富裕層の投資戦略に学ぶ|どのように資産を守りながら安定的に資産を伸ばすか
「富裕層の投資戦略」と聞くと、多くの人が「特別な金融商品」や「限られたネットワーク内での情報交換」を想像するかもしれません。しかし、実際に長年にわたって資産を守り増やしてきた富裕層を観察すると、その答えは意外とシンプルです。 『どのように資産を守りながら安定的に資産を伸ばすか』 この問いを軸に投資戦略を組み立てているのです。 ここで注目すべきは、日本の富裕層が一様ではないという点です。資産形成の経...
不動産投資家K
世界中で話題となっているメタバースは、日本からもパナソニックやKDDI、任天堂といった世界的な企業もビジネス参入を表明しているインターネット上の仮想空間です。参入の背景には、技術の進化や個人の利用する電子端末の進化によるメタバース空間の発達により、新たなビジネスチャンスの存在が大きくあるといわれています。
そんなメタバース内で近年注目されているのが不動産投資です。ここではメタバースにおける不動産投資について、メリットとデメリット、注意点などの概要を解説します。
「メタバース」という言葉は、アメリカのSF小説で初めて登場しました。もともとの意味は「高次の別世界」という「meta(超えた)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語です。現在での意味としては「インターネット上に作られた仮想空間」と言うとわかりやすいかもしれません。
現在メタバースは、次の条件を満たしている必要があるとされています。
身近なメタバースとしては、ゲームの「あつまれどうぶつの森」「Minecraft(マインクラフト)」「Fortnite(フォートナイト)」などがあげられます。いずれも、先の条件を満たしているメタバースです。
ゲームの例からわかる通り、メタバースには多くのユーザーが同時に同じ場所に存在するため、豊かなコミュニケーションが生まれます。人が集まれば社会が形成され、ものやお金のやり取り、つまり経済活動が生まれるのです。
よりリアルに作り込まれたバーチャル渋谷のような自治体公認の街は、仮想空間でありながらすでに1つの街と言ってよいでしょう。そんなメタバースだからこそ、不動産が生まれ、不動産を運用する不動産投資が生まれても不思議ではありません。
メタバースが多くのユーザーに認識されると、仮想空間に存在する土地や建物を「欲しい」と思う人が出てきます。では、仮想空間にあるものを所有するとはどういうことでしょうか。そこで登場するのが、「NFT(Non-Fungible-Token)」という技術です。
NFTは、偽造や複製ができない唯一無二のデジタルデータを意味します。デジタルデータはまったく同じものをいくつでもコピーできますが、NFTはコピーができません。NFTによってメタバースは、経済活動が安心して行える空間になりました。
NFTは現実世界でいえば、所有権を主張できる自動車や貴金属、土地などと同じものです。そのためメタバースでは、土地や建物を所有でき、それを売ることも買うことも、貸すことも借りることもできます。
メタバースにある不動産は、現実世界と同じようにユーザーが増えるほどニーズが高まり、価値は上がる傾向にあります。これからの投資先の一つとして注目を集めています。
不動産投資の原理上、たしかにメタバースと現実世界は似ていますが、異なる部分も多くそれぞれのメリットやデメリットも異なります。ここでは、メタバースでの不動産投資のメリットを紹介します。
現実世界の不動産建物には、経年劣化というリスクがあります。致命的ではなくても時間と共に劣化し、いずれ修理や設備交換をしなくてはなりません。こうしたメンテナンスをしなければ、借り手や買い手がつかなくなってしまいます。
その点、デジタルデータであるメタバース内の不動産は、時間が経っても劣化することはありません。また災害によってダメージを受けることもないため、修理や修繕も不要です。現実世界の不動産投資にはつきもののリスクがないことは、メタバースにおける不動産投資のメリットといえます。
メタバースでの不動産は、土地や建物の一部だけをトークンとして売却できます。トークンとはブロックチェーン上で動作する暗号資産のことを指します。メタバースではこのトークンを購入することによって、不動産投資を全体への一括投資ではなく小口投資も可能です。
小口である分、投資で得られる利益は少額になります。逆にいえば、大きな損をするリスクが少ないため、初心者でも比較的安心して投資しやすいといえるでしょう。
現実世界での不動産投資では、経年劣化や災害などに対する適切な管理が求められます。自身で管理を行う場合も、管理会社に委託する場合も、相応のコストがかかるため、得られる収益は目減りします。
メタバースの不動産には経年劣化や災害のリスクがなく、そもそも管理の手間が圧倒的に少ないことも特徴です。総じてかかる管理コストが抑えられ、その分高い収益が得られることは大きなメリットといえるでしょう。
メタバース内の不動産投資で想定されるデメリットは、メタバースがまだ生まれて間もないしくみであることが関連しているものが多くあります。不動産に限らず、投資には一定の基準や規制が必要です。ここでは、メタバース内の不動産投資にまつわるデメリットを解説します。
メタバースという仕組みが世間から広く注目されるようになったのはここ数年の話で、日本での認知もまだまだ低いです。世界的にみても現実世界における不動産投資と比較にならないほどメタバース自体に関する情報量は少ないといえます。
現実世界の不動産投資に関連する情報は、テレビニュースや新聞、書籍、インターネットなどさまざまなメディアから収集できますが、メタバース不動産投資に関する情報収集の手段はまだまだ少ないのが現状です。そのため、数少ない情報を求めるユーザーへの詐欺行為も後を断ちません。その上、メタバースの不動産投資にまつわる情報だけでなく、メタバース業界全体の現状や実態を知らないことには、投資では重要となる適切な情報の拾い上げも難しいといえるでしょう。
NFTがトレンドとなり、全世界で注目されるようになったここ数年で、メタバース内の不動産投資は急激に加速しました。それと同時にメタバース開発やメタバース内の経済活動も急速に拡大し、想定していなかったことも起こり始めています。これは、メタバースで起こる事象に対応する基準や法整備がまだ不十分であるためです。
そのため、詐欺行為やハッキング被害などのトラブルに行政が対応できず、自己責任となる可能性があります。逆に突然の法規制によって売買が制限されたり、気づかぬうちに法を犯したりしてしまうこともあるかもしれません。
メタバースでの不動産投資を始めるのであれば、現時点でのNFT関連の法律や税制度、提供側が掲げている規約などをチェックしておくことが重要です。
メタバースでの不動産投資には、現実世界の場合と同様、うまく続けるためのポイントがあります。投資で成功するために、ぜひ押さえておきたい点ばかりです。ここでは、メタバースの不動産投資の注意点について解説します。
メタバースは、世界で一般利用され始めてから20年ほど経った現在もなお、今後拡大していくか衰退するかどうかが読みにくい特殊な分野です。メタバースの不動産を求めるユーザーが増えているうちはよいのですが、他の投資商品と同様に、なんらかの理由でユーザーが減ればニーズが減り、価格を下げざるを得なくなります。
メタバースの経済活動では、仮想通貨が利用されます。現実世界におけるわが国の通貨・円は、国家の信用や後ろ盾により価値が大幅に下がることはありません。一方で仮想通貨は、価格が大きく変動する可能性があります。仮想通貨の価値が下がれば、メタバースでの不動産価値の価値も下がり、結果として割高となってしまうことは大きなリスクです。
仮想通貨価格の変動は、不動産の価値を左右する要素です。利益を得ることもありますが、損をすることもあります。メタバースにおいて不動産投資をする場合は、仮想通貨の価格にも配慮することが大切です。
現実世界での不動産の価値は、よほどのことがない限り大きく変動することはありません。災害によって建物はなくなっても土地は残り、また建物を建てて投資として利用することもできます。これは、土地が実在するため発揮される価値であるからです。
しかしメタバースの不動産は、ユーザーのニーズや取引に使う仮想通貨の価格に直接影響を受けます。そのため、現実世界の不動産より価格変動の度合いは大きいといえます。
現実世界と同じように、メタバースにも不動産の価値が決まるための要因があります。現実世界とよく似た要因もありますが、メタバース内では意味が違うものも多いです。これから投資を始めるのであれば、価値が決まる要因の種類とその仕組みを正しく理解しておきましょう。
メタバースの不動産を利用するユーザーが多ければ、集まるユーザーに対してアプローチしやすいことに価値を見出せます。イメージとしては、現実世界の渋谷などの人が集まる場所にあるような商業施設や電子広告を設置できる不動産の価値が高いことと似ています。もちろん、ユーザーが少なければ、期待できる価値が少なく、不動産を利用しようというユーザーも減るのが通常です。
つまり、ユーザーの訪問数の少なさは不動産の利用価値が低いことを示しています。このことは、現実世界でも同様です。条件のよい物件は家賃を高く設定しても借り手がいますが、条件が揃わない物件の場合は家賃を下げても借り手がつかないこともあり得ます。
メタバースにおける不動産の立地も、現実世界の不動産と同じです。近くに人気が高く多くのユーザーが訪れる施設があれば、自ずと訪れるユーザーも多いことが期待できます。そうでない場合、利用するユーザーの数は期待できません。
メタバース内では、不動産の大きさや数に制限を設けています。理論的にいえば、デジタル空間では不動産をいくらでも作ることが可能です。しかし、これではユーザーのニーズが高まることがなく、需要は生まれません。
そこでメタバースでは、所有できる不動産の区分を限定されています。メタバースにしろ現実世界にしろ、不動産は希少だからこそ需要があり価値があるのです。
メタバース内の不動産投資で稼ぐ方法は、原理的に現実世界とあまり変わりありません。ここでは現実世界の不動産投資と比較しながら、メタバース内での方法として詳しく解説していきます。
メタバースでも現実世界と同様に土地の売買ができます。土地の売買では、買った価格より高い価格で売るのが基本です。
注意したいのは、現実世界では地域ごとにある程度の価格(地価)が決まっていることに対し、現状のメタバースでは相場や価格の基準がない点です。ニーズの高さは未知数であるため、価値はいくら高くなっても低くなっても不思議ではありません。
うまくいけば、買った価格の数倍以上の利益を得られる可能性もあります。
土地を所有すれば、定めた賃料で他のユーザーに貸し出すこともできます。土地の価格に影響されるのは、先述にもあるとおりユーザーの訪問数や立地です。人気の施設の近くや人通りの多いエリア、人の集まりやすい場所の土地は、イベント開催などにも有効利用されることが多く、ある程度高い賃料でも借り手が現れる可能性があります。土地の賃貸については現実世界と近いといえるでしょう。
監修者
大手通信会社にて経理、経営企画、事業会社投資を担当。2019年より不動産会社の経営企画部にて計数管理、アライアンス企画、事業開発、M&A等に携わっている。
「富裕層の投資戦略」と聞くと、多くの人が「特別な金融商品」や「限られたネットワーク内での情報交換」を想像するかもしれません。しかし、実際に長年にわたって資産を守り増やしてきた富裕層を観察すると、その答えは意外とシンプルです。 『どのように資産を守りながら安定的に資産を伸ばすか』 この問いを軸に投資戦略を組み立てているのです。 ここで注目すべきは、日本の富裕層が一様ではないという点です。資産形成の経...
資産価値とは、現金や不動産、株式などの資産が持つ経済的な価値を指し、不動産の場合は土地や建物の市場での取引価格や評価額で表されるのが一般的です。不動産の資産価値は立地条件や築年数、建物の状態など多くの要素で左右されるため、適切な管理や市場動向の把握によって維持・向上させることが可能です。 本記事では、資産価値の概要や価値の高い土地・建物の条件、維持するために必要なことを解説します。 ポイント 不動...
賃貸経営において入居率と稼働率は、どちらも空室状況や収益性を測るために重要な指標です。入居率はある時点にどれだけ部屋が埋まっているかを示すのに対し、稼働率は一定期間のうち実際に稼働していた割合を表すといった違いがあります。 本記事では、入居率と稼働率の違いやそれぞれが果たす役割、活用場面などをわかりやすく解説します。 ポイント 入居率とはある時点の入居状況、稼働率は一定期間の入居状況を示す指標であ...
入居率を上げることで、賃貸経営の安定と収益確保に直結します。集客戦略の見直しや人気設備の導入、管理体制の見直しといった対策を総合的に行うことで、空室リスクを抑え、安定した入居率の実現が可能です。 本記事では、不動産経営で入居率を上げる12の方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ポイント 入居率を上げる方法を考えるには、課題を分析することが重要となる 入居率を上げるためには、集客に向けた戦...
土地を相続した場合、相続税がいくら課せられるのか分からない方もいるでしょう。土地の相続税率は相続する土地の価値によって大きく異なりますが、かなり高額になるケースもあります。しかし、土地活用や特例、控除を使用して節税できることもあります。 本記事では、土地の相続税の計算方法、節税・特例の活用、申告方法をご紹介いたします。 ポイント 土地の相続税率は10〜55% 土地の相続税は土地活用や特例・控除を使...
賃貸併用住宅は、同じ建物のなかにオーナーが居住する自宅部分と、人に貸し出す賃貸部分が存在する住宅のことです。相続税や固定資産税の節税効果が期待できる一方で、「プライバシーの問題が発生しやすい」「利回りが低くなりやすい」などがデメリットとしてあげられます。 この記事では、賃貸併用住宅に興味を持っている人向けに、賃貸併用住宅の概要をはじめ、メリットやデメリット、そして後悔しないためのポイントなどについ...
アパートを高く売却するには、収益性が高いときや築年数が浅いときなど適切なタイミングを見極めることが大切です。売却の方法には、賃貸借契約をそのまま引き継ぐオーナーチェンジのほか、入居者のいない状態で売却する方法もあります。 本記事では、アパート売却のタイミングや事前に確認すること、売却の手順について解説します。 ポイント アパートを売却する際はタイミングを見極めることが大事 売却前にはローン残高や相...
不動産経営の手法の1つに「一括借り上げ」があります。一括借り上げはオーナーにとって多くのメリットがある一方で、一括借り上げの仕組みや他の手法との違いについて正確に理解されていないケースも少なくありません。 この記事では、不動産経営における一括借り上げの仕組みやメリット、さらにサブリース・管理委託との違いについて解説します。 ポイント 一括借り上げとは、転貸を前提にアパートなどの物件一棟丸ごと借り上...
不動産の減価償却とは、建物など資産の価値が時間とともに減少していくという考えに基づき、その価値の目減り分を一定期間にわたって費用として計上していく会計上の仕組みのことです。 この記事では、不動産の減価償却の基礎知識から計算方法、節税に役立つポイントまでわかりやすく解説します。 ポイント 時間とともに減少する建物の価値を費用計上する手続きが減価償却 減価償却は、賃貸収入がある場合や不動産を売却した場...
アパートには木造や鉄骨造・RC造などさまざまな構造があります。今回の記事では、そのなかでも木造アパートのメリットやデメリット、入居者目線での特徴などを詳しく紹介します。 ポイント 木造アパートは、土地の特性を最大限に活用できる 木造アパートは、初期費用が安く利回りを確保しやすい 賃料が下がりやすいが、メンテナンス次第では下落を防げる 近年の木造物件の性能は向上しており、耐震性能も上がっている 目次...