資産運用の土台をつくる「アセットアロケーション」入門
今回から、ファイナンシャルプランナーの水野崇氏のコラムがスタート。不動産投資をはじめ、富裕層が実践する多様な資産運用の実例を交えながら、知っておきたい最新の運用手法や考え方をわかりやすく解説していただきます。 目次 貯蓄から投資へ アセットアロケーションの基本概念 世界有数の機関投資家が実践するアセットアロケーション リスクを抑えたアセットアロケーションに欠かせないオルタナティブ資産 「まとめ」と...
不動産投資家K
相続の際にアパート経営を問題なく引継ぐためには、さまざまなポイントの確認や手続きが重要です。
この記事では、アパート経営の引継ぎについて解説します。引継ぎか売却かの判断をするうえで確認すべきことや、手続きの内容、注意することなどの重要なポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
アパート経営していた賃貸物件を相続する場合、そのまま経営を引継ぐか、それとも売却するかを判断します。引継ぎか売却かを判断するためのポイントについて、詳しくチェックしていきましょう。
アパート経営を引継ぐ場合、ただ不動産の所有者になるということだけではなく、経営のための判断や業務を行う必要があります。
自身にアパート経営のノウハウがあるか、今後必要な知識を学んでいけるかを冷静に考え、引継ぎ後にアパート経営をやっていけるかどうかを判断しましょう。
アパート経営を引継ぐ場合に必要な知識には、「建物や設備に関する知識」「実際に経営する際の戦略や対応」「会計や税務に関する知識」「民法や借地借家法などの法律の知識」があります。
まったく知識がなく、アパート経営をやるつもりもなかった方が引継いだ場合には、せっかくのアパートが負の資産になりかねません。手に余るようであれば、売却も1つの方法です。
また、アパート経営をやっていけるかどうかを判断するためには、残されたアパート自体が賃貸経営に適した物件かどうかの確認も重要なポイントです。アパートの現状について確認するべきポイントは、後ほど詳しく解説します。
経営を引継ぐか、それとも売却するかを判断するためには、費用面も考慮に入れることが重要です。相続したアパートを売却すれば、売却価格がそのまま手に入ると考えるかもしれませんが、不動産の売却にあたってはさまざまな費用がかかることに注意しましょう。
アパートを売却する場合にかかる費用は、「不動産会社への仲介手数料」「譲渡所得税」「登録免許税」「住民税」「印紙税」などです。物件の売買価格や固定資産税評価額など、それぞれの費用を求める際に基準となるものが違う点にも注意してください。
また、住民税や譲渡所得税は建物の所有期間が5年以下かそれよりも長いかによって異なります。引継ぎか売却かを検討する際は実際にどれくらいの費用がかかるか計算してみましょう。
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売却ではなく経営を引継ぐ場合には、アパートの現状について確認するべきポイントがあります。引継ぎのためにはどのようなことをチェックしておくべきなのか、詳しく見ていきましょう。
アパート経営を引継ぐ場合には、現状の資金繰りから経営状況が良好かどうかの判断をすることが重要です。ローン残高や資産がどれだけあるのか、ローンの返済状況、収入と支出のキャッシュフロー、損害保険への加入状況などを確認しましょう。
これにより、現在のアパート経営の資金繰りや問題点、今後のリスクなどを理解できるようになります。
アパート経営を引継ぐ場合には、空室率や募集状況、入居者の属性、現行の家賃、家賃の支払い状況、預かっている敷金、契約の更新時期などをチェックしましょう。なかでも、経営を見直す際に特に重要視されるものが、賃貸物件の空室率の高さです。
入居者の入れ替わりのタイミングでメンテナンスを行うために空室になっているだけなら気にしなくてもいいでしょう。しかし、数カ月間ずっと空室になっている部屋が多いようならば、集客方法などの見直しをしましょう。
アパートの建物自体の状態のチェックも重要なポイントです。老朽化による耐震性や耐久性のリスクがどの程度あるのかを把握しましょう。
設備や外壁塗装などの修繕状況も確認し、交換や修繕が必要となる時期を把握します。これにより経年劣化リスクへの対応コストの見通しが立てられるようになるので、あらかじめ修繕資金を準備しておきましょう。
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経営を引継ぐ場合には、アパートの管理体制もしっかりとチェックします。管理会社や管理プランはどのようになっているのかを確認し、委託している業務の範囲や管理委託料についても把握しましょう。
管理体制を見直した結果、相続人自身の対応が必要な業務を減らしたい場合には委託業務を追加で依頼します。反対に、委託している業務の一部を相続人自身が実施できるのであれば、管理委託料を節約することも可能です。
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アパート経営を引継ぐためには、誰が相続するのかを決めて、不動産の登記における名義人を変更します。相続登記は司法書士へ依頼できますが、法務局やインターネットで申請書を手に入れて自分で手続きすることも可能です。
ちなみに、被相続人が亡くなってから遺産分割によりアパートの相続人を決定するまでの期間に発生した賃料は、原則として法定相続分通りに分割します。
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アパート経営を引継ぐ際、遺産分割について金融機関へ伝える必要があります。アパート経営のためのローンであっても、金融機関に伝えていなければ被相続人の借金として相続人全員に引継がれてしまいます。アパート経営を引き継いていない人にまでローンの請求が及ばないよう注意しましょう。
入居者や管理会社への連絡も、アパート経営を引継ぐ際に必要です。特にアパートを自主管理している場合は、各種問い合わせや退去の際の連絡先として、電話番号などを早めに入居者に伝えましょう。
管理会社に依頼している場合の入居人への連絡は、直接ではなく管理会社を通してでも構いません。管理会社には、まずオーナーが亡くなったことを連絡し、相続人が決定してから再度連絡を入れましょう。
相続によりアパート経営を引継いだ場合、相続の発生から4カ月以内に準確定申告を行う必要があります。準確定申告とは、1月1日~相続発生までの期間内における被相続人の所得について、相続人が代理となって確定申告を行うことです。通常の確定申告の期間とは異なるため、注意しましょう。
前述したとおり、アパート経営の引継ぎの際は、必ず金融機関へ遺産分割の申し出を行うよう注意しましょう。
債権者保護の観点から、基本的に被相続人がしていた借金は法定相続分どおりに相続すると民法で決められています。相続登記をしても金融機関に連絡されるわけではないので、遺産分割をしても、金融機関に申し出を行わないと法定相続分通りにローンが分割され、相続人以外に請求されてしまいます。銀行への申し出を忘れずに行うようにしましょう。
アパート経営の引継ぎの有無にかかわらず、アパートの建設費用などの連帯保証人となっている人には返済義務が残ります。
アパート経営がうまくいっていない場合、連帯保証人以外であれば相続を放棄するという選択肢もあります。しかし、相続を放棄しても連帯保証人となっている人の返済義務は残るため、注意が必要です。
経営を引継ぐ場合には、空室率や経営状況など、アパートの現状について確認するべきポイントがあります。引継ぎのために必要な手続きや注意するべきポイントなどの、引継ぎのために重要な点を理解して、個人が築いてくれた資産を活用していきましょう。
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監修者
中川 祐一
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