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【賃貸住宅】宅配ボックス設置の費用とメリット【補助金の利用も可能】

【賃貸住宅】宅配ボックス設置の費用とメリット【補助金の利用も可能】

ネット通販の普及や、配送業者の人手不足により宅配ボックスの重要性が高まっています。不動産オーナーの中には、保有する賃貸物件に宅配ボックスの設置を検討している方も多いのではないでしょうか。

宅配ボックスを設置することで、物件の価値向上や空室対策、賃料値上げなどの効果が期待できます。今回の記事では宅配ボックスの費用やメリット、使える補助金について詳しく解説します。

これからの賃貸物件管理

ポイント

  1. 宅配ボックス導入費用はダイヤル式と電子式で違いがあり、補助金を活用できる
  2. 宅配ボックスを設置する際は、物件規模や入居者ニーズに応じた設置数やサイズなどに配慮する必要がある
  3. 宅配ボックスを設置することで、物件の付加価値が向上する
  4. 宅配ボックスではトラブルもあるため、管理負担が増える可能性がある
目次

宅配ボックス導入費用

宅配ボックス設置費用1

賃貸物件に宅配ボックスを設置するにあたって、まず気になるのが費用ではないでしょうか。宅配ボックスには大きくダイヤル式と電子式があり、それぞれ費用が違います。賃貸住宅のオーナーが、後付けで宅配ボックスを導入する際の費用を紹介します。

ダイヤル式の導入費用

電源が不要でボックスごとに暗唱番号を都度設定するタイプのダイヤル式宅配ボックスの導入費用は、下記の通りです。

設置費用 10~60万円(+取付費用10万円)
ランニングコスト 不要

ダイヤル式宅配ボックスの費用は幅広く、ボックス数によって価格に差があります。ボックス数が少ないものであれば、電子式宅配ボックスほどは場所をとりません。

設置スペースが限られている場合には、使い勝手がよいでしょう。また設置は固定するだけで、電気系統の配線工事などは必要ありません。後付けの場合は、設置スペースの制約からほぼダイヤル式宅配ボックスの設置が主流となってきます。

電気の配線等がないため設置場所の自由度は増しますが、注意点としてできる限り雨風が当たりにくい場所がおすすめです。

また、コストはかかりますが長期の維持管理を考えると、防水性の高い仕様(IPX4以上)や防錆性の高い仕様(ステンレス製等)が良いでしょう。

※IPX4:IPコードと呼ばれる電子機器の防塵・防水の等級を表す。IPXは、水の侵入に対する保護等級のことで、防水性能がないIPX0から防水性能が高いIPX8の9段階の等級がある。

電子式の導入費用

コンピューターで制御されており、磁気カードやタッチパネル等で操作する電子式宅配ボックスの導入費用は、下記の通りです。

設置費用 30~100万円(+取付費用10万円)
ランニングコスト 月々5,000円~15,000円程度

電子式宅配ボックスを設置するためには、ある程度のスペースが必要になります。また電気配線工事を行うため、専門業者でなければ設置できません。費用は高額になりますが、セキュリティ面や管理の手間が少ない点で、近年新築マンションでは採用されるケースが増えています。

補助金の活用

感染症等の影響により、宅配サービスの利用が増え、対面での接触機会を最小限とするために宅配ボックスの需要が高まっていることから、国や地方自治体では設置に関する補助金制度を設けています。集合住宅での宅配ボックスの設置に活用できる補助金制度には、次のようなものがあります。

子育て支援共同住宅推進事業

制度の概要 宅配ボックスの設置費用のうち、子育て世帯の入居率に応じて最大50万円の補助
対象住宅 子育て世帯の入居率が3割以上の共同住宅
対象者 賃貸オーナー、サブリース事業者、マンション管理組合
Webサイト https://kosodate-sc.jp/?page_id=606

この制度を利用できる要件として、住戸部分の床面積が40㎡以上であることや、建築基準法の「共同住宅」もしくは「長屋」であることがあります。また、利用するためには所定の期間内に申請が必要になるため、詳細は国土交通省のWebサイトで確認しましょう。

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業

制度の概要 入居者の居住の安全確保などの要件満たした事業に対して、3分の1(最大50万円)を補助
対象者 専用住宅にかかわる改修工事の発注者
Webサイト https://www.how.or.jp/koufu/snj.html

こちらの制度は市町村が窓口になります。詳細は公式Webサイトからご確認ください。

そのほか、国土交通省では宅配ボックス設置への支援策の一覧をまとめていますので、参考にしてみてください。

〇国土交通省 国土交通省における宅配ボックス設置に関する支援策等一覧
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000050.html

宅配ボックスの特徴

宅配ボックス設置費用2

前述のとおり、宅配ボックスには、ダイヤル式と電子式があります。

ダイヤル式の特徴

ダイヤル式宅配ボックスは、荷物を入れた際に数字の暗証番号を設定するタイプの宅配ボックスです。荷物を届けてくれた配達員が暗証番号を決め、ポストへ投函された不在票等で暗唱番号を確認して受け取ります。

ダイヤル式宅配ボックスは操作が簡単でわかりやすく、電子式と比較すると導入費用が安く、ランニングコストもかかりません。電源が不要なため、設置場所の自由度も高いです。暗証番号の間違いや不在票を見られることによる暗証番号流出のリスクがあり、電子式と比較するとトラブルや盗難の可能性は高いといえます。

電子式の特徴

電子式は分譲マンションなどでは主流になりつつある宅配ボックスで、暗証番号のほか磁気カードやノンタッチキーなどで解錠します。容易に第3者が解錠しにくいため、セキュリティ面の高さがメリットです。

電子式宅配ボックスには、「自主管理方式」と「オンライン管理方式」の2つがあります。自主管理とは名前の通り賃貸住宅のオーナーが管理を行い、オンライン管理はオンラインで管理会社などが管理を行います。

■電子式宅配ボックス:自主管理方式とオンライン管理方式の特徴
自主管理方式 オンライン管理に比べると費用が安い反面、管理の手間がかかる
オンライン管理方式 管理の手間がかからないが、ランニングコストがかかる

暗証番号間違いなどのトラブルが少なく、管理会社が遠隔で管理するタイプもあるため、手間もかかりません。

しかし、商品自体がダイヤル式よりも高く、電気やネットワークの工事が必要になる場合もあるため、設置費用はダイヤル式に比べると高くなります。さらに電気代や保守管理費用などのランニングコストもかかります。また設置するためには共用部に広いスペースが必要になる点がデメリットといえるでしょう。

宅配ボックス導入の注意点

宅配ボックス設置費用3

宅配ボックスを設置している賃貸住宅は増えており、賃貸住宅を選ぶ際に宅配ボックスの有無を気にする入居者も多くなっています。便利で役立つ宅配ボックスですが、導入する際には注意点もあります。ここでは宅配ボックス導入の注意点について解説します。

設置数

宅配ボックスを導入する際は、世帯数に対する設置数に注意する必要があります。せっかく宅配ボックスを導入しても、数が足りず入居者が利用できなければ意味がありません。とはいえ世帯と同じ数を設置する必要はなく、荷物保管の連絡が本人に通知されるような電子式宅配ボックスであれば長期保管の懸念が少ないため世帯の20~35%、ダイヤル式宅配ボックスはすぐに荷物を取り出せない状況も考慮して35~50%が目安といわれています。

世帯数 6戸 12戸 24戸
ダイヤル式 2~3個 4~6個 8~12個
電子式 1~2個 3~4個 5~8個

ただ、ネット通販を利用する世帯は年々増加傾向にあり、今後は人手不足で宅配員の数が減っていくことが予想されています。再配達の削減も叫ばれるなか、宅配ボックスの需要はさらに高まると予想され、設置数はさらに余裕を持っておくとよいでしょう。

参考:株式会社ナスタ 住戸数に対して、宅配ボックスはどれくらい必要ですか?
株式会社フルタイムシステム ボックス数の目安
エス・ディ・エス株式会社 部屋数に対して宅配ボックスの数目安 

サイズと設置スペース

宅配ボックスを設置する際には、サイズや設置スペースにも配慮する必要があります。宅配ボックスのサイズには、一般的なSサイズからゴルフバックが入るLサイズまであります。

宅配ボックスを設置する際の目安としては、Sサイズが75%、Mサイズは20%、Lサイズが5%といわれています。ネットショッピングでの利用であれば、Sサイズの利用が一番多くなるでしょう。

宅配ボックスの設置スペースは、エントランス部分が一般的です。エントランスの広さに合わせたボックスを設置する必要があり、避難経路を妨げてはいけません。もしエントランスに置けない場合は、各部屋に置き型の宅配ボックスを設置する方法もあります。

参考:株式会社フルタイムシステム ボックスサイズ構成の目安

セキュリティ

ダイヤル式は操作が簡単で導入しやすい反面、不在票から暗証番号が流出する可能性や遠隔管理の仕組みなどもないため、電子式と比較するとセキュリティは高くありません。セキュリティを重視するのであれば、費用はかかりますが、電子式がよいでしょう。

設置後の管理とメンテナンス

設置後の管理やメンテナンスは、電子式のオンライン管理方式がもっとも手間がかからないでしょう。遠隔や24時間サポートに対応してくれているタイプもあります。電子式でも自主管理方式やダイヤル式は、トラブルの発生には自身で対応する必要があります。

宅配ボックス設置のメリット

宅配ボックス設置費用4

宅配ボックスを設置するメリットは、次の通りです。

  1. 物件の価値が高まる
  2. 空室対策になる
  3. 家賃の値上げ交渉がしやすくなる

宅配ボックスを設置している住宅は、入居者の利便性が高いといえるでしょう。ネット通販を利用する世帯は増加しており、今後ますます宅配ボックスの重要性が高まるでしょう。

宅配ボックスの有無を部屋探しの条件にしている人は多く、宅配ボックスを設置することで、空室率改善や家賃値上げにつながることが期待できます。また、物件の付加価値を高めることで、売却時の評価にも影響がある可能性もあります。

宅配ボックス設置のデメリット

宅配ボックス設置費用5

宅配ボックスには、メリットだけでなく下記のようなデメリットもあります。

  1. 費用がかかる
  2. 設置スペースが必要
  3. 管理負担が増える

宅配ボックスを設置するには、ダイヤル式で数十万かかります。電子式であればさらに費用が高くなり、ランニングコストもかかります。また、ある程度の設置スペースを確保する必要があり、避難経路などにも配慮しなければなりません。盗難対策なども検討しておく必要があります。

宅配ボックスを設置する際には、かかるコストと設置による費用対効果をよく検証する必要があります。高い費用をかけて宅配ボックスを設置しても、期待通りの賃料改善や空室率の低下につながるとは限りません。物件の立地や入居者の属性なども考えて、設置を検討するようにしましょう。

宅配ボックスによくあるトラブル

宅配ボックス設置費用6

宅配ボックスを設置することはオーナーにとってメリットがありますが、トラブルが起こってしまう場合もあります。宅配ボックス導入前に、よくあるトラブルは想定しておくようにしましょう。

ボックスが開けられなくなる

宅配ボックスのトラブルとして多い内容に、ボックスが開けられなくなるということがあります。原因はさまざまですが、次のようなケースが想定されます。

  1. 入居者が暗証番号を間違える・忘れる
  2. 宅配業者が暗証番号を間違える・伝えていない
  3. 解錠するカードキーを紛失してしまう
  4. 宅配ボックスの故障

電子式宅配ボックスの場合は暗証番号を一定回数間違えてしまうと、ロックがかかってしまう場合があります。

また、ダイヤル式宅配ボックスの場合は、宅配業者が設定した暗証番号を間違えたり、不在通知に記入していなかったりする場合があります。

非常用の解除キーを利用するなど、対応が必要になる場合があるでしょう。

長期放置や入居者の私物化

宅配された荷物を、何週間・何カ月も入居者が受けとらないトラブルもあります。荷物を受け取るまでは、その宅配ボックスは利用できません。ほかにも家族同士の受け渡しに利用したり、ロッカーのように私物化したりするケースもあります。

特定の入居者ばかりに利用されてしまうと、ほかの入居者に迷惑がかかります。宅配ボックスの保管期限や、超過した場合は荷物を撤去するなどのルールを定めておきましょう。

配送間違い

宅配業者が間違えて配送してしまう場合もあります。違うマンションの荷物を誤って宅配ボックスに入れてしまったり、部屋番号の設定を間違えたりすることがあります。この場合も強制解除をするか、もしくは間違って配達してしまった入居者に解除してもらうなどの対応が必要です。

盗難やいたずら

宅配ボックスを設置するにあたり、心配なのが盗難やいたずらです。扉を無理やりこじあけられたり、小さな宅配ボックスであればボックスごと盗難されたりすることもあります

盗難はされなくても、いたずらで壊されてしまうケースもあります。宅配ボックスを置く場所には防犯カメラを設置するなど、盗難やいたずらへの対策も必要です。

まとめ

宅配ボックス設置費用7

ネット通販の増加や、宅配員の人手不足もあり宅配ボックスの需要が高まっています。賃貸住宅に宅配ボックスを設置することで、物件の価値向上や利回りの改善、空室対策などの効果が期待できます。宅配ボックスの設置には費用がかかるため、設置の際には費用対効果の検証が欠かせません。

また宅配ボックスを設置する際には、セキュリティ面への配慮が必要です。盗難や配送間違い、荷物の長期放置などのトラブルが発生する場合もあります。世帯に対する設置数やサイズ、設置スペースなども考慮しながら設置しましょう。

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監修者

宅地建物取引士、賃貸経営管理士

佐藤 智崇

東北・埼玉県を中心に、25年以上アパート・マンション建築賃貸業界に従事している。リーシング・ビルメンテナンスのほかに、建築・土木や家賃保証会社での営業経験もあり、建築賃貸業務に関わる全般の幅広い知見を持っている。

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