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土地のみの固定資産税は高い?計算方法と5つの節税対策

土地のみの固定資産税は高い?計算方法と5つの節税対策

土地にかかる固定資産税は、住宅が建っている土地に比べて更地の方が高くなります。住宅が建っている土地には住宅用地の軽減措置が適用されるためです。宅地を更地のままにしている人は、不動産投資などで住宅を建築することで固定資産税の節約になる場合があります。

本記事では、土地のみの場合の固定資産税の計算式や計算方法、節税方法を解説します。

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ポイント

  1. 更地の固定資産税は、住宅用地の特例が適用できないため住宅が建っている土地に比べて高くなる
  2. 土地の固定資産税を節税するためには土地活用をするのがおすすめ
  3. 活用していない土地は売却して現金化するのもおすすめ
目次

土地のみの固定資産税は建物がある土地に比べて高い?

土地固定資産税1

土地のみを保有している場合、建物がある土地に比べて固定資産税が高くなります。その理由を説明する前提として、固定資産税について確認していきましょう。

そもそも固定資産税とは

固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有している人に対して毎年課される地方税です。各市区町村が固定資産税評価額をもとに税額を算定し、毎年1月1日時点での所有者に納税義務が発生します。

固定資産税額は、原則として以下の計算式で算出されます。

固定資産税額=固定資産税評価額 × 標準税率

標準税率は1.4%ですが、自治体によって異なる税率が定められている場合もあります。 評価額は3年ごとに見直され、物件の状況や市場動向に応じて変動する仕組みです。

参考:総務省 固定資産税

土地によっては都市計画税もかかる

都市計画税は、土地が市街化区域などの用途地域内に指定されている場合に課される税金です。主に道路整備や都市基盤の充実など、街づくりにかかる費用に使われます。納付は、通常固定資産税とあわせて行われ、税額は固定資産税評価額に0.3%(上限税率)を乗じて計算されます。

用途地域外の土地には課税されないため、自分の不動産がどのエリアに位置しているかを把握しておくとよいでしょう。

参考:総務省 都市計画税

土地のみの場合に固定資産税が高い理由

土地に建物がある場合よりも土地のみの所有に固定資産税が高くなるのは、住宅用地特例(減税措置)が適用されないためです。建物が建っている住宅用地には、課税標準が最大6分の1まで軽減される特例がありますが、更地にはこの優遇措置がありません。

住宅用地特例の内容

住宅用地特例とは、住宅が建っている土地に対して固定資産税を大幅に軽減する制度です。土地の負担を抑え、住環境を確保することを目的としています。

主な内容は、以下のとおりです。

小規模住宅用地(200㎡以下):固定資産税の課税標準を評価額の6分の1に軽減

一般住宅用地(200㎡超の部分):固定資産税の課税標準を評価額の3分の1に軽 減

特例は、住宅が実際に建っている、または建築予定の土地に適用され、更地には適用されません。その結果、同じ評価額でも、更地のほうが大幅に高い税額になります。また、土地は建物と異なり価値が減りにくいため、評価額が下がりにくい点も負担が大きくなる理由の1つです。

参考:国土交通省 土地の保有に係る税制

   総務省 固定資産税

土地の固定資産税の計算式と計算方法

固定資産税-土地1

土地の固定資産税額の計算式は、以下のとおりです。

固定資産税=課税標準額(固定資産税評価額)×標準税率1.4%

固定資産税の計算の基準となる課税標準額は、原則、固定資産税評価額と同じ額になります。ただし、住宅用地の特例措置の適用や税負担の調整措置により、固定資産税評価額よりも課税標準額の方が低くなることがあります。

固定資産税額は以下の手順で計算できます。

1.
固定資産税評価額を求める
2.
課税標準額を求める
3.
標準税率をかける

1.固定資産税評価額を求める

固定資産税額を算出するには、まず固定資産税評価額を求めます。

固定資産税評価額を確認する方法は次のとおりです。

課税明細書で調べる

●固定資産税課税明細書

毎年4~6月に届く固定資産税の課税明細書を確認します。

固定資産税課税明細書は、固定資産税納税通知書に同封されています。

●固定資産税評価証明書

市区町村の役所で固定資産税評価証明書を申請することで調べられます。申請は郵送で行うこともできます。

●固定資産課税台帳

固定資産台帳を閲覧することで調べることができます。固定資産課税台帳には、固定資産の所有者や課税標準となる価格等が登録された帳簿で、いつでも市区町村の役所で閲覧できます。先の固定資産税評価証明書は、この台帳をもとに証明されたものです。

路線価から計算する

ほかに、固定資産税路線価から計算する方法があります。路線価とは、道路に面する土地の1㎡あたりの価値です。固定資産税路線価は、市区町村が評価主体で3年に1回見直されます。路線価には相続税や贈与税を求めるための相続税路線価もあり、そちらの評価主体は国税庁で毎年見直されます。両者はそれぞれ別のものですので、注意しましょう。

固定資産税路線価は、一般財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップ(https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216)で調べられます。

固定資産税評価額=固定資産税路線価×土地の面積

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2.課税標準額を求める

土地のみ(非住宅用地)の場合の課税標準額は、負担調整と呼ばれる措置によって固定資産税評価額に一定の評価倍率をかけることで、求められます。負担調整措置とは、時価と連動する固定資産税評価額の変動によって、固定資産税が急激に変動しないようにするための措置です。

負担調整は負担水準によって調整方法が決まり、以下の計算式で求められます。

負担水準(%) = 前年度課税標準額 ÷ 当該年度の新評価額 × 100%

負担水準と負担調整措置の関係は、以下のとおりです。

負担水準 負担調整措置 課税標準額の求め方
70%超 当該年度の評価額の70%相当額を課税標準額として算出する 今年度の固定資産税評価額×70%
60〜70% 前年度の課税標準額を今年度の課税標準額として算出する 前年度の課税標準額
60%未満 前年度課税標準額に今年度評価額の5%を上乗せして算出する 前年度の課税標準額+(今年度の固定資産税評価額×5%)

更地の課税標準額は、固定資産税評価額の70%超となる場合が多く、以下のように求めることが一般的です。

課税標準額=固定資産税評価額×70%

3.標準税率をかける

最後に、課税標準額に固定資産税の標準税率1.4%をかけることで固定資産税を算出します。

ただし、市区町村によっては、税率が異なることもあるため、あらかじめホームページや窓口で確認しましょう。

土地のみの場合と建物がある場合の比較

土地のみを所有している場合と建物がある場合で、どの程度税額が変わるのか比較してみましょう。

次の条件で、それぞれ計算します。

  1. 固定資産税評価額1,800万円
  2. 土地面積:300㎡

たとえば、建物がある場合の課税標準額は、住宅用地特例に基づき、200㎡までの小規模住宅用地と、残り100㎡の一般住宅用地に区分して以下のように計算します。

小規模住宅用地部分の課税評価額

=1800万円 × 200㎡/300㎡
=1200万円 × 6分の1
=200万円

一般住宅用地の部分の課税標準額

=1800万円 × 100㎡/300㎡
=600万円 × 3分の1
=200万円
=200万円

小規模住宅用地部分と一般住宅用地部分を足して固定資産税評価額1,800万円の300㎡の住宅の課税標準額は400万円です。

固定資産税は400万×1.4%で5万6,000円です。

更地の場合と比較してみます。

更地(住宅用地以外)の固定資産税

= 課税標準額×1.4%
= (固定資産税評価額×70%)×1.4%
= 1800万円×70%×1.4%
= 17万6,400円

土地の固定資産税は、住宅が建っている場合と土地のみの場合を比較してみると約3.2倍もの差があります。このように、土地のみの固定資産税は住宅が建っている場合よりはるかに高いことがわかります。

土地の固定資産税を下げる5つの方法

固定資産税-土地3

土地(更地)の場合、建物が建っている住宅用地と比較すると何倍もの固定資産税を支払うことになります。また、土地の立地条件によっては、固定資産税評価額が高い場合もあり、負担が大きいと感じる方もいるでしょう。

そこで、ここでは、土地の固定資産税を下げるための方法を解説します。

住宅を新築する

土地の固定資産税を下げるには、住宅を新築して住宅用地特例を適用させる方法があります。前述のとおり、住宅が建っている土地には、固定資産税の課税標準が大幅に減額される軽減措置があり、小規模住宅用地であれば評価額の6分の1、200㎡を超える部分でも3分の1まで下がります

その結果、更地のままよりも固定資産税を大きく抑えられるのが特徴です。土地を所有しているものの利用予定が決まっていない場合、住宅の建築を検討することで税負担を軽減できる可能性があるでしょう。

賃貸住宅を建設する

賃貸住宅を建設することも、土地の固定資産税を抑える有効な方法です。住宅用地として扱われることで税率の軽減措置が適用され、土地にかかる固定資産税を大幅に下げられます。

また、賃貸物件として運用すれば入居者から家賃収入を得られ、資産の有効活用にもつながります。土地の負担を減らしながら収益性を高めたい場合に、賃貸住宅の建設は有力な選択肢といえるでしょう。

更地のままで始められる土地活用を行う

住宅の建設は税の軽減措置を受けられるものの、高額な初期費用がかかります。更地のままでも土地活用により収益化を図れば、住宅建築ほどの初期費用をかけずに、更地で税の負担が大きい分の金額をまかなうことが可能です。直接的に固定資産税が下がるわけではありませんが、土地による収入で固定資産税の負担を減らすことができます。

更地でできる土地活用には、次のものがあげられます。

  1. 駐車場経営
  2. トランクルーム
  3. 太陽光パネル設置

駐車場経営は、月極駐車場やコインパーキングとして土地を整備することで安定した収入を得やすい方法です。

トランクルームは、荷物の保管スペースとして小型の建物を提供するもので、少ない土地面積でも収益化でき、管理も比較的容易です。

太陽光パネルの設置は、ソーラーパネルを設置し、発電した電力を電力会社へ売却することで収益を得る方法です。日当たりの良い土地であれば、長期的な安定収入が期待できます。

それぞれの方法には初期費用や維持管理の方法、収益性の違いがあるため、土地の特性や目的に応じて、最適な活用方法を選ぶとよいでしょう。

土地の分筆を行う

土地の固定資産税を下げる方法の1つとして、土地の分筆があります。分筆とは、土地を複数に分ける手続きのことを指します。

広い土地をさまざまな用途で使用している場合には、用途ごとに区画を分けて登記することで、それぞれの土地の評価額を個別に算出でき、固定資産税の軽減に役立つ場合があります。

ただし、分筆には手続き費用や時間がかかるため、節税効果とのバランスを考え、慎重に判断することが大切です。

売却する

所有している土地が不要な場合は、売却してしまうのも1つの手です。不動産は所有しているだけで、固定資産税やメンテナンス費用がかかります。今後も使用しない不要な土地の場合には、使用しない間にもコストがかかってしまうため、コストの負担を減らすために売却するのがおすすめです。

土地を売却すると、毎年の固定資産税の支払いやメンテナンス費用がかからなくなる上に、売却価格に応じて現金も獲得できます。土地の売却ではまとまった資金を得られることが多いため、不要な土地を現金化したい場合には売却するのもおすすめです。

土地活用で利用できる補助金

土地活用の方法によっては、国や自治体から補助金を受け取れる場合もあります。

補助金を受けられる可能性がある主な土地活用法は、次のとおりです。

  1. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の建設・運営
  2. 太陽光発電の設置

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が安心して自立した生活を送れるように設計された賃貸住宅のことです。バリアフリー構造で、見守りや緊急通報装置など緊急時に対応できる生活支援サービスが整備されています。

補助金制度として国土交通省の「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」があり、新築や改修の一部に補助金が支給されます。

太陽光発電の設置については、自治体が再生可能エネルギー導入を支援する補助金制度があります。太陽光パネルや蓄電池の設置費用の一部を補助するほか、自治体によっては設置容量や発電効率に応じた独自助成もあります。

申請条件や補助額は地域や年度によって異なるため、事前確認が必要です。

参考:国土交通省 サービス付き高齢者向け住宅を整備する事業者を支援します!

参考:クール・ネット東京 令和7年度 家庭における太陽光発電導入促進事業

土地のみのままで放置するリスク

土地固定資産税2

土地を更地のままで放置すると、固定資産税が高いだけでなく、さまざまな問題が起こるリスクがあります。ここでは、土地のみで放置するリスクを解説します。

管理トラブルが発生しやすい

土地を所有したまま長期間放置すると、管理が行き届かず、不法投棄やゴミの投げ込みなどのトラブルが起こりやすくなります。特に人目の少ない空き地や広大な土地では、不法行為が発生しても発見が遅れ、清掃や処理に多大な費用や手間がかかるケースもあるでしょう。

また、近隣住民とのトラブルや、治安上の問題につながる可能性もあります。

資産価値が下がる

土地をそのまま放置しておくと、雑草やゴミの堆積などにより景観が損なわれることがあります。こうした状態は周辺環境の印象を悪化させ、近隣の住宅や商業施設など周囲の資産価値にも影響を及ぼす可能性があります。

また、見た目の悪化は地域のイメージ低下や住民の不満につながることもあり、長期的な資産価値の維持にマイナス要因となるでしょう。

土地の固定資産税を下げる際に注意したいポイント

土地固定資産税3

土地の固定資産税を下げる方法を行う際は、いくつか注意すべきポイントがあります。事前に把握しておくことで、思わぬトラブルや余計な支出を防げます。注意点を詳しくみていきましょう。

建物の建築が固定資産税の軽減につながらないケースもある

土地の固定資産税を下げるために建物を建築しても、必ずしも税負担が軽くなるとは限りません。建物を建てると土地部分の固定資産税は軽減されますが、建物部分にも固定資産税がかかります。その建物部分の税額が土地の軽減分を上回る場合、結果的に全体の固定資産税は以前より高くなる可能性があるでしょう。

土地の評価が高い地域では、土地部分の固定資産税の軽減効果も大きくなるため、建物を建てることでこれまでより税負担を軽減できる可能性が高まります。一方で、土地評価が低い地域では、建物の評価額によっては、結果的に全体の固定資産税が増えることもあり得るでしょう。

そのため、建物建築による節税効果を見込む際には、土地と建物の固定資産税を合算した総負担額を事前に確認し、慎重に検討する必要があります。

「特定空家等」に指定されると住宅用地の特例が適用されない

更地ではなく空き家があるケースですが、住宅用地特例が適用されないケースもあることを確認しておきましょう。

「特定空家等」とは、空き家の中でも特に倒壊や火災の危険がある、または景観や周囲の環境を損なうと自治体が判断した建物のことを指します。

所有している建物がこの「特定空家等」に認定されると、住宅用地としての固定資産税軽減措置(住宅用地特例)が適用されず、通常よりも高い税額が課されることになります。

そのため、空き家を管理せず放置すると、税負担が増すリスクがある点に注意が必要です。

参考:国土交通省 空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(令和5年度税制改正)(概要)

まとめ

固定資産税-土地4

住宅が建っていない土地は、住宅が建っている土地と違い軽減措置を利用できないため、固定資産税が高くなります。なかには、土地を有効活用できず、毎年の固定資産税がかかり、固定資産税の支払いを負担に感じている方もいるでしょう。

土地の固定資産税を抑えるには、土地活用を行ったり、土地が不要な場合には売却したりする方法があります。土地活用の方法は多数ありますが、立地の条件や土地の規模によって向いている方法は異なるため、不動産会社やハウスメーカー、専門業者に相談して決めるのがおすすめです。自分に合った方法で、土地の固定資産税節税を目指しましょう。

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監修者

宅地建物取引士

ダミー ダミー

東京・仙台を中心に、20年以上アパート・マンション建築賃貸業界に従事している。これまで500棟以上の新築アパート・マンションの企画・設計・建築・運営に携わり培ってきたリアルな知見が強み。

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