家賃収入には確定申告が必要?課される税金と申告方法の流れ

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確定申告とは、1年間の所得に対する納税額を計算して申告、そして実際に納税するまでの一連の手続きのことです。アパート経営による所得が20万円を超えた場合は、必ず確定申告をしなければなりません。

本記事では、アパート経営をするうえで知っておきたい、確定申告の基本的な知識をはじめ、確定申告が必要な場合、そして必要ない場合について解説します。

ポイント

  1. 不動産所得が20万円を超える場合、確定申告が必要
  2. 確定申告をする際、経費として申請できるものとできないものが存在する
  3. 家賃収入に課される税金のシミュレーションができる
  4. 家賃収入の確定申告を忘れてしまうと、刑罰が課される可能性がある
目次

家賃収入に確定申告は必要?

アパート経営をするにあたって、確定申告は避けて通れない存在です。利益が出たときに確定申告をすれば良いと考える人がアパート経営者のなかには時折いるようですが、一定の条件を満たしている場合は、利益が出ていなくても必ず確定申告をしなければなりません。

以下では、どのようなときに確定申告をしなければならないのか、具体的な条件や例外について解説します。

20万円を超える不動産所得は確定申告が必要

確定申告が必要なのは、年間20万円を超える不動産所得がある場合です。家賃収入の所得区分は、不動産所得に該当します。所得とは収入から経費を引いた金額のことです。つまり、家賃収入ではなく家賃収入から経費を引いた所得が20万円を超えた場合に確定申告が必要です。

不動産経営で収入に含まれるのは、入居の際の礼金や契約更新時の更新料、駐車場収入などです。また、収入から引く必要経費は管理費や修繕費、固定資産税などがあげられます。不動産所得が20万円以下の場合は、基本的に確定申告をする必要はありません。

なお、不動産所得が20万円を超えていなくても、アパート経営以外の事業によって取得した収入と家賃収入を合計した所得が20万円を超えた場合も、確定申告が必要です。

20万円以下でも確定申告をしたほうが良い場合

家賃収入をはじめとする各種収入から、必要経費を引いた金額が20万円以下の場合、確定申告は必要ありません。しかし、赤字経営の場合は、確定申告を行うことをおすすめします。

不動産所得は、本業の給与所得との損益通算が可能です。損益通算とは、ほかの所得と合算した金額で所得税の金額を算出できる制度です。

損益通算を行うと、課税所得額を抑えられるため、必要以上に支払ってしまった税金が還付される場合があります。この制度を上手く利用すれば、確定申告することで、節税も可能となります。

賃貸経営を副業として行っている場合、家賃所得が20万円以下でも確定申告をする方がよいでしょう。

損益通算ができる取得は不動産所得、事業所得、譲渡所得、そして山林所得の4種類です。また、不動産所得で赤字が発生した原因が、土地の取得による返済利子の場合は、損益通算できません。

20万円以下でも確定申告が必要な場合

不動産所得が20万円以下でも、給与収入が2,000万円を超える場合は、確定申告をしなければなりません。これは給与収入が2,000万円を超えると、勤務先が年末調整をしてくれないためです。

年末調整とは、徴収すべき所得税額を算出し、過不足金額を調整して年税額を一致させるために行う、精算の一連の手続きのことです。年末調整は、基本的に会社に在籍する従業員すべてが対象になりますが、給与収入が2,000万円を超える従業員は対象外です。

年末調整をしない場合、生命保険料控除や地震保険料控除など、各種控除が適用されません。控除が適用されないと、過払い分の所得税が戻ってこないだけでなく、住民税も前年度の課税所得をもとに計算されてしまうため、本来より高い金額を納めなければなりません。

金額の判断の基準は勤務先から支給される給与の額面が2,000万円を超えているか否かです。給与所得控除や社会保険料控除後の所得が基準でない点に注意が必要です。

参考:国税庁 確定申告が必要な方

家賃収入に課税される可能性のある税金

確定申告で家賃収入に課される税金は所得税と住民税があり、消費税が課される場合もあります。それぞれの税金の内容について解説します。

所得税

家賃収入がある場合、その収益は「不動産所得」として所得税の課税対象となります。不動産所得は、年間の総収入から必要経費を差し引いた金額です。

課税所得は、不動産所得に給与所得などほかの所得があればそれらを合算し、基礎控除や社会保険料控除などの各種控除を差し引いて求めます。

課税所得に応じて所得税率が適用され、所得税の計算式は概略として以下のとおりです。

所得税=課税所得 × 税率

所得税は累進課税制度のため、所得が増えるほど税率が高くなる仕組みです。

住民税

住民税は、その年の1月1日時点で住民票がある自治体に納める地方税で、前年の所得金額をもとに計算されます。

税率は自治体によって多少異なりますが、一般的には道府県民税(または都民税)が約4%、市町村民税が約6%で、合計およそ10%程度が目安です。

不動産所得が増えれば住民税の負担も増えるため、家賃収入がある場合は所得税だけでなく住民税の負担も見越して資金管理を行うことが大切です。

参考:総務省 個人住民税

消費税

家賃収入に関する税金の1つに、消費税があります。居住用の住宅として貸している場合の家賃は非課税のため、通常のアパート・マンションの賃料には消費税はかかりません。

一方、貸店舗・事務所・駐車場など事業用としての賃貸は課税対象となり、これらの収入は「課税売上」に含まれます。

さらに、課税売上高が年間1,000万円を超えると課税事業者となり、消費税の申告と納税が必要です。事業用と居住用で扱いが異なるため、賃貸内容ごとに課税区分を把握しておく必要があります。

家賃収入の確定申告手続き

スムーズに確定申告を行うためには、どのような手順で確定申告を進めるのか、また事前に何を準備しなければならないのか、事前にある程度知っておく必要があります。

以下では、確定申告の手続きの流れについて解説します。

手続きの準備

1年間(1月1日〜12月31日)に得た家賃収入については、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行い、税金を納める必要があります。

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類が存在します。青色申告とは、一定の記帳義務を負う代わりに、税制上のさまざまな優遇措置を受けられる方法です。事業所得、不動産所得、山林所得は青色申告の選択ができ、家賃収入も青色申告の対象になります。

家賃収入を確定申告するにあたって、まず青色申告と白色申告、どちらを選択するか決める必要があります。

白色申告か青色申告のどちらかを選ぶ

青色申告を選択すると、白色申告にはないさまざまな特典を受けられます。中でも代表的なのが「青色申告特別控除」です。

青色申告特別控除を適用する場合、所得税の計算時に通常は10万円の控除が適用されますが、下記の条件をすべて満たすと、最大で65万円または55万円まで控除が受けられます

  1. 賃貸不動産の規模が事業として認められるレベルであること
  2. 複式簿記で帳簿をつけていること
  3. 損益計算書と貸借対照表を作成・提出すること

賃貸物件の場合、事業的規模といえるかどうかは、下記のような基準で形式的に判断することが認められています。

  1. パート・マンション:独立した室数がおおむね10室以上
  2. ア独立家屋:おおむね5棟以上

白色申告と青色申告の違いは以下のとおりです。

  青色申告
(最大65万円控除)
青色申告
(10万円控除)
白色申告
提出書類 ・確定申告書
・損益計算書
・貸借対照表
・確定申告書
・損益計算書
・貸借対照表
・確定申告書
・収支内訳書
控除要件 事業規模 1室から なし
記帳方法 複式簿記 簡易簿記 簡易簿記
提出方法 e-Taxなど電子申告
(紙で申告する場合は55万円控除)
紙・電子申告いずれも可 紙・電子申告いずれも可
損失の繰越 3年間繰り越し 3年間繰り越し なし

青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除が受けられるほか、赤字を3年間繰り越すことが可能です。ただし、青色申告をするためには、開業届と青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出しなければなりません。

また、青色申告には、専門知識が必要な複式簿記による記帳が必要なため、確定申告を初めて行う人にとって、青色申告のハードルはかなり高いでしょう。

一方、白色申告の最大のメリットは、手続きや準備する書類のシンプルさです。記帳も青色申告と異なり単式簿記で良いため、初めて確定申告をする人も比較的スムーズに作業を完了させられます。しかし、特別控除が受けられない、赤字を繰り越せないなどのデメリットもあります。

アパート経営のように、大きな金額を確定申告で扱う場合は、基本的には青色申告で確定申告をするのがおすすめです。もし1人で作業を進める自信がなければ、税理士に依頼するとよいでしょう。

あわせて読みたい

参考:国税庁 No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分

       No.2072 青色申告特別控除

必要な書類を準備する

確定申告書を作成するにあたって、記載する数字の根拠となる書類を用意しなければなりません。用意する書類の一覧は、以下のとおりです。

  1. 確定申告書
  2. マイナンバーカード
  3. 勤務先の源泉徴収票
  4. 不動産収入がわかる書類
  5. 賃貸契約書
  6. 領収書や請求書など経費がわかる書類
  7. ローンの返済予定表
  8. 固定資産税などの納付書
  9. 保険料の控除証明書

確定申告書とは、収入や各種控除を記載するための書類のことです。以前は確定申告書Aと確定申告書Bの2種類が存在していましたが、2023年から確定申告書Aは廃止となっています。

マイナンバーカードは、確定申告書にマイナンバーを記載するだけでなく、本人確認書類としても必要です。マイナンバーカードを所有していない場合は、通知カードや住民票などマイナンバーがわかる番号確認書類と本人確認書類の2つを提示、または写しを添付しなければなりません。

e-Taxで確定申告を行う場合は、電子証明書による本人確認を行うため、本人確認書類としてのマイナンバーの提示は不要です。

確定申告書を作成する

必要な書類が揃ったら、確定申告書の作成をします。以前は確定申告書の作成には印鑑が必要でしたが、現在は不要です。確定申告書は税務署や役所へ足を運び、直接窓口でもらう以外にも、国税庁の公式HPからダウンロードすることで入手できます。

確定申告書の作成経験がない場合は、国税庁のWebサイトにて公開されている確定申告書等作成コーナー(https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top)を利用するのがおすすめです。画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、確定申告書の作成が完了します。金額の計算を自動で行ってくれるため計算の手間がなく、正しく金額を入力できていれば、計算ミスが発生する心配もありません。

また、e-Tax(https://www.e-tax.nta.go.jp/)と呼ばれるインターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシステムを使用して確定申告書を作成する方法もあります。e-Taxはオンライン上ですべての処理が完結するだけでなく、添付書類を一部省略できる点もメリットです。

参考:国税庁 令和6年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でさらに便利に!

確定申告書を提出する

確定申告書を提出する方法は、窓口持参と郵送、そしてe-Taxの3種類が存在します。窓口持参の場合は、作成した確定申告書を管轄の税務署に持っていくだけで提出が完了します。

確実に確定申告書の提出ができるだけでなく、相談コーナーがあるため、提出前に確定申告書に不備がないか確認もできる点がメリットです。ただし、締め切り間近になると窓口が混雑してしまい、提出に時間がかかってしまいます。

郵送の場合は、郵便の窓口、もしくはポストから確定申告書を送付できます。近くに管轄の税務署がない人でも選択できる方法ですが、郵送費がかかるのがデメリットです。期限日の消印が押されていれば、期間内提出として扱ってもらえます。

e-Taxを利用して確定申告書を提出すれば、窓口に並んだり、切手を購入したりする必要もなく、自宅から確定申告ができます。

提出方法は3種類

管轄税務署の窓口に提出する場合は、記入を済ませた申告書を確定申告期間内に提出します。確実に確定申告書の提出ができるだけでなく、相談コーナーがあるため、提出前に確定申告書に不備がないか確認してもらえる点がメリットです。ただし、締め切り間近になると窓口が混雑してしまい、提出に時間がかかることに注意が必要です。

郵送で確定申告書を提出することもできます。管轄の税務署が遠い場合でも利用できる便利な方法ですが、郵送費がかかるのがデメリットです。期限日までの消印が押されていれば、期間内提出として扱われます。

一方、e-Taxを利用して確定申告書を提出すれば、自宅からオンラインで申告でき、窓口に並んだり、切手を購入したりする手間がありません。

家賃収入で経費にできるもの

家賃収入の確定申告では、経費として認められる費用を正しく計上することで、課税対象となる所得を減らし、所得税や住民税の負担を軽減できます。

家賃収入で経費にできるものとして、以下のような費用があげられます。

  1. 保険料
  2. 管理費
  3. 共益費
  4. 修繕費
  5. 減価償却費
  6. ローン関連の支払利息

アパートの経営に関係がある費用であれば、基本的に経費に計上可能です。たとえば、登記申請の代行を依頼した専門家に対する報酬や、物件の管理や契約に関わる交通費などは、すべて経費として扱えます。

また、以下のように、租税公課の一部も経費に計上できます。

  1. 固定資産税
  2. 都市計画税
  3. 登録免許税
  4. 不動産取得税
  5. 個人事業税

家賃収入で経費にできないもの

家賃収入で経費にできないものとして、以下のような費用があげられます。

  1. ローン返済の元本
  2. 自宅の家賃・水道光熱費
  3. 所得税
  4. 住民税

アパートの経営とは無関係の費用は、経費に含められません。たとえば、ローンと支払い利息は別物のため、ローンの元本については経費の対象外です。

また、自宅の家賃や水道光熱費も基本的には経費にできませんが、自宅が事務所を兼ねている場合は、アパート経営に関わった部分の費用のみ経費にできます。所得税や住民税など、所得に関係する税金は租税公課に含まれないため、こちらも経費計上はできません。

高級なスーツやカバン、車など、プライベートとの区分が難しいものも、経費として認められない場合があります。経費として認めてもらうためには、領収書と一緒に支払いの実態がわかるように、名目の記録を残しておくと良いでしょう。

家賃収入に課される税金の計算方法

家賃収入には所得税や住民税などさまざまな税金がかかりますが、課税額は収入から必要経費を差し引いた所得金額をもとに計算されます。正確な計算方法や控除の適用を理解することで、適切な納税と節税対策が可能です。

ここでは、家賃収入にかかる税金の算出方法について解説します。

不動産所得を算出する

家賃収入にかかる税金を計算する際は、まず不動産所得を求める必要があります。

不動産所得は、1年間の家賃収入などの総額から、管理費や修繕費などの必要経費を差し引くことで算出されます。

不動産所得=総収入金額-必要経費

この金額が課税対象となり、所得税や住民税を計算する際の基礎となります。経費を正確に計上することが、適正な税額算定や節税のポイントです。

所得税を計算する

不動産所得を算出したら、次に所得税額を計算します。所得税は、課税される所得金額に応じて税率が段階的に上がる「累進課税」が適用されます。

給与所得などほかの所得がある場合はそれを合算し、各種控除(基礎控除・社会保険料控除など)を差し引いた課税所得金額に、該当する税率を乗じて所得税額を算出します。


課税所得=総所得(不動産所得+その他の所得)−各種控除(基礎控除、社会保険料控除など)
所得税額=課税所得×税率(累進課税に基づく)−税額控除

この計算により、支払うべき所得税の金額が明確になります。

住民税を計算する

住民税は、前年1年間の所得をもとに計算される「所得割」と、すべての納税者に定額で課される「均等割」を合計して求められます。

所得割には課税所得に応じた税率(多くの自治体で約10%前後)が適用され、均等割は道府県民税と市町村民税を合計した一定額が課されます。

住民税=所得割(約10%)+均等割(定額)

所得に応じた課税分と定額の均等割を合算して、住民税の総額が決まります。

事例別・家賃収入の税額をシミュレーション

家賃収入に対する税金がどの程度の金額になるのかを把握するために、具体的なケースを例にあげて、税額の計算をしていきましょう。

収入が家賃のみの場合

収入が家賃のみの場合について、以下の条件でシミュレーションします。


家賃収入(年間):120万円(1カ月10万円×12カ月)
経費(固定資産税・管理費・修繕費など):20万円/年
不動産所得:100万円(120万円-20万円)
所得控除:基礎控除のみ(所得税48万円、住民税43万円)
所得税率(課税所得に応じた簡易計算、所得税速算表より):5%
住民税率:所得割10%(道府県民税4%+市町村民税6%)、均等割5,000円


【所得税の計算式】
(100万円-48万円)×5%=26,000円

所得税は2万6,000円となります。


【住民税の計算式】
(100万円-43万円)×10%+5,000円=62,000円

住民税は6万2,000円となります。

参考:国税庁 No.2260 所得税の税率

家賃以外の収入がある場合

不動産所得以外に給与所得がある場合について、以下の条件でシミュレーションします。


給与収入:年収500万円
家賃収入:60万円/年
経費(固定資産税・管理費・修繕費など):20万円/年
不動産所得:40万円(60万円-20万円)
所得控除:基礎控除のみ(所得税48万円、住民税43万円)
住民税率:所得割10%(道府県民税4%+市町村民税6%)、均等割5,000円

まず、給与所得を求めます。

給与500万円の場合、給与所得控除は 500万円×20% + 44万円 = 144万円になります。給与所得は「給与収入-給与所得控除」で求められるため、以下のように計算できます。


給与所得=500万円- 144万円 = 356万円

【所得税の計算式】

課税所得=356万円+40万円-48万円=348万円

所得税は累進課税(課税所得190万円以下は5%、195万円超~330万円以下は10%)が適用されるため、以下のように計算できます。


195万円まで:195万円 × 5% = 9万7,500円
195万円超~348万円: (348万円- 195万円) × 10% = 15万3,000円

9万7,500円 + 15万3,000円 =25万500円となり、所得税は25万500円となります。

まず、以下のように課税所得を求めます。

【住民税の計算式】

給与所得+不動産所得=356万円 + 40万円 = 396万円
課税所得=396万円-基礎控除43万円 = 353万円

住民税の計算は、以下のとおりです。


353万円 × 10%+5,000円=35万8,000円

住民税は35万8,000円となります。

参考:国税庁 No.1410 給与所得控除

家賃収入の確定申告によくある質問

ここでは、家賃収入の確定申告をする際によくある質問についてまとめています。確定申告をする際は、ぜひ参考にしてください。

家賃収入を確定申告しなかったらどうなる?

確定申告をしなかった場合、本来の税金に加えて、追徴課税を支払わなければなりません。

支払う必要がある追徴課税の種類と数は、確定申告がどのような状況で行われなかったかによって異なります。確定申告の申請を忘れ、そのまま放置していた場合は、無申告加算税、そして延滞税が課されます。

無申告加算税は、定められた期間内に確定申告をしなかった場合に発生します。納税額によって金額が変動し、50万円までは15%、300万円までは20%、300万円を超える場合は30%が原則です。ただし、確定申告の期限が過ぎてから、1カ月以内に自主的に確定申告をすれば、無申告加算税を支払う必要はありません。

延滞税は、所得税を納付期限までに納めなかった場合に発生します。申告期限の翌日から完納するまでの日数に応じて自動的に課されるため、期限が過ぎてから確定申告が終わるまでの日数が長くなればなるほど、延滞税の金額は高くなります。延滞税の最高税率は、14.6%です。

なお、意図的に確定申告を行わなかったと判断された場合は、重加算税も課されるため、確定申告は忘れないようにしましょう。

参考:国税庁 No.2024 定申告を忘れたとき

領収書がないときは?

領収書がない場合は、支払いの事実を証明できるほかの書類を用意しましょう。領収書の代わりとなる書類は、以下の4項目が記載されている必要があります。

  1. 取引年月日
  2. 支払い金額
  3. 取引内容
  4. 書類作成者の名称

具体的には、クレジットカードの明細書や、交通機関の乗車履歴などが領収書の代わりを果たしてくれます。また、確定申告をする際、領収書の提出をする必要はありませんが、証拠書類として青色申告の場合は7年間、白色申告の場合は5年間保存しなければなりません

確定申告の期限は?

確定申告の期限は、毎年2月16日〜3月15日の間です。提出方法によって微妙に締め切りが異なっており、税務署の窓口を利用する場合は3月15日の17時、e-Taxを利用する場合は3月15日の23時59分が提出期限になります。申告期限が土日や祝日の場合は、その翌日または翌々日が期限です。

郵送の場合は、3月15日の消印までが有効です。こちらも3月15日が土日や祝日の場合は、翌日、または翌々日の平日の消印があれば問題ありません。

用意する書類が多いため、確定申告の準備はできるだけ早く始めましょう。1月に入ったら、すぐに確定申告に必要な手続きや書類の準備を進めるのが理想です。また、経費に関連する書類を普段から準備をしておくと、よりスムーズに確定申告を行えるでしょう。

まとめ

不動産所得が20万円を超えている場合は、確定申告をしなければなりません。また、不動産所得が20万円以下でも、条件によっては確定申告が必要な場合、もしくは確定申告をした方が節税になるがあります。

また、確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。自身の状況などから総合的に判断して、より適した方法を選択しましょう。

そして、確定申告は必ず提出期限を守るようにしてください。確定申告によって節税効果が期待できるにもかかわらず、提出が遅れたせいで追徴課税を課されるのは、あまりにももったいないです。提出期限から逆算して、余裕のある確定申告の準備をしましょう。

監修者

芦澤 松陰

首都圏を中心に、アパート・マンション建築賃貸業界に従事。
「オーナー様目線」「誠実さ」「スピード」を常に考え、日々業務に邁進している。

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