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ポートフォリオに不動産を組み込むメリットを解説!不動産の最適な割合も紹介

ポートフォリオに不動産を組み込むメリットを解説!不動産の最適な割合も紹介

投資をより長く安定して続けるなら、1つの投資対象に絞るのではなく、適切な割合で複数に分散させる方がよいとされています。投資する人が保有している預貯金や株式、投資信託などの投資対象を総括したものがポートフォリオです。

もし不動産に投資すれば、不動産もポートフォリオに含まれます。ポートフォリオの中で不動産投資は、どのような性質を持つのでしょうか。ここでは、ポートフォリオに不動産投資を組み込むメリットと、最適な割合の考え方について解説します。

ポイント

  1. ポートフォリオとは投資している対象を総括したもの
  2. 不動産投資は、株式や債券、投資信託といった投資対象とは異なる特徴があるため、ポートフォリオに含めるとリスクの軽減が期待できる
  3. 理想のポートフォリオに「正解」はなく、状況の変化に応じて適切に調整することでリスクを避け、より長期的に安定して投資できる
一棟投資と区分投資
目次

ポートフォリオとは

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ポートフォリオにおける不動産投資の性質について考える前に、まずはポートフォリオそのものについて、きちんと理解しておく必要があります。ポートフォリオは一般に「複数の投資対象に分散して投資している内訳」のように語られますが、そもそもポートフォリオはなぜ重要とされているのでしょうか。

ここでは同じように分散投資と位置づけられるアセットアロケーションとの違いについても考えてみましょう。

ポートフォリオの重要性

投資の世界ではよく「持っているすべての卵を、1つのカゴに盛ってはいけない」といわれます。この言葉が意味するのは、何かの拍子にカゴを落としてしまうと、卵はすべて割れてしまい食べられなってしまうことです。もしいくつかのカゴに分けて盛っていれば、そのうち1つを落としても、割れてしまうのは全体の一部にとどめられます。

この言葉を投資に当てはめると、資産(卵)を1つの投資先(カゴ)だけに集中的に費やす(盛る)のではなく、複数の投資先に分散させることで、リスク(卵が割れること)を抑えようとすること、と言い換えられるでしょう。

ポートフォリオとは、リスクを抑えるためにどの投資対象にどのくらいの資産を割り当てているかを総括したものです。市場が変化したとき、ある投資対象は価値が下がっても、別の投資対象は下がらない、または上がるようなポートフォリオであれば、リスクは抑えられます。

投資においてポートフォリオは、リスクの軽減に欠かせない重要な考え方なのです。

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アセットアロケーションとポートフォリオの違い

投資においてアセットアロケーションは、アセット(資産)をアロケーション(配分する)という言葉通り、資産配分を意味します。ポートフォリオの意味する分散投資と似ているように思えますが、違うのは分散する対象です。

ポートフォリオで資産を分散する先は、企業の株式や国債、投資信託といった具体的な金融商品ですが、アセットアロケーションは資産の配分を「資産の種類」ごとに表します。

たとえば国内企業であるA社とB社の株式は、ポートフォリオでいうと別の構成要素ですが、アセットアロケーションでいうと同じ「国内株式」として1つの種類にまとめられるといった具合です。

投資の初心者は、最初からポートフォリオを組んでしまいがちですが、投資が本来目的とするリスク管理や軽減のためには、その前にアセットアロケーションを組む必要があります。そうすることで、投資全体のリスクをより軽減させることが可能になるためです。

アセットアロケーションとポートフォリオの関係については、下記リンク先で詳しく説明しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

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不動産投資をポートフォリオに組み込むメリット6つ

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アパートやマンション、戸建て住宅を購入して賃貸とし、入居者から家賃収入を得る不動産投資は、ポートフォリオに含める投資対象として、株式や投資信託とは異なる特徴を持っています。不動産投資をポートフォリオに含めるなら、その特徴やメリットについても正しく知ることが大切です。

ここではポートフォリオに不動産投資を組み込むメリット6つの概要を紹介し、それぞれ投資活動にどのような影響を与えるかを解説します。

ミドルリスク・ミドルリターンである

資産の投資先として、銀行預金がローリスク・ローリターン、株式やFXがハイリスク・ハイリターンとすると、不動産投資はその中間、ミドルリスク・ミドルリターンといえるでしょう。

不動産投資は、まず不動産を購入し、入居者を見つけて賃貸契約を結び、家賃収入を得るというしくみです。生活に欠かせないインフラであることから、継続して安定した収入が得やすい投資先です。

一方で、空室の間は収入がなく費用だけが発生してしまう、台風や水害、震災によって建物などが大きな損害を被るといったリスクもあります。しかしこれらのリスクは、ある程度事前に対処することも可能です。

不動産投資は、まさに中くらいのリスクとリターンの投資先といえます。

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インカムゲイン・キャピタルゲインの両方が得られる

不動産投資には、インカムゲインとキャピタルゲインの両方が得られるという特徴もあります。

  1. インカムゲイン:資産を保有することで継続して得られる利益
  2. キャピタルゲイン:保有する資産を売却することで得られる利益

不動産投資では、インカムゲインが家賃収入、キャピタルゲインは物件の売却によって得られる収益です。このうちキャピタルゲインは、経年劣化等によって物件の価値が目減りすると、十分に得られない可能性があります。しかしこのような事態を想定し、あらかじめ立地のよい土地を選ぶなどしておけば、目減りを少なく抑える、または価値の上昇による利益を得ることも可能です。

たとえば株式では、インカムゲインが配当、キャピタルゲインが売却益にあたります。しかし、配当はゼロの場合もありますし、売却益が得られるほど値上がりをしない場合もあるでしょう。

不動産投資ではインカムゲインとキャピタルゲインの両方がある程度得られるため、比較的堅実な投資先といえるでしょう。

長期収入の可能性

たとえ経済状況が大きく変化し、株価が乱高下しても、土地や建物など不動産の資産価値は比較的安定していることが多く、変わらず毎月決まった金額の家賃収入が得られます。

賃貸契約も年単位で締結されるのが一般的です。年単位での長期間にわたって家賃収入が得られる可能性が高い投資先といえます。

ローンを組める(レバレッジを効かせることができる)

また不動産投資では不動産の購入の際、購入する不動産そのものを担保にしてローンを組めるのも大きなメリットです。たとえば自己資金200万円でも、物件の状況や価格、事業としての将来性などの要素によっては、その数倍、十数倍の金額のローンを組める、つまりレバレッジを効かせることができます。

あるいは自己資金ゼロでも、ローン審査に通過すればそこから長期にわたる家賃収入を得る道が開けるだけでなく、ローンを完済すればその土地や建物といった資産を現物として手元に残るのも大きなメリットです。その時点で売却するか、引き続き家賃収入を得るかを選ぶこともできるでしょう。

インフレ対策になる

現在、日本ではインフレによってモノの価格は上昇傾向にありますが、インフレは現物資産である不動産を取り扱う不動産投資にとって有利です。インフレによってお金の価値が下がると、相対的にモノの値段、価値は上がります。1,000万円の現金の価値はインフレが進行すると徐々に価値は下がりますが、1,000万円で購入した不動産の価値が受けるインフレの影響は限定的です。

現金はただ銀行に預けていてもローリターンでしかありません。とくに投資先がないなら、現金は不動産に投資すると、銀行預金で得られる利息より高い利益を得られる可能性があります。

節税になる

資産を相続することになったら、その評価額に応じた相続税が発生します。資産が現金の場合、現金の金額がそのまま評価額です。

しかし、不動産の場合は、他の金融資産と異なり低く評価されます。相続税額は評価額によって決まるため、結果として相続税を低く抑えることが可能です。さまざまな特例や優遇措置を併用すれば、より高い節税効果が得られます。

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ポートフォリオにおける不動産の割合とは?

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とくに投資はしていないが、不動産は所有しているという方は多いでしょう。ただそのようなケースでは不動産以外への投資が少なく、比較的評価額の高い不動産が資産全体の80〜90%を占めることが多いようです。しかしポートフォリオによる「資産の保全や防衛」の観点でいえば、この状態はリスクが高いといえます。

将来、万が一不動産の価値が暴落すれば、資産全体の価値も大きく下がるためです。バランスを考えると、不動産の割合は50〜80%にとどめ、残りは有価証券または現金といった他の資産にしておくことをオススメします。

いくら安定しているように見えても、不動産もポートフォリオの構成要素の1つです。過剰に集中するのではなく、適切に分散させることが大切です。

理想のポートフォリオとは?

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「とにかく資産を増やしたい」、「生活に困らないだけの資産があればいい」など、投資する人によって資産を運用する目的は違います。そう考えれば、ポートフォリオにも理想となる1つの形式は存在しないといってよいでしょう。

ただ異なるとはいえ、それぞれの目的をしっかり定めることは大切です。資産を増やすならある程度のリスクは仕方ありませんが、資産を減少させたくないなら、リスクは最小限に止める必要があります。理想のポートフォリオは目的ごと、投資する人ごとに、それぞれの形があるのです。

リスクの許容度は、年齢やライフステージなどによっても異なります。場合によってはポートフォリオより広い視野で投資をとらえる、アセットアロケーションからの検討が必要になるかもしれません。その際は、株式や投資信託とは異なる性質を持つ不動産投資についても、検討することをオススメします。

理想のアセットアロケーションについては、下記リンク先記事で詳しく解説しています。今後の投資のあり方について考えるとき、ぜひ参考にしてみてください。

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まとめ

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ポートフォリオは、投資を長期にわたって適切継続するために必要な考え方の1つです。企業の株式銘柄や投資信託など、1つの投資対象に集中投資すると、状況がよくない方へ変化したとき、資産全体が大きなダメージを受けてしまいます。しかし、ポートフォリオによって分散投資しておけば、ダメージの軽減は可能です。

ただし、誰にとっても理想的なポートフォリオの形はありません。なぜなら投資は投資する人の目的によって、負うべきリスクや期待する利回りが異なるためです。理想的なポートフォリオとは、投資する人が定めた目的ごとに作り上げられるものといえます。

ポートフォリオに含める投資対象には、不動産投資も含めて検討しましょう。不動産投資は投資の中でいうとミドルリスク・ミドルリターンで、現物があるためインフレ対策にもなり、いざというときのリスクに備えるしくみもあります。

ポートフォリオの目的は、投資におけるリスクを抑えることです。投資全体から見て、利回りだけでなくリスクも含め、適切に運用できるような組み合わせが求められます

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監修者

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

中川 祐一

現在、不動産会社で建築請負営業と土地・収益物件の仕入れを中心に担当している。これまで約20年間培ってきた、現場に密着した営業経験と建築知識、不動産知識を活かして業務に携わっている。

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