アパート経営の収支シミュレーション!利益を最大化するコツと計算方法
アパート経営者にとって、適切な収支計算は欠かせません。収支計画書を作成し、アパート購入時や物件の運用に役立てましょう。 この記事では、アパートの収支計算における利回りの計算方法や収支計画書の書き方と注意点のほか、利回りを高く維持するポイントも解説します。 ポイント アパート経営の収支計算には「実質利回り」を用いる 賃料・稼働率・空室率・修繕費の目標数値設定は特に重要 物件の立地選び・早期の空室対策...
不動産投資家K
土地の売却などの理由で、造成工事が必要になることがあります。しかし、造成工事と一口にいっても、工事の内容や費用はさまざまです。
土地の造成工事を行う際には、許認可や業選びに注意する必要があります。今回の記事では土地の造成工事について、注意点なども含めて詳しく紹介します。
土地の造成とは、土地を有効に活用するために土地を改良することです。
利用目的に合わせて、土地の形状を変更したり平らにしたりすることを造成工事といいます。造成工事にはさまざま種類があり、樹木を切り倒す伐採や土地を平らにする整地などがあります。
土地の造成工事の規模や種類によって、「都市計画法」や「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)」などの法律で規制が設けられています。一定の要件に該当する造成工事を行うには都道府県知事等の許可が必要になり、個人で勝手に行うことはできません。土地の造成工事には、必要なプロセスがあることを認識しておきましょう。
傾斜があるなど、同じ土地の中で高低差が大きい場合も造成工事が行われます。住宅に限らず、建物は基本的には平らな土地に建てられます。
たとえば山の傾斜に小屋を建てるのであれば、土地を平らにしなければ建築できません。
そのため高低差の大きい土地は盛土や切土を行い、高低差をなくしたり傾斜をなだらかにしたりする造成工事を行います。
地盤が弱い土地は、補強しなければなりません。たとえば、田畑のような柔らかい土地に建物を建ててしまうと、家の重みで地盤沈下などが起きてしまうかもしれません。他にも液状化など、地震による被害が大きくなってしまう可能性があります。
建物の強度を上げるためには、造成工事によって地盤を改良する必要があります。地盤を強固にすることで、地震にも耐えられる強度の高い建物が建てられるでしょう。
造成工事を行うメリットには、次のようなものがあります。
土地の造成工事を行うことで、建物が効率よく建てられるようになります。戸建てを建てる場合でもアパートを建てる場合でも、土地の状態がよくなければ建築できません。土地を造成して強固な整形地にすることで、活用の幅が広がります。
地盤を強化したり、盛土などによって地盤を改良することで災害にも強くなるでしょう。地盤が強ければ地震による液状化や建物の倒壊などを防げますし、盛土によって土地を高くすれば水害に強くなるでしょう。
このように土地の造成工事によって快適に暮らせるようになるだけでなく、土地の活用方法が広がります。土地の活用方法が広がることで、その土地を買いたい人も増えるでしょう。そのため売却価格が高くなる、つまり資産価値の上昇が期待できます。
造成工事は土地の改良を行うといわれても、どのような工事が行われるかわからない方も多いでしょう。造成工事は、一般的には次のような流れで行われます。
造成工事の流れについて詳しく見ていきましょう。
地盤調査とは、住宅や建物を建てる際に土地が建物の重さに耐えられるかどうか、地震などの災害時に液状化しないかどうかを調査することです。地盤調査は、新しく建物を建てる場合や建て替えをする場合などにしなければいけません。
地盤調査を行うことで、地盤の強度がわかり問題なく建物が建てられるかどうかが判断できます。一口に地盤調査といっても調査方法はさまざまで、主に次の3つがあります。
スクリューウエイト貫入試験は、一戸建ての際によく利用される地盤調査方法です。ロッドと呼ばれる鉄の棒を地面に垂直に貫入していくことで、地盤の強度を調べます。
ボーリング調査は、マンションなど規模の大きな建物を建てる際に採用される調査方法です。地面に円筒状の穴をあけて、深さ1mごとに強度計測し土のサンプルを採取して、土地の強度や地下水位などを調べます。
表面波探査法は地面に小さな振動をおこし、地面の中を伝わる表面波の速さを計測する調査方法です。振動で調査をするので、スクリューウエイト貫入試験やボーリング調査のように地面に穴を掘る必要がありません。そのため地形が悪く、機械が入れないような場所でも効率よく調査できるのが特徴です。
整地とは、名前の通り土地を整えることです。土地に凹凸がある場合は平らにならして、地固めをします。整地後の仕上げでは砂利を敷き詰めることもあれば、アスファルトで舗装することもあります。
土地をどのように使うかで、整地後の仕上げも変わってきます。単純に宅地として売却するだけであればならすだけで問題ありませんが、駐車場として利用するのであればアスファルトで舗装が必要です。
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土地に樹木などが生えている場合は、伐採・伐根を行います。
伐採とは木の根を残したまま樹木を切る方法です。伐採は、住宅から生えている樹木が隣地に届きそうな場合や、日当たりを確保する場合に行われることが多いです。
伐採したあとに根本まで取り除くのが伐根です。伐根では、重機を使って根本を取り除いたり、車などで牽引して引き抜いたりします。切り株による転倒リスクの排除や、美観を保ちます。
地盤調査の結果、地盤が弱い場合は地盤改良を行います。土地の液状化などを防ぐために人工的に土地に手を入れて、建物が傾くなどの損害を防ぐことが可能です。
地盤改良のやり方はさまざまですが、地下に固定材を混ぜて強化したり、地盤に柱を埋め込んで強化する方法などがあります。
2023年5月に造成工事に関する規制が抜本的に見直され、「宅地造成及び特定盛土等規制法」が施工されました。これは、造成工事による土砂の流出などの災害を防ぐことを目的とした法律です。災害が発生する可能性が高い地域は規制区域として指定され、規制区域の工事を行う場合は、都道府県知事の許可が必要になります。
参考:国土交通省 「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)について
都市計画法とは、都市の発展と健全な整備を図るために定められた法律です。都市計画法では、建物の建築などを目的として土地の形質などを変更することを「開発行為」としています。そして一定規模以上の開発行為を行う場合には、都道府県知事の許可が必要です。
造成工事は建物を建築する基礎となる工事で、建物の安全性に直結します。時間もお金もかかる規模の大きな工事になることもあり、専門的な知識が必要です。そのため依頼する会社を選ぶためには、実績や信頼性の確認をしておきましょう。
また法律や税金などに関する知識も必要です。価格のトラブルにならないよう、見積もりもしっかりと確認しておきましょう。
土地の造成工事の費用の目安は、土地の形状や工事の内容によってさまざまです。一口に造成といっても、整地程度の簡易的なものから地盤改良が必要な工事もあります。
相続税評価額を算出するため都道府県別に定められている宅地造成費は目安として参考になるでしょう。以下は、国税庁のホームページにある東京都の宅地造成費の金額表です。
出典:国税庁 令和5年度宅地造成費の金額表(東京都)
これらの金額は目安で、接道幅や土地の状況によって実際の金額は異なります。複数の会社から、見積もりをとって比較するようにしましょう。ただし業者を選ぶ際には価格だけではなく、工事の実績や信頼性なども考慮することが重要です。
費用の目安が出しにくいのと同様に、造成工事かかる期間も一概にはいえません。造成工事の規模や内容によって、工事にかかる期間はさまざまです。簡単な整地だけの工事であれば1週間程度で終わる場合もあれば、大規模な造成工事だと1カ月や2カ月かかることもあります。
また造成工事は、天候によっても左右されます。梅雨や台風、降雪などがあると工事ができず、どうしても進捗が遅れてしまいます。できるだけ早く工事を終わらせたいのであれば、梅雨の時期や積雪などは避けるとよいでしょう。
土地を売却する際、必ずしも造成は必要ではありません。しかし造成することで、土地の価値を上げられる可能性があります。傾斜地や不整形地はそのままでは活用が難しく、どうしても相場に比べると売却価格も低くなってしまうでしょう。造成工事を行うことで市場価値を高めれば、高く売却できるかもしれません。
一方で造成工事を行わなければ、その分時間も費用もかかりません。土地の造成にかかった費用以上に高く売却できると限らないため、そのまま売却した方が得になる場合もあります。造成に迷った場合は不動産会社などに相談するとよいでしょう。
土地の造成工事の費用は、不動産所得の経費にはなりません。しかし、土地の売却に伴って造成工事を行った場合は、売却時の経費に算入できます。譲渡所得を計算する際に、売却価格から土地の造成費用を差し引けます。
造成工事とは、土地を有効活用するために目的に合わせて土地を改良することを指します。樹木の生い茂っている土地に住宅を建てるのであれば、樹木を伐採、伐根して整地します。土地の用途に合わせて土地を改良して、より有効に活用できるようにするのが造成工事の目的です。
たとえば土地に高低差がある場合は、土地を造成して平らにすることで安定した建築が可能になるでしょう。地盤が弱い土地に建築する際には、地震などの災害に備えて造成が必要です。
造成工事の内容はさまざまで、工事によって費用も期間もさまざまです。許認可や専門知識も必要になるため、依頼する業者選びは慎重に行う必要があります。また依頼する際には複数の業者と比較することで、価格がおさえられるでしょう。しかし価格だけで選ぶのではなく、信頼や実績も確認するようにしましょう。
監修者
1級土木施工管理技士
●前職:ゼネコン●現在の仕事内容:施工管理●強み:長年の経験●将来の夢:生涯現役●趣味:バイク、釣り、世界遺産巡り
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