80坪の土地活用14選!選び方のコツと失敗しないポイント解説

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相続などで土地を引継ぎ、活用方法を悩んでいる方も多いでしょう。特に80坪の土地となると、一般的な住宅に比べると広いためさまざまな活用方法があります。 本記事では80坪の土地で行える14種類の活用方法について、メリット・デメリットや向いている人を踏まえて紹介していきます。土地活用に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ポイント

  1. 80坪の土地の場合、賃貸住宅を建てるほか太陽光などさまざまな活用方法がある
  2. 活用方法を検討する際は、土地の特性や活用する目的を明確にする
  3. 活用方法に迷った場合は、専門家に相談することもオススメ
目次

80坪の土地活用 14選

80坪の土地の活用には、さまざまな方法があります。一般的な戸建て住宅は35~40坪程度が一般的なため、80坪はかなり広いといえるでしょう。そのため活用方法の幅は広く、定番といわれる賃貸住宅を建てる方法や店舗・介護施設を建てる方法、信託を使った方法もあります。80坪の土地を活用する14種類の方法について、紹介していきます。

1.賃貸住宅(アパート・マンション)

数ある土地活用の中でも定番ともいえるのが、アパートやマンションのような共同住宅を建築する方法でしょう。税金面でのメリットが多くあり、立地や物件によっては安定した収益が見込めるため、多くの方が取り組んでいます。

  メリット デメリット
賃貸住宅 ●固定資産税や相続税などの税金対策になる
●安定収益が期待できる
●戸建て賃貸などに比べると空室リスクは少ない
●空室により収益が悪化する場合がある
●投資回収に時間がかかる
●災害リスクがある

アパート・マンション経営を行う大きなメリットの1つが、税金対策となることです。固定資産税を決める固定資産税評価額も、相続税を決める相続税評価額も、更地の状態だと評価が高くなってしまいます。アパート・マンションを建てることで、土地の評価を下げられるため、税額を抑える効果が期待できるでしょう。

またアパート・マンションから発生する賃料は、毎月安定的に発生する収益です。管理費や固定資産税などの費用もかかりますが、定期的な収入として期待できます。時には入居者が退去してしまう空室リスクもありますが、アパート・マンションは部屋数が多いため戸建て賃貸に比べるとリスク分散できます。

しかし空室率が高くなってしまうと、固定費や借入金の返済を下回ってしまうデメリットもあります。またアパート・マンションは初期投資の金額が大きく、回収するまでには長い時間がかかる点もデメリットといえるでしょう。地震や水害などの災害によって建物の損壊してしまうリスクもあります。

アパート・マンションの活用に向いているのは、たとえば次のような人です。

  1. 相続対策を行いたい人
  2. 安定性を重視したい人
  3. 都市部・住環境の良いエリアに土地を持っている人
  4. 不動産事業に時間を割ける人

アパート・マンションは節税効果が大きく、特に相続税への影響が大きいです。次世代の方が困らないためにも、相続対策を行いたい方は向いているでしょう。またアパート・マンション経営は入居者を集めるための工夫や、定期的な修繕など手間がかかります。そのため不動産事業にある程度時間を割ける方のほうが、向いているといえるでしょう。

アパート・マンションのメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてください。

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2.賃貸併用住宅

続いての土地活用法は、賃貸併用住宅です。賃貸併用住宅とは、自宅と賃貸物件を合わせた建物を建築する手法です。マイホームを確保しつつ、毎月の家賃収入を得ることができるハイブリッドな活用方法といえるでしょう。

  メリット デメリット
賃貸併用住宅 ●自宅と賃貸物件が両方手に入る
●自宅部分の床面積が50%超の場合、住宅ローンが利用できる
●アパート・マンションに比べると収益性は劣る
●プライバシーが保ちづらい

賃貸併用住宅のメリットは、なんといっても自宅も確保しつつ賃貸収入を得られることでしょう。さらに床面積の50%超を自宅部分にすれば、アパートローンよりも条件のよい住宅ローンが利用できます。住宅ローンには団体信用生命保険が付保されるため、相続が発生しても借入を次世代に残すことはありません。

建物の中に収益を生まない自宅部分があるため、アパート・マンションに比べると収益性は劣ります。また同じ建物の中に、入居者が暮らすためプライバシーが保ちにくい場合があります。時には騒音などでトラブルになる可能性もあるでしょう。

賃貸併用住宅に向いているのは、次のような人です。

  1. 土地活用しつつ自宅も確保したい人
  2. 借入を家族に残したくない人

自宅を確保する必要があるのであれば、賃貸併用住宅は有力な選択肢です。建物のプランによっては家賃収入でローンの返済をカバーすることも可能でしょう。

3.貸店舗(コンビニ・小規模商業施設)

コンビニや飲食店など、貸店舗として活用する方法もあります。建物を建てて貸すという点ではアパート・マンションと同じですが、より収益性が高い点が特徴です。しかし駅近やロードサイドのような商業向けの立地でなければ、そもそも成り立ちません。

  メリット デメリット
貸店舗 ●高い収益性が期待できる
●建設協力金という貸付が受けられる
●立地が良くなければ難しい
●空室リスクが高い

コンビニや飲食店などに貸す貸店舗は、収益性の高さが一番のメリットです。また場合によってはテナントを予定している企業から、建設協力金という形式で借入できる場合もあります。アパート・マンションに比べると建築費が安く、初期投資が抑えられる点もメリットといえるでしょう。

しかし貸店舗で活用できる土地は限られており、駅近やロードサイドのような商業施設が出店できる立地に限定されます。またアパート・マンションと違って空室リスクが分散できず、たとえば不況の影響でテナントが退去してしまうと次のテナントが決まりにくい場合もあるでしょう。

貸店舗での活用が向いているのは、次のような人です。

  1. 商業向けの立地の良い土地を保有している人
  2. 空室リスクに耐えられる人

貸店舗は収益性がよい反面、空室リスクが大きいことが貸店舗の特徴です。そのため土地の立地を見極められる方が、向いています。また万が一空室が続いた場合でも、生活や返済に支障のない程度の余裕がある方がよいでしょう。

4.オフィス賃貸

立地が良い土地であれば、オフィス賃貸もオススメの活用法です。コンビニや飲食店は駅前だけでなくロードサイドにも出店しますが、オフィスの場合はほぼ駅近に限定されるでしょう。そのため貸店舗よりもさらに高い収益性が期待できます。

  メリット デメリット
オフィス賃貸 ●貸店舗よりも高い収益性が期待できる
●テナントの入居期間が長い
●初期費用が高額になる
●アパート・マンションよりも経営が難しい

コンビニなどの貸店舗は、平屋建てか2階建ての建物を賃貸する場合が多いでしょう。しかしオフィスの場合は10階以上もの高層になる場合もあるため、高い収益性が期待できます。

一方で高層のオフィスビルを建築するためには、多額の初期費用が必要になります。またアパート・マンションに比べると、オフィスの方が物件の管理や入退去交渉など経営が難しいでしょう。また立地条件の厳しさも、貸店舗以上にオフィス賃貸の方がシビアです。

オフィス賃貸での活用が向いているのは、次のような人です。

  1. 駅近の土地を保有している人
  2. 不動産賃貸経営に長けている人

オフィスビルの経営はアパートなど賃貸住宅経営に比べると、立地の見極めから管理・運用まで難易度が高いです。そのため不動産賃貸に長けており、立地の良し悪しをしっかりと見極められる方が向いているといえるでしょう。

5.戸建て賃貸

戸建てを建てて、賃貸する活用方法もあります。アパートのように集合住宅を建てるのではなく、一般的な戸建てを建てるため初期費用を抑えられるという特徴があります。戸建て賃貸のメリット・デメリットは下記の通りです。

  メリット デメリット
戸建て賃貸 ●初期投資が少ない
●売却がしやすい
●ファミリー層が住むため入居期間が長い
●空室リスクが大きい
●アパートなど集合住宅に比べると収益性が低い

戸建て賃貸は初期投資が少なくてすむ点がメリットの1つです。80坪の土地であれば2棟の戸建てが建ちますから、4,000~6,000万円程度に抑えることも可能でしょう。また売却する際には戸建てを探しているファミリー層も対象となるため、不動産投資家に売るしかないアパートよりも売却が容易です。

一方入居者が退去してしまうと、収入が無くなってしまいます。戸建て賃貸の場合は1つの入居者に依存してしまうため、アパートのようにリスク分散ができません。同じ敷地に建てる場合、戸建て賃貸は戸数が少なくなってしまうため、収益性が劣る点もデメリットといえるでしょう。

戸建て賃貸が向いている人には、次のような特徴があります。

  1. 初期投資を抑えたい人
  2. 近い将来売却を考えている人

アパートに比べると戸建て賃貸は初期投資を抑えられます。そのためできるだけ手元に資金を残しておきたい方にはオススメといえるでしょう。また売却のしやすさも戸建て賃貸の特徴のため、売却を検討している方にも向いています。

6.医療施設(クリニックなど小規模医療系施設)

クリニックなどの医療施設に土地や建物を賃貸して活用する方法もあります。クリニックに一括で土地などを貸すことになるため、管理などの手間がかかりません。また地域の医療に役立っているという、社会貢献という側面もあるでしょう。

  メリット デメリット
医療施設 ●手間がかからない
●地域医療に貢献できる
●立地が限定される
●医療施設の経営状況に左右される

アパートに比べると安定した収益を得られ、さらに管理などの手間がかからない点が大きなメリットといえるでしょう。しかし医療機関が出店したいと思えるような立地でなければ、成り立ちません。そのため活用できる土地は、限定されるでしょう。

また医療機関の経営状況によっては、収益が安定しない場合もあります。医療機関に一棟貸しをすることになるため、医療機関の運営が芳しくなければ退去する可能性もあります。小規模な医院だと経営が楽ではない場合も多く、世代交代などで閉院するケースもあるでしょう。

医療施設での活用が向いている方には、次のような方がよいでしょう。

  1. 手間をかけずに安定収益を得たい人
  2. 地域医療に貢献したい人

地域の役に立ちたいという思いがある方は、医療施設での活用がオススメです。またすでにアパートを複数保有しており、違った活用方法を探している方が選ぶケースも多いです。

7.駐車場

更地の土地であれば駐車場として活用する方法もあります。建物を建築する必要があるこれまでの活用方法に比べると、初期投資が少なくお手軽に始められることが特徴といえるでしょう。

  メリット デメリット
駐車場 ●初期投資が少なく始められる
●売却や転用がしやすい
●収益性は高くない
●節税対策にはならない

駐車場での活用メリットは、初期投資の少なさです。月極駐車場であれば整地して白線をひくだけでできますし、コインパーキングは設備費用が必要になりますが建物を建てることに比べると初期投資を抑えられるでしょう。また更地のまま活用するため他の活用方法への転用や、売却がしやすい点もメリットといえます。

一方駐車場での活用は、収益性は高くありません。また更地として持っていることになるため、相続税などの圧縮効果はありません。建物を建てていれば貸家建付地としての評価になりますが、駐車場の場合は更地評価になるため、評価額は高くなってしまいます。

次のような方は、駐車場での活用に向いているでしょう。

  1. 手軽に土地活用をはじめたい人
  2. 相続税の心配をする必要のない人
  3. 将来売却を予定している人

駐車場は更地として持っていることになるため、将来売却がしやすい特徴があります。アパートのように建物が建っていると用途が限られてしまいますが、駐車場であれば自由に使えるためです。将来的に売却や用途変更する予定はあるものの時期が未定で、土地を遊ばしておくのはもったいないという方にオススメです。

8.トランクルーム

さまざまな荷物を保管するためのトランクルームを建築して、賃貸するという活用方法もあります。トランクルームはそこまで高額ではないため、駐車場と同様に初期投資を抑えて始められるという特徴があります。

  メリット デメリット
トランクルーム ●初期投資が少ない
●管理の手間がかからない
●土地の形状が悪くても活用できる
●収益化するまで時間がかかる
●節税効果はない

初期投資が少なく、また管理の手間がかからないことがトランクルームのメリットです。またアパートや駐車場と違って、整形地でもなくても活用しやすい点もトランクルームの特徴といえるでしょう。

トランクルームは徐々に埋まっていく場合が多いため、収益化するまでには時間がかかります。また土地は、駐車場同様に相続税評価上では、更地で持っていることになります。そのため評価額を下げられる貸家建付地の評価が適用されず、節税効果は期待できません。

トランクルームでの活用に向いている方は、次のような方です。

  1. 初期投資を抑えて、手間なく運営したい人
  2. 土地の形状が悪かったり、不便な場所にあったりする土地を活用したい人

土地の形状や立地に左右されやすいアパートや駐車場に比べると、トランクルームは土地の形状や立地が多少不便でも活用できます。近くに住宅街があれば、駅からの距離もあまり影響しないでしょう。立地条件の良くない土地を活用したい方には、オススメの活用方法といえるでしょう。

9.介護施設

介護施設を建築して賃貸する活用方法です。介護施設は大規模な建物が多く広い土地が必要になる場合が多いですが、グループホームやデイサービスであれば80坪でも可能です。

  メリット デメリット
介護施設 ●手間なく安定収益が期待できる
●高齢化社会に貢献できる
●一度撤退すると次の事業者が見つけにくい
●他の用途への変更が難しい

介護施設での活用は、医療機関に賃貸する活用方法と似ています。しかし小規模な医療機関に比べると介護事業者は大規模に行っている場合が多いため、より安定した収益が期待できるでしょう。また介護施設の場合は、高齢化社会への貢献ができます。

一方で介護施設の建物は特殊な建築な場合が多く、医療機関での活用に比べると空室リスクは大きいといえます。特殊な建物であることから、他の用途への転用が難しく、また次のテナントを見つけてくるのは容易ではありません。できるだけ長く安定して貸せる事業者を見極める必要があります。

介護施設での活用が向いている方は、次のような方です。

  1. 安定収益を得たい人
  2. 高齢化社会に貢献したい人
  3. 高齢化が見込まれるエリアに土地を持っている人

高齢化が見込まれる地域であれば、介護施設のニーズも今後高まるでしょう。郊外や地方などでも、安定収益を期待できる可能性があります。また高齢化社会に貢献したいという考えの方にも、介護施設での運用はオススメです。

10.太陽光発電

土地や建物の屋根のうえなどにソーラーパネルを設置し、発電した電気を売ることで収益を得る方法もあります。日当たりが良く周囲の建物が建たない土地が適しているため、山間部などの立地でも取り組むことができます。

  メリット デメリット
太陽光発電 ●山間部など、立地条件が良くない土地でも活用できる
●手間がかからず安定した収益が見込める
●電力の買取価格が下がっている
●天候によって発電量が左右される

太陽光発電は売電収入で収益を得る活用方法のため、アパートのように駅からの距離などは関係ありません。日当たりのよい土地であればどこでもできるため、郊外や山間部でも活用ができます。パネルを土地などに設置するだけのため、管理などの手間がかからない点もメリットといえるでしょう。

一方で電力の買取価格は年々下がってきており、収益性が落ちています。また天候や季節によって売電量は左右されるため、雨や曇りが続くと収益力が落ちてしまうデメリットがあります。

太陽光発電が向いている方は、次のような方です。

  1. 市街地でなくとも、日当たりのよい土地を持っている人
  2. 土地を長期で活用がしたい人

アパートや、貸店舗などに向かない土地でも、日当たりが良ければ太陽光発電には向いているかもしれません。また太陽光発電は初期投資を回収するのに10年程度かかるといわれています。そのため長期スパンで活用できる方のほうが、向いているでしょう。

11.貸農園

貸農園として活用する方法もあります。貸農園であれば簡単な整地だけで始められるので初期費用が抑えられるだけでなく、活用を始めるまでのスピードが早いことが特徴といえるでしょう。貸農園のメリット・デメリットは下記の通りです。

  メリット デメリット
貸農園 ●初期費用が抑えられる
●活用を始めるまでのスピードが早い
●収益性が低い
●利用者間や近隣とのトラブルが発生する可能性がある

貸農園はこれまで紹介した活用方法に比べると、すぐに始められる点がメリットです。簡単な整地だけでよく、設備投資や建物を建築する必要もありません。都心部などでも需要は高く、立地によっては利用者に苦労することもないでしょう。

貸農園で注意したいのは、利用者間や近隣とのトラブルです。どこまでが誰の区画かははっきりと明示しておくようにしましょう。また虫や臭いなどが発生して近隣から苦情がくる場合もあるため、近隣に住宅がある場合は一定の距離を保つなどの配慮が必要です。

貸農園に向いている方は、次のような方です。

  1. すぐに土地活用を始めたい人
  2. 街並みの緑化に貢献したい人

他の活用方法と違って貸農園は、近隣の方に野菜や果物をつくって楽しんでもらえます。特に都市部ではマンションや庭のない戸建てが多いため、家族連れなどには需要が高いでしょう。街並みの緑化に貢献したり、子どもたちに農業体験をしたりしてほしいと考える方にはおすすめの活用方法です。

12.土地信託

土地信託とは、土地を信託会社に預け、信託会社は土地を活用して得た収益を受け取る活用方法をいいます。アパート・貸店舗の建築と違って自分で活用する訳ではないため、手間なく収益が得られるでしょう。

  メリット デメリット
土地信託 ●初期費用も手間もかからない
●節税効果が見込める
●資金調達をする必要がない
●土地が建物付きで戻ってくる
●信託報酬がかかる
●活用方法は信託会社におまかせ
●配当は約束されていない

土地信託では具体的な活用は信託会社が行います。そのため土地オーナーは初期費用や運営の手間もなく、収益を見込むことができます。また土地にアパートを建てた場合と同様に、節税効果が期待できる点もメリットでしょう。さまざまな事情によって信託が終了した場合には、建物付きで土地は戻ってくるため手放すこともありません。

土地信託では信託会社が活用を行うため、信託報酬がかかります。そのため自分で土地を活用する場合に比べると、収益性は低くなってしまいます。具体的な活用手法は信託会社におまかせになり、配当も約束されている訳ではありません。

土地信託が向いているのは、次のような方です。

  1. 土地活用に関する知識のない人
  2. 借入をしたくない人
  3. 立地の良い土地を持っている人

土地信託は信託会社におまかせで活用するため、土地活用の知識がない方でも取り組めます。建物建築も信託会社が行うため、借入をする必要もありません。ただし信託会社もどのような土地でも受ける訳ではなく、ある程度収益性が見込める物件でなければ対応してくれないでしょう。土地信託ができるのは、ある程度立地の良い土地に限定されます。

13.借地

単純に個人や企業に土地を貸す活用方法もあります。土地を借りたい相手に貸すだけですから、初期投資も管理の手間もありません。

  メリット デメリット
借地 ●手軽に始められる
●初期費用が不要
●土地が戻ってこない場合がある
●収益性は高くない

借地は土地を借りたい相手に貸すだけなので、初期投資や手間がかからないことがメリットといえるでしょう。土地を借りた人は建物を建てて利用するため、賃貸借期間も長くなるため長期的に安定した収益が入ります。

一方で一度貸してしまった土地を、返してもらうことは簡単ではありません。賃貸借の契約関係を定めた借地借家法は、借り手が優位な内容となっています。一度貸してしまうとなかなか戻ってこないというケースも少なくないため、借地は慎重に検討する必要があるでしょう。

借地での活用が向いている方は、次のような方です。

  1. 手間なく土地活用を行いたい人
  2. 当面は使わない予定の土地を持っている人

借地は手間も初期投資もなく、手軽に収益を得られます。しかし一度貸してしまうとなかなか返してもらえないため、当面は使わない土地を複数保有しているのであれば、借地での活用がオススメといえるでしょう。

14.売却

ここまで土地の活用方法について紹介しましたが、土地を売却するという選択肢もあります。土地を売却すれば、売却資金として手元にキャッシュが入ることが特徴といえるでしょう。

  メリット デメリット
売却 ●手元の現金を増やせる
●土地を管理する手間がなくなる
●相続税の節税効果がなくなる
●土地活用で収益を得ることができなくなる
●希望通りに売却できるとは限らない

土地を売却する一番のメリットは、手元の現金を増やせる点です。たとえば相続税を期限までに支払わなければいけない場合など、資金をつくるために売却するケースも多いでしょう。また土地を売却すれば、今後固定資産税の支払いなど、土地を管理する手間もなくなります。

一方で土地を売却して現金に変えてしまうと、小規模宅地の特例等の圧縮策が利用できないため、節税効果はなくなります。また必ずしも希望通りの時期や金額で、売却できる訳ではありません。特に相続税の納税資金を捻出するための売却であれば、急いで売却する必要があり相場よりも安くなってしまう場合もあるでしょう。

売却がオススメな方には、次のような方がいます。

  1. すぐに現金を作る必要のある人
  2. 資産の入れ替えを検討している人

売却が選択肢としてあがるのは、税金の支払いなどですぐに現金が必要な方といえるでしょう。ほかにも複数不動産を保有しており、築年数の経過した物件を売却して、新しい物件を買い替える場合なども、売却が候補となるでしょう。

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80坪の土地活用方法の選び方ポイント4つ

80坪もの広さがある土地であれば、さまざまな活用方法があります。数ある活用方法の中でも、どの活用方法を選ぶかのポイントは次の4つです。

  1. 立地のニーズ
  2. 土地活用の目的
  3. リスクの把握
  4. 専門家に相談する

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

立地とニーズ

土地活用方法を選ぶ場合、立地と周辺環境のニーズを見極めることが重要です。いくら立地が良くても、収益性の低い活用方法を選んでしまってはせっかくの活用も無駄になってしまいます。活用する土地が都心部か郊外か、駅から近いか遠いかなども踏まえたうえで、適切な活用方法を選ぶようにしましょう。

土地活用の目的

土地活用法を選ぶ際には、土地活用の目的を明確にしましょう。収益性を重視したいのか、節税効果を重視したいのかで、選ぶ活用方法も変わってくるでしょう。目的の優先順位を整理することで、どのような活用方法が良いかを明確にできます。

リスクの把握

いくら安定的な活用方法であっても、土地活用にはリスクがあります。空室リスクはもちろん、自然災害や税務など多くのリスクがあります。どんなに綿密に計画を建てていても、予期せぬ事象によって計画が頓挫してしまうリスクは排除できません。

しかし想定できるリスクを調べて、備えておくことで損害を最小限に抑えることはできます。また活用方法ごとのリスクを知ることで、どの活用方法を選ぶべきかも見えてくるでしょう。土地活用を検討する際には、リスクの把握をしておくようにしましょう。

専門家に相談する

土地活用方法に迷った際には、専門家に相談するのもオススメの方法です。専門家であれば土地の立地や状況、周辺環境に合わせた最適なプランを提案してくれるでしょう。土地の条件だけでなく節税効果や周辺相場を踏まえた売却相場など、経済的な提案も行ってくれます。活用方法に迷った際には、専門家に相談するようにしましょう。

信頼できる企業・専門家の選び方

土地活用の専門家を選ぶ際は、まずは土地活用プランの請求をしてみましょう。そのうえで各社から提出された土地活用方法を比べてみるようにしましょう。同じ80坪であっても立地条件によって、最適なプランは大きく違います。

立地だけでなく、節税など個々の優先すべき事情によっても選ぶプランは変わってきます。土地の状況と個々の事情を踏まえたうえで、どのプランが自分の優先項目を満たせるかを比較すると良いでしょう。また不明点があればそのままにするのではなく、徹底的に質問することも大切です。質疑応答を繰り返す中で、会社や担当者が信頼できるかどうかも判断できるでしょう。土地活用を検討する際には、各社のプランを比較検討することが重要といえます。

まとめ

80坪もの土地を保有している場合、さまざまな活用方法があります。活用方法を選ぶ際には、坪数だけで判断するのではなく、立地などの特性を踏まえて検討するようにしましょう。また相続対策をしたいのか、収益を得たいのかなどの目的をはっきりと決めておきましょう。

目的をしっかりと決めておけば、どの活用方法が良いかも選びやすいでしょう。また活用方法に迷った際には、専門家に相談するのもオススメです。80坪の土地活用を考えている方はぜひ今回の記事を参考にしてください。

監修者

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

中川 祐一

現在、不動産会社で建築請負営業と土地・収益物件の仕入れを中心に担当している。これまで約20年間培ってきた、現場に密着した営業経験と建築知識、不動産知識を活かして業務に携わっている。

不動産投資家Kでは無料相談を承っております!

不動産投資家Kとその仲間たちでは、「土地を相続する予定だけど、どうすれば良いか検討している」「管理が大変なので、土地を売却したいと思っている」など、土地・建物のさまざまなご相談を承っております。

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