古の違いについても理解が必要です。新築と中古の主な違いは、価格と利回り、築年によるリスクです。新築は価格が高く利回りは低めですが、設備が新しく初期の修繕リスクが少なく、入居者を確保しやすい傾向があります。
一方、中古は価格が抑えられて利回りが高く、これまでの賃料実績を確認できるのが強みです。ただし、築年数に応じて修繕費負担や空室リスクが高まり、建物の状態をより慎重に見極める必要があります。
新築と中古のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 新築区分マンション |
・建物・設備が新しく初期修繕リスクが小さい |
・価格が高く利回りが低い ・入居後の家賃下落が起きやすい ・販売価格に広告費等が含まれ割高になりがち |
| 中古区分マンション | ・価格が抑えられ利回りを確保しやすい ・実際の賃料・入居状況を確認でき、収支が読みやすい ・相場に近い適正価格で買いやすい |
・修繕費・設備交換リスクが大きい ・築年数による空室リスクが高まる ・融資条件が厳しくなる場合がある |
一棟アパート・マンション
アパートやマンションを一棟単位で購入して、賃貸収入や売却収入を得る手法です。一棟まるごとの投資となるため、自己資金が多くかかりますが、その分リターンも大きく見込めます。一方でリスクも大きくなりやすいため 、取り組む際は関連知識を学ぶ必要があるでしょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 一棟アパート 一棟マンション |
・資産価値が高い ・空室リスクが分散できる ・経営の自由度が高い ・利回りが大きい ・収益額が大きい |
・失敗した際のダメージが大きい ・元手が大きくかかる ・売買の流動性は低い |
一棟アパート・マンション投資がおすすめの人は、より大きな規模で安定した収益を狙いたい中・上級者です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 不動産投資の経験があり、複数室や一棟単位で収益を拡大したい
- 長期的なキャッシュフローを重視し、空室リスクも計算に入れられる
- 銀行融資を活用して大きな収益を狙いたい
一棟アパート・マンション投資に関しては以下の記事で詳しく取り上げています。ぜひそちらもご覧ください。
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新築と中古の違い
一棟アパート・マンションも、新築と中古で、価格・利回り・運営リスクに違いがあります。新築は建物や設備が新しく初期の修繕負担が少なく入居者が見つかりやすい一方、建築費が高いため利回りは低めです。また、数年で家賃が下がりやすい傾向があります。
中古は購入価格が抑えられ利回りを確保しやすく、実際の運営状況を確認できるのがメリットです。ただし、老朽化による修繕費の増加や空室リスクがあり、購入時は耐震性や設備状態の精査がより重要になります。
新築と中古のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 新築 | ・建物・設備が新しく修繕リスクが小さい ・空室が出にくい ・融資が通りやすい |
・建築費が高く利回りが低い ・数年で家賃下落しやすい ・建築会社選びを誤ると施工品質のリスクあり |
| 中古 | ・購入価格が抑えられ利回りを確保しやすい ・過去の収支や入居状況を確認できる ・立地が良い築古物件を狙える |
・老朽化に伴う修繕費が増えやすい ・設備更新や大規模修繕の計画が必須 ・融資条件が厳しくなる場合がある |
REIT
運営会社が投資家から資金を集め、マンションやオフィスビル、テナントなどの不動産を購入して運用し、収益を投資家に分配する手法です。法的には投資信託の1種となり、2001年から証券取引所で取引が行われるようになりました。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| REIT |
・少額から始められる |
・運営会社の倒産リスクがある (元本保証がない) ・相場が激しく変動する |
REIT投資がおすすめの人は、少額で手軽に不動産に分散投資したい人や、不動産運営の手間をかけたくない人です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 不動産を直接購入する資金や時間がない人
- 初心者で、少額から投資を始めたい人
- 不動産管理や入居者対応の手間を避けたい人
不動産小口化商品
特定の不動産を小口に分けたものを1口数万〜100万円程度で購入し、購入額に応じた賃料収入や売却益の配当を受ける商品です。形式としては、同じ不動産に共同出資するため「共同出資型不動産」とも呼ばれます。
単独では手が出せないような高額物件でも、小口化してあれば投資参加のハードルはかなり下がるでしょう。少額で始められ、REITと違って不動産オーナーになる商品もあり、相続対策にもなります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 不動産小口化商品 | ・現物不動産のオーナーになれる ・プロが選んだ物件に投資できる ・リスクを分散できる ・管理の手間がかからない ・相続対策になる |
・ローンが使えず自己資金が必要 ・元本保証がない ・まだ普及途上で選択肢が少ない |
不動産小口化商品は、少額から手軽に不動産投資を始めたい人や、直接物件を管理する手間を避けたい人におすすめです。
具体的には、以下のような人が向いています。
- 大きな資金を用意できなくても不動産投資を体験したい人
- 物件管理や入居者対応などの手間を避けたい人
- 複数の物件や地域に分散投資してリスクを抑えたい人
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戸建て
戸建て住宅を賃貸することで、継続的に賃貸収入を得る手法です。一定期間賃貸経営をした後に売却する利益まで見込んで投資するケースが一般的といえるでしょう。
特に中古の戸建て物件は市場価格が低いため 、初期投資を抑えることも可能です。築年数やエリア、面積にもよりますが、安い戸建てなら土地も含めて数百万円で投資を開始できるケースもあります。
戸建て投資がおすすめなのは、管理や運営の手間を比較的少なく抑えながら、安定した収益や資産形成を目指したい人です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 将来的に自分や家族が利用できる物件も視野に入れたい人
- 地域の需要や立地を考えた投資をしたい人
- 入居者選定や修繕管理など、物件運営にある程度関与できる人
一棟ビル
事務所や店舗などのテナントが入る商業系や事業系ビルを購入し、賃貸収入を得る投資です。一棟投資でもマンションやアパートに比べて、ハイリスク、ハイリターンな投資のため、その他の不動産投資と比較すると、不動産業者や専業の管理業者などプロが行っている印象があります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 一棟ビル | ・原状回復費はテナント負担 ・住居よりも高い賃貸料が得られる ・住居よりも高い保証金・敷金が得られる |
・景況に賃料変動が左右されやすい ・融資審査が通りにくい ・住居よりも空室リスクが高い ・バリューアップコストが多額になる |
一棟ビル投資がおすすめの人は、大規模な収益物件を通じて長期的な安定収入や資産形成を目指す投資家です。
具体的には以下のような人に向いています。
- 高額な初期投資を用意できる人
- 法人やテナント向け賃貸による安定収益を重視する人
- 空室リスクや修繕費などの管理負担を理解し対応できる人
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、安否確認や生活相談のサービスが付いた賃貸住宅です。高齢化が進む社会でニーズが急増しており、高齢者でも安心して暮らせる環境が整えられている点が特徴です。
また、サ高住は国が進める「高齢者等居住安定化推進事業」の対象であり、一定の基準を満たす新築の場合、工事費の最大10分の1の補助金を受けられる制度があります。
補助金を受けることで初期投資の負担を軽減し、高齢者向け住宅を整備しやすい点が特徴です。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| サ高住 | ・高齢化による需要増で安定した入居率が期待できる ・新築は補助金(工事費の最大1/10)を活用可能 ・地域包括ケアへの貢献度が高い |
・運営に人件費・管理コストがかかる ・建設・運営には法令基準の遵守が必要 ・立地・サービス品質によっては空室リスクも発生 |
サ高住への投資がおすすめの人は、高齢化社会を見据えた安定収益や社会貢献を重視する投資家です。
具体的には、次のような人に向いています。
- 高齢者向け住宅の安定した需要を狙った投資をしたい人
- 長期契約による安定した賃料収入を重視する人
- 福祉や地域貢献など、社会的意義のある投資を行いたい人
参考:一般社団法人 高齢者住宅協会 「サービス付き高齢者向け住宅 情報提供システム」
スマートウェルネス住宅等推進事業 「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」
シェアハウス・民泊
シェアハウスとは、一軒の家を複数の利用者に分け合って使ってもらい、賃貸収入を得る賃貸投資のことです。民泊とは、住居の一部または全部を旅行者の宿泊用に提供することです。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| シェアハウス 民泊 |
・多様なニーズで集客できる ・空室リスクが少ない ・他の賃貸手法より賃料を増やせる |
・管理に手間がかかる ・入居者同士や近隣とのトラブルが起こりがち ・物件探しが難しい |
シェアハウス・民泊投資がおすすめの人は、高い利回りや短期的な収益を重視し、運営や管理の手間を楽しめる投資家です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- コミュニケーション能力が高い人
- 空室リスクを理解したうえで短期賃貸運営に対応できる人
- 清掃や入退去管理などの運営手間を自分で調整・管理できる人
工場・倉庫
工場や倉庫を購入して、企業や事業主に貸し出す方法です。工場や倉庫は事業用物件であるため、賃貸需要が比較的安定しており、長期契約になることが多いのが特徴です。
建物の規模や設備によっては、賃料単価が高く設定できるというメリットもあります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 工場・倉庫 | ・賃貸需要が比較的安定している ・契約期間が長期になることが多く、収益の安定性が高い ・法人契約のため、家賃滞納リスクが低め |
・立地や施設条件によって入居者が限定される ・専門性の高い管理が必要で、賃貸管理コストがやや高い ・建物や設備の老朽化に伴う修繕費負担が大きくなる場合がある |
工場・倉庫投資がおすすめの人は、安定した長期収益を重視し、法人向け不動産の運用に関心がある投資家です。
具体的には以下のような人に向いています。
- 長期契約による安定収入を重視する人
- 空室リスクが比較的低い法人契約の投資を希望する人
- 大規模物件や立地選定に時間や労力をかけられる人
駐車場・駐輪場
使っていない土地を活用して駐車場や駐輪場にして、利用料の収入を得る方法です。ビジネスモデルができ上がっている専業の業者にある程度委託できるため 、アパートやマンション経営に比較して、より手軽に始められます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 駐車場・駐輪場 | ・土地面積が狭くてもできる初期費用が少ない ・短期間で監視できる ・安定収入が見込める |
・場所によって収益が左右される ・税金面での優遇が少ない |
駐車場・駐輪場投資がおすすめの人は、少ない手間で安定収益を得たい人や、土地活用を検討している土地所有者です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 空室リスクや管理の手間が少ない投資を希望する人
- 初期投資を比較的抑えて始めたい人
- 土地の有効活用や遊休地の収益化を考えている人
トランクルーム
トランクルーム投資とは、建物の内部をパーテーションで仕切って簡易型の個室にし、トランクルームとして賃貸して収入を得る手法です。建物さえあれば、少々古くても小規模なリフォームでトランクルームとして賃貸可能です。ガレージにコンテナを並べるコンテナ・トランクルームもあります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| トランクルーム | ・利回りが高い ・ランニングコストが少ないトラブルが少ない ・さまざまな土地を有効活用できる |
・大きな収益は望みにくい ・集客が難しい ・都市計画法で用途地域に制限がある |
トランクルームへの投資がおすすめなのは、管理の手間を抑えながら安定収益を得たい投資家です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 投資の初心者で、少額から不動産投資を始めたい人
- 入居者管理や建物管理の手間を最小限にしたい人
- 空室リスクが比較的低く、長期的に安定した収益を求める人
太陽光発電
土地や建物に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を電力会社に一定価格で売電することで収益を得る投資方法です。固定価格での売電契約が可能なため、長期的に安定した収入が期待できます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | ・売電価格が固定されるため長期的に安定した収入が見込める ・空室リスクや入居者管理が不要 ・賃貸管理のような日常的な手間が少ない |
・天候や日照条件により発電量が変動する場合がある ・売電価格が将来下がる可能性がある ・設備の維持・管理・メンテナンスが必要 |
太陽光発電への投資がおすすめなのは、長期的に安定した収益を得たい人や、管理の手間を最小限に抑えたい投資家です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 初期費用はかかるが、固定価格での売電による安定収入を重視する人
- 物件管理や入居者対応の手間を避けたい人
- 長期的な資産運用を計画している人
土地の賃貸
更地を購入し、そのまま賃貸して地代収入を得る投資方法です。土地に建物を建てるのは賃借人側となるため、初期費用を最小限に抑えながら収益を得られる点が特徴です。
賃貸契約が長期であれば安定した収入が期待でき、建物管理や修繕の手間も発生しないため、比較的手軽に始めやすい投資手法といえます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 土地の賃貸 | ・賃借人が建物を建てるため、建築費や維持費がかからない ・建物管理や修繕の手間が不要 |
・賃料は土地の立地や需要に左右される ・長期間空きになると収益ゼロになる可能性がある ・土地の用途制限や契約条件により入居者が限定される |
土地の賃貸がおすすめの人は、管理の手間を最小限に抑えつつ、安定した収益を得たい投資家や土地所有者です。
具体的には、以下のような人に向いています。
- 土地を所有しており、有効活用して収益化したい人
- 建物管理や入居者対応の手間を避けたい人
- 長期的に安定した地代収入を重視する人
不動産クラウドファンディング
インターネットを通じて複数の投資家から出資を集め、事業者がその資金で不動産を購入・運用する仕組みです。運用益は、賃料収入や売却益に基づき、出資比率に応じて分配されます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 不動産クラウドファンディング | ・少額の出資者から効率的に資金を集められる ・銀行融資に頼らずプロジェクトを実施できる |
・出資者への説明責任が生じ、透明性の確保が求められる ・募集にかかる手数料や運営コストが発生する ・事業者の運営能力や実績に依存するため、信頼を損ねると次回以降の資金調達が困難 |
不動産クラウドファンディングが向いているのは、少額から不動産投資を始めたい人や、管理の手間をかけずに投資を行いたい人です。
具体的には、以下のような人におすすめです。
- 大きな資金を用意せず、少額から不動産投資を体験したい人
- 物件管理や入居者対応などの運営の手間を避けたい人
- 複数物件や地域に分散してリスクを抑えたい人
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不動産投資の種類の選び方
不動産投資にはさまざまな種類があり、必要な投資額や管理の負担、期待できる収益やリスクはそれぞれ違います。そのため、投資の目的や資金状況、どのように運用したいかに応じて適した方法を見極めることが大切です。
ここでは、自分に合った不動産投資の選び方について解説します。
投資の目的で選ぶ
不動産投資を始める際は、まず 投資の目的を明確にすることが大切です。はじめに紹介した4つの目的のうち、どの目的を重視するかによって、最適な投資手法は変わります。
目的をはっきりさせることで、自分に合った物件の種類や規模、投資スタイルを選びやすくなり、無理な借り入れやリスクの高い運用を避けることができます。
たとえば、少額で手軽に始めたい場合は区分マンションやREIT、大きな収益を狙う場合は一棟アパートや倉庫・工場投資が向いています。目的に沿った投資を選ぶことで、効率的に目標達成が可能です。
所有している資産・手持ちの資金から決める
不動産投資の種類は、所有している資産や手持ちの資金の状況を踏まえて決めることが大切です。まとまった自己資金がある場合は、一棟アパートや土地賃貸のような規模の大きい投資で高い収益を狙うことができます。
一方、手元資金が限られている場合は、区分マンションやREIT、不動産クラウドファンディングなど少額から始められる投資方法が向いています。
また、すでに所有している不動産や金融資産とのバランスも考慮することで、リスク分散や資産効率の向上につながります。資金規模や既存資産に合った投資を選べば、無理なく安定した運用ができるでしょう。
収益性や利回りで選ぶ
不動産投資では、投資対象や方法によって収益性や利回りが大きく異なるため、利回りを基準に投資先を選ぶことも大切です。
利回りとは、投資した金額に対して一定期間で得られる利益の割合を示す指標で、高いほど収益性が高いことを意味します。
しかし、利回りが大きい投資はその分リスクも高く、空室リスクや修繕費、価格下落による損失の可能性も高くなるでしょう。
逆に利回りが低めの物件は安定性は高いものの、収益は控えめになります。そのため、自分の資金状況やリスクの許容度、投資目的に応じて、利回りとリスクのバランスを見ながら投資対象を選ぶことが、長期的に安定した収益を得るポイントです。
リスクを踏まえて判断する
不動産投資では、まず自分が投資を検討している物件や方法にどのようなリスクがあるかを把握することが重要です。
たとえば、空室リスク、家賃下落、修繕費の増加、災害リスクなど、投資対象によってリスクの種類や大きさは異なります。これらを理解したうえで、リスクを最小限に抑えられる投資方法や物件を選ぶことが、安定した収益を得るために大切です。
また、自分の資金や運用期間、リスクへの対応力に合わせて適切な分散投資や保険の活用を検討することで、予期せぬ損失を避けやすいでしょう。リスクを踏まえた判断は、安全で計画的な不動産投資の基本といえます。
市場の動きを参考にする
不動産投資では、市場の動きを参考にして投資対象やタイミングを判断することが重要です。不動産市場の動向を分析することで、人口増加や再開発、交通利便性の向上などにより人気が高まりそうなエリアを見極めることができます。
また、景気や金利の変化、取引事例などの情報をもとに購入時期を検討することで、価格が比較的安定しているタイミングで投資できる可能性が高まるでしょう。市場の動きを踏まえて戦略的に物件を選ぶことで、将来的な資産価値の向上や安定した収益につながります。
書籍や専門誌で学ぶ
不動産投資の知識を身につける方法の1つに、書籍や専門誌で学ぶ方法があります。不動産投資に関する書籍や専門誌は、基礎知識から応用的な運用ノウハウまで、必要な情報が体系的に整理されていることが多く、初心者でも全体像を把握しやすい点が魅力です。また、最新の市場動向や法律改正、税制情報などが掲載されることがあり、実践的な知識の習得にも役立ちます。
自分の学習ペースで読み進められるため、まずは書籍や専門誌で基礎を固めることが、無理なく不動産投資の理解を深める近道といえるでしょう。
セミナー・勉強会に参加する
不動産投資の知識を深める方法として、セミナーや勉強会に参加することもおすすめです。投資家や専門家が講師を務めるこれらのイベントは、最新の市場動向や具体的な投資ノウハウを直接学ぶことができます。
参加者は実際の成功事例や失敗事例を聞くことで、書籍やネット情報だけでは得られないリアルな知識を得られます。
また、講師やほかの参加者との交流を通じて情報交換ができ、人脈形成や投資判断に役立つアドバイスを受けられることもあるでしょう。
専門家に相談する
不動産投資の知識を深めるために、専門家に相談することも有効な方法です。不動産会社や不動産管理会社では、投資物件の選び方や運用方法、賃貸管理のポイントなどに関する相談を受け付けている場合があります。
専門家に相談することで、自分では気づきにくいリスクや注意点、法規制や税制面の影響などについて具体的なアドバイスを受けられます。
また、物件選定や資金計画の相談を通じて、より現実的で効率的な投資戦略を立てやすくなるでしょう。
まとめ
不動産投資には4つの目的があり、主に14の種類があることを紹介しました。それぞれの不動産投資では、必要な自己資金の額や利回り、空室リスク、リターンの大きさなどが異なります。不動産投資を検討する際は、自分が用意できる資金や投資の目的などを明確にしたうえで、どの種類に投資するか慎重に判断することが大切です。
監修者
魚角 幸正
- 資格
- 宅地建物取引士
- 略歴
- 大手ハウスメーカーにて従事した後、不動産会社で土地の仕入れに携わる。建築知識と経験を活かした不動産売買にまつわる問題解決を得意としている。

監修者
赤井 祐貴
- 略歴
- 大手通信会社にて経理、経営企画、事業会社投資を担当。2019年より不動産会社の経営企画部にて計数管理、アライアンス企画、事業開発、M&A等に携わっている。

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