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アパート共用部の清掃頻度の目安は?清掃内容や費用相場についても解説

アパート共用部の清掃頻度の目安は?清掃内容や費用相場についても解説

この記事では、アパートの共用部の清掃の重要性および清掃頻度の目安、自主清掃と委託清掃のメリット・デメリット、委託清掃の費用相場を解説します。清掃の委託を検討している方や、現在の管理状況が適正かどうか確認したい方は、参考にしてください。

これからの賃貸物件管理

ポイント

  1. 共用部の清掃には日常清掃および定期清掃、特別清掃がある 共用部の清掃を徹底することで成約率の向上や退去率の低下、物件の資産価値維持が期待できる
  2. 費用を抑えるなら自主清掃、手間や負担を抑えるなら委託清掃を選ぶ
  3. 報告管理体制や実績、清掃プランなどを確認し、相場価格と比較したうえで信頼できる清掃業者を選ぶ
目次

アパート・マンション共用部の清掃とは

アパート共用部の清掃1

アパートやマンションにおける共用部分の清掃は、オーナーが行うべき建物管理義務の1つです。清掃を怠ると賃貸経営に影響がでる可能性もあるため、定期的にチェックを行い、きれいな状態を保つことが重要です。

そもそも、アパートやマンションにおける共用部とはどの部分を指すのでしょうか。ここではまず、共用部と専有部の違いおよび共用部の清掃の種類を確認します。

共用部と専有部の違い

共用部と専有部の違いは、以下のとおりです。

  共用部 専有部
  入居者全員が利用する場所 入居者ごとのプライベートな場所
(壁・床・天井に囲まれた居住空間)
具体的な場所(一例) エントランス
エレベーター
階段
廊下
屋上
駐車場
駐輪場
ゴミ捨て場

バルコニー・ベランダ
玄関ドア(外側)
パイプスペース
入居者の各部屋のなか

各部屋のベランダやバルコニー、玄関ドアも厳密には共用部分ですが、ベランダや玄関ドアの日常的な清掃は通常入居者自身が行うことになります。

共用部の清掃の種類

共用部の清掃は清掃頻度や清掃場所、清掃内容によって日常清掃または定期清掃もしくは特別清掃の3つにわけられます。

日常清掃

日常清掃とは、入居者が日常的に利用する場所を清潔に保つための清掃です。日常清掃で掃除を行う具体的な箇所には、以下があげられます。

  1. エントランス
  2. 廊下
  3. 階段
  4. エレベーター
  5. ゴミ捨て場
  6. 集合ポスト

日常清掃は特別な薬剤や機械、道具を使用しない掃除のため、オーナー自身で行うことができます。日常清掃は週に数回行うことが望ましいですが、難しい場合には1週間に1回、少なくとも半月に1回は行いましょう。

定期清掃

定期清掃とは、日常清掃では対応しきれない汚れをきれいにするための清掃です。定期清掃の具体的な内容は、以下のとおりです。

  1. エントランスや廊下のワックスがけ
  2. 高圧洗浄機による床の清掃
  3. 植栽の剪定
  4. 廊下の照明の確認・交換

定期清掃には専門的な薬剤や機械、知識が必要なものもあります。オーナー自身での掃除が難しい部分は、専門業者に委託しましょう。定期清掃は数カ月に1回を目安に行ってください。

特別清掃

特別清掃とは、日常清掃や定期清掃のように気軽に行うことが難しい、大がかかりな清掃です。特別清掃の一例には、以下があげられます。

  1. 貯水槽や排水管の清掃
  2. 高圧洗浄機による外壁の掃除

特別清掃は、オーナー自身ではできないものがほとんどです。汚れが目立つときや前回の掃除から期間が開あいたときには、速やかに専門業者に依頼をしましょう。特別清掃は、1年に1回程度行うことが望ましいとされます。大がかかりな掃除のため、実施が決まったら入居者に通知をしてください。

アパート共用部の清掃が重要視される理由

アパート共用部の清掃2

アパートの清掃はオーナーにおける建物管理義務のうちもっとも重要なものの1つで、共用部分の掃除を怠ると、賃貸経営がうまくいかなくなる可能性があります。ここでは、共用部分の清掃が重要視される3つの理由を見ていきましょう。

内見時の印象アップによる成約率の向上

清掃をしっかりと行っている物件は、内見時の印象アップによる成約率の向上が期待できます。賃貸物件を探すときには、立地や築年数はもちろん、しっかりと管理された物件かも見られるポイントです。共用部分の清掃が行き届いた物件は、管理体制が整っていると好印象を与えられる可能性があるでしょう。

また、家賃のほかに管理費が発生する契約の場合、清掃が不足していると納得感を得られないケースもあります。成約率を上げるには、日ごろから共用部分の清掃を徹底することが重要です。

入居者満足度向上による退去率の低下

共用部分の清掃が行われている物件は、入居者の満足度向上による退去率の低下が期待できます。共用部の清掃が徹底された物件は、入居者にとって以下のメリットがあると考えられます。

  1. 気持ちよく毎日を過ごせる
  2. 事件や事故を防げる

掃除が十分に行われている物件では悪臭や害虫の発生を抑えられるため、快適な生活ができるでしょう。また、ゴミが落ちていたり植栽が整えられていなかったりする場合、火事や放火などが発生する可能性が上がるといわれます。共用部をきれいに保つことは、入居者が安心した生活を送るためにも非常に重要です。

退去率が減るとリフォームや室内クリーニングの回数も減るため、オーナーのコスト削減を図れます。共用部分の清掃を十分に行うことで、長く住んでもらえる物件作りを目指しましょう。

建物自体の資産価値の維持

定期的な清掃を行えば、建物自体の資産価値の維持につながります。頻繁に掃除をしていれば、傷みや不具合が小さいうちに気付けます。また、配管のつまりや水漏れといったトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。定期的な清掃を徹底することで小まめなメンテナンスが可能になり、結果的に物件の資産価値の低下を防げます。

アパートの共用部の清掃頻度と内容の目安

アパート共用部の清掃3

ここでは共用部分の清掃頻度と内容について、さらに詳しく解説します。前項で述べたとおり、共用部分の掃除を徹底すれば成約率の向上や退去率の低下を図れます。しかし、清掃を充実させるほどオーナーの手間やコストが増加するため、どの程度を目安に掃除をすればよいか悩む方もいるでしょう。本項の内容を参考に、自身の不動産経営に合った清掃計画を立ててみてください。

日常清掃の目安

日常清掃の内容と実施頻度の目安は、以下のとおりです。

実施頻度 清掃内容
週に数回~月1回 ・掃き掃除
・拭き掃除
・ゴミ拾い
・ゴミ置き場の清掃
・植栽への水やり
・落ち葉の片づけ

日常清掃は、可能であれば週に数回行いましょう。難しい場合でも、月に1回以上の清掃が望ましいとされます。日常清掃の内容は、廊下や階段の掃き掃除および手すりや集合ポストの拭き掃除、ゴミ置き場の清掃などです。また、夏の暑い時期は植栽への水やり、秋は落ち葉の片づけなど季節によって増えるものもあります。

定期清掃の目安

定期清掃の内容と実施頻度の目安は、以下のとおりです。

実施頻度 清掃内容
月に1回~数カ月に1回 ・高圧洗浄機による床や外壁の掃除
・ワックスがけ
・照明の確認交換
・植栽の剪定

定期清掃は月に1回程度、少なくとも数カ月に1回は行いましょう。定期清掃の内容は、日常清掃では足りない部分の掃除です。

たとえば、日常清掃で掃き掃除や拭き掃除をしていても、落としきれない汚れが溜まっていきます。溜まった汚れを高圧洗浄機などの機械を使いきれいにするのが、定期清掃です。また植栽がある物件であれば、水やりや簡単な草取り、落ち葉の片づけは日常清掃の範囲ですが、枝を切って形を整える剪定は定期清掃となります。

定期清掃は、専門業者に依頼しなければならないものもあります。その場合は費用も発生するため、清掃のスケジュールをあらかじめ立て、資金を用意しておくことが肝心です。

特別清掃の目安

特別清掃の内容と実施頻度の目安は、以下のとおりです。

実施頻度 清掃内容
年に1回 ・排水管の高圧洗浄
・貯水槽の清掃

特別清掃は、できれば年に1回は行いましょう。特別清掃の内容は、日常清掃や定期清掃では行わない部分の掃除です。頻繁に行う必要はありませんが、たとえば排水管の洗浄を怠ると水漏れなどのトラブルが発生するケースもあります。特別清掃の実施頻度は高くありませんが、忘れずに行うことが重要です。

自主清掃と委託清掃のメリット・デメリット比較

アパート共用部の清掃4

賃貸物件の清掃にはオーナー自身が行う自主清掃と、業者に委託する委託清掃があります。どちらの方法を選ぶかは、物件の場所やオーナーの状況などによって変わります。それぞれのメリット・デメリットを確認し、自身に合った方法を選びましょう。

自主清掃のメリット・デメリット

自主清掃のメリットおよびデメリットは、以下のとおりです。

メリット ・費用がかからない
・居住者とのコミュニケーションが取れる
・建物の状況をオーナー自身の目で確認できる
デメリット ・時間や手間がかかる
・賃貸経営以外に仕事をしている方にとっては、清掃が負担になることも
・専門家のような掃除はできない

自主清掃のメリットは、費用がかからない点です。居住者とコミュニケーションを取ったり、建物を定期的にチェックしたりできるため、トラブルを未然に防げるといったメリットもあります。

自主清掃のデメリットは、手間や時間がかかる点です。そのため、不動産経営以外に仕事をしている方は、自主清掃は難しいかもしれません。

委託清掃のメリット・デメリット

委託清掃のメリットおよびデメリットは、以下のとおりです。

メリット ・オーナーの負担を軽減できる
・専門家ならではの仕上がりが期待できる
・一定のクオリティを維持できる
・専門家の目で建物を確認できる
デメリット ・費用がかかる
・セキュリティ上の不安がある

委託清掃を利用すれば、オーナーの手間や負担を軽減できることに加え、一定のクオリティを保った清掃ができるといったメリットがあります。また、専門家の目で建物を確認できるため、破損個所の早期発見も期待できるでしょう。

委託清掃のデメリットは、費用がかかる点とセキュリティ上の不安がある点です。委託清掃を利用するのであれば、複数の業者の実績や口コミなどを確認し、信頼できるところに依頼することが重要です。

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業者へ委託する場合の費用相場

アパート共用部の清掃5

委託清掃の費用は、清掃業者によって異なります。コストを抑えつつ信頼できる業者を探すには、委託清掃の相場を知っておくことが重要です。

日常清掃の費用は利用する頻度や物件の規模によって異なりますが、週1回(月4回)利用すると1万4,000円〜3万円程かかるようです。清掃費用は床面積をもとに決定することが多いため、部屋数が多いアパートほど料金は高くなります。コストを負担に感じるのであれば、自主清掃と併用しても良いでしょう。自主清掃を併せて行うことで、オーナー自身での物件や入居者の現状確認もできます。

定期清掃を委託した場合の費用の目安は、1回あたり2万円程度です。機械を使った床掃除を行う場合、1平方メートルあたり200円~250円の洗浄代金となります。

特別清掃は、内容によって費用が大きく変わります。一例をあげると配管の高圧洗浄は、1戸あたり3,000円~5,000円です。貯水槽の洗浄は、容量によって3万円~10万円が目安とされます。

アパート共用部清掃の委託のポイント

アパート共用部の清掃6

清掃業者を選ぶにあたっては、費用以外にもいくつか気を付けたいポイントがあります。事前に確認すべき点を押さえ、後悔のない業者選びを実現しましょう。

管理・報告体制が整っているか

ポイントの1つ目は、管理・報告体制が十分に整っているかです。オーナー自身が清掃現場を訪れ作業を確認できれば、報告の必要はないでしょう。しかし、オーナーの状況や物件の立地等によっては、毎回掃除現場を確認することは現実的ではありません。どのような清掃が行われたかの報告をしっかり受けられる業者であれば、安心して依頼できるでしょう。

実績があるか

ポイントの2つ目は、実績の有無です。業者を選ぶにあたっては、ホームページや広告などに掲載されている実績や口コミを確認しましょう。実績がない業者がすべて悪いわけではありませんが、実績を公開しているほうが安心して業務を依頼できます。特に、大手企業や有名企業からの依頼実績がある業者は、信頼できると考えられるでしょう。

依頼内容とプランが合っているか

ポイントの3つ目は、依頼内容とプランが合っているかを確認することです。業者に依頼をするにあたっては、まず希望する清掃内容を伝え見積もりを取る必要があります。清掃プランは、清掃頻度や清掃箇所、使用する機械や薬剤、スタッフの人数などによって変わります。

見積もりを確認する際には、依頼した内容とプランが合致しているかをチェックしてください。見積もり内容に不明点がある場合は、納得がいくまでしっかりと確認しましょう。

委託清掃の費用相場と大きく違わないか

ポイントの4つ目は、委託清掃の費用相場と大きく違わないかです。見積もりを取ったら、その金額が相場と大きく離れていないかも確認するべきポイントです。費用が想定よりも高いと感じたら、業者に相談をしてみましょう。納得がいく回答が得られない場合や、費用と予算がどうしても合わない場合は他の業者も検討してください。

まとめ

アパート共用部の清掃7

アパートやマンションにおける共用部分の清掃は、オーナーが行うべき建物管理義務の1つです。共用部の清掃を徹底すれば、成約率の向上や退去率の低下、物件の資産価値維持が期待できます。賃貸経営を成功させたいのであれば、掃除の行き届いた共用部分の維持を目指しましょう。

共用部の清掃には、日常清掃および定期清掃、特別清掃があります。コストを抑えるならオーナー自身で掃除を行う自主清掃、手間や負担を抑えるなら業者に依頼する委託清掃が適しています。

委託清掃をするには、いくつかの業者を比較検討したうえで依頼することが重要です。報告管理体制やこれまでの実績、清掃プランなどを確認し、相場価格と比較したうえで信頼できる清掃業者を選びましょう。

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監修者

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

S.W

賃貸不動産業20年以上。賃貸管理業法や宅建業法、民法といった関係法規に深い造詣をもつ。専門知識を活かして賃貸管理業務に従事し、法改正や最新の業界動向に迅速に対応している。賃貸専門の仲介会社に11年、地場不動産会社に6年、現職は10年目を迎える。

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