賃貸人の修繕義務範囲はどこまで?設備が故障したときの責任や対処法
賃貸人は賃借人に対し、物件を使用・収益させるべき義務を負っており(民法第601条)、物件に不具合や故障が発生した場合には、適切に使用・収益ができるように修繕しなければなりません。修繕義務の範囲には個別判断が必要なことも多々あり、ケースごとの把握が必要です。 本記事では、賃貸人の修繕義務の範囲や設備が故障した場合の対応、賃貸人が負うリスクとその予防策について解説します。 ポイント 賃貸人は、賃借人が...
不動産投資家K
賃貸管理の方法には3種類あります。オーナーがすべての賃貸管理業務を担うのが「自主管理」、賃貸管理業務を業者に任せるのが「一般管理」、業者が物件を丸ごと借り上げるのが「サブリース」です。種類によってオーナーの準備や負担に違いがあるため、それぞれの内容や特徴を理解することが大切です。
本記事では、賃貸管理方法を検討する際の3種類の特徴や、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
不動産管理会社には、AM業務・BM業務・PM業務が存在します。AM業務は、投資家から委託を受けた資産を運用管理するアセット・マネジメント業務、BM業務は警備・防災・清掃などを担うビル・マネジメント業務、PM業務はオーナーの代わりに不動産経営をおこなうプロパティ・マネジメント業務のことです。
賃貸における不動産管理は、主にPM業務のことを指します。PM業務は、さらに3つに分類可能です。
それぞれの概要を確認していきましょう。
建物や設備の維持管理、清掃、長期修繕計画の策定、修繕工事の手配などを担います。
定期的に建物共有部の清掃を行うことで、常に建物を衛生的に保ちます。また、修繕が必要な箇所の早期発見のため定期点検を実施し、オーナーの大切な財産である建物の品質保持を行います。
また、賃貸物件にもちろん寿命があります。常に入居者を惹きつける物件である続けるためには、修繕が欠かせません。外壁の塗り替えや、内装・建具の補修、交換など、建物の品質維持のために長期修繕計画を立てることが大切です。長期修繕計画とは、長期的な視野で物件の修繕時期や内容をまとめたものです。
以下に紹介するのはマンション管理組合への調査データです。2018年度の国土交通省調査ではマンション管理組合のうち90.9%が長期修繕計画を策定しています。
具体的には、入居者の募集や賃貸借契約の手続き業務、家賃管理、入居者からの問い合わせ対応、退去時の立ち合い~清掃などが含まれます。
家賃管理とは、家賃を集金し、オーナーに振り込むことです。また、契約業務とは、賃借人が入居する際の契約書を作成して締結するまでを指します。
入居者からの問い合わせへの対応や、入居者同士の揉め事を仲裁することなども業務です。
また、入居者の募集だけでなく退去する際の立ち合いや、退去後の清掃なども業務範囲に含まれます。
資金を管理する業務として、収支管理や資金計画の策定などがあります。
収支管理とは、家賃を中心とする収入や維持費などの支出に伴い出入りするお金の管理をすることです。賃借人に速やかに返却できるように、敷金の管理も行います。
資金計画を立てることも大切な業務です。不動産事業が黒字化しそうか、課税所得はどれくらいになりそうかなどという点を確認します。
賃貸管理は、オーナー自身が行う場合もあれば、専門の業者に依頼する場合もあります。誰がどのように管理するかによって、賃貸管理は主に「自主管理」「一般管理」「サブリース」の3種類に分けられます。
不動産投資で成功するためには、それぞれのメリット・デメリットを理解しておかなければなりません。3種類の特徴をそれぞれ確認していきましょう。
自主管理では、建物の管理、入居者の管理、資金の管理のすべてをオーナー自らが対応しなければなりません。
なお、分譲マンションの共有部分の管理を管理組合で行うことを自主管理と表現する場合もありますが、この記事では賃貸物件の自主管理についての説明となります。
自主管理を選ぶメリットの1つ目は、管理会社に委託しないため、委託管理費用がかからない点です。コストを抑えられるため、他の賃貸管理よりも利回りを高くできる可能性があります。委託管理費を削減できれば、その分出ていくお金が減るため、キャッシュフロー改善にもつながるでしょう。
2つ目は、直接会う機会が増えるため、入居者との関係づくりができる点です。入居者から何が満足で何に不満を抱いているか聞き出し対処していけば、物件がより魅力的なものになり、空室率改善にもつながります。
3つ目は、すべて自分で対応することで、不動産投資に関する知識が身につく点です。基礎知識を身につけておけば、今後管理会社に委託する場合に、その管理会社の管理が行き届いているかどうか、よく把握できます。
自主管理を選ぶデメリットの1つ目は、業務に手間も時間もかかる点です。入居者からのクレームや、滞納している家賃の回収などすべて自分で対応するとなると、24時間365日フル稼働しなければなりません。特に副業として不動産経営をしている方は、本業との両立が難しいでしょう。
また、賃貸経営において大切な入居者募集業務についても、さまざまなポータルサイトなどへの掲載や登録について専門的な知識が必要となり、かなりの労力を費やします。
2つ目は、慣れない賃貸管理や多忙さから建物の管理業務を怠ると、所有する資産価値が低下してしまう点です。点検や清掃が行き届いていない物件は、売却価格の低下や空室率上昇が予想されます。
そのほか、入居者との関係性が密になるがゆえに、日々の生活でも気を遣わなければならなくなる点もデメリットです。
一般管理には、基幹業務を管理委託する場合と、建物管理業務を委託する場合があり、それぞれ特徴が異なります。
基幹業務の管理委託とは、賃貸管理に関する業務全般を管理会社に委託することです。委託する業務には、空室管理や入居者との賃貸契約も含まれます。
建物管理業務の委託とは、建物の修繕や日常清掃、法定点検など建物管理に関する業務のみを委託することです。「入居者の募集はできるけれども、清掃業務まで手が回らない」という方に向いています。
一般管理に共通するメリットは、自分で行う業務が減るため不動産経営に手間がかからなくなる点です。クレーム対応も減り、時間的制約や精神的疲労からも解放されるでしょう。自宅から離れていて自主管理では対応しきれない物件でも、一般管理であれば対応可能です。
また、専門の業者がこれまで培ってきたノウハウを活かした管理を行うため、物件の資産価値維持や空室率改善につながります。
一般管理における大きなデメリットが、委託費用がかかるという点です。また、不動産会社に入居者募集を依頼すると、成約になった場合に仲介手数料を支払わなければなりません。
さらに、さまざまな賃貸管理会社が存在するため、どこに依頼すれば良いか比較検討が必要です。委託する業者・営業担当者によっても空室率は大幅に変わるため、十分に吟味しなければなりません。
サブリースとは、サブリース会社がオーナーから物件を一括で借り上げることです。サブリース管理やマスターリース、一括借り上げと表現されることもあります。
サブリースの特徴やメリット・デメリットは以下の通りです。
サブリースの場合、一括で借り上げたサブリース会社が独自に入居者募集をかけ、入居者と賃貸契約を結びます。空室率の増減にかかわらず、オーナーには実際の家賃収入の8〜9割程度家賃収入が保証されている(家賃保証)点もポイントです。
またオーナーは、クレーム対応や建物管理などの業務を行う必要もありません。
家賃保証があることでオーナーは空室リスクや滞納リスクを気にせず長期間安定した収入を期待できる点は、サブリースのメリットです。入居者募集のための広告費も基本的にはサブリース会社が負担するため、経費も削減できます。
また、建物管理や空室管理など、業務負担を大幅に減らせるため、本業がある方も始めやすい点もメリットでしょう。
賃貸管理会社を選ぶ際には、手数料だけでなくさまざまな角度から判断するようにしましょう。
選び方のポイントの1つ目が、知識・経験が豊富かという点です。賃貸経営や資金計画に困った場合に、不動産業界に精通しているプロから適切なアドバイスをもらえる可能性が高まります。
2つ目は、業務内容に自分が依頼したい内容が含まれているかという点です。賃貸管理にはさまざまな業務があるため、自分の負担をできるだけ減らせるようにしましょう。
3つ目は、手数料と比較して十分な内容になっているかという点です。手数料が安くても、結局ほとんどの業務をオーナーが行うことになっては意味がありません。
4つ目は、入居者募集力があるかという点です。賃貸経営において空室は非常に大きなリスクとなるため、入居者募集力が高い管理会社に任せることが大切です。
不動産経営するには、「建物を管理する」「入居者を管理する」「資金を管理する」といった賃貸管理が不可欠です。賃貸管理には、オーナーがすべて自分でおこなう自主管理、管理会社に業務を依頼する一般管理、サブリース会社に物件を一括借り上げしてもらうサブリースの3種類が存在します。
それぞれのメリットやデメリットを比較した上で、自分にあった手段を選択しましょう。一般管理を選ぶ際には、手数料や委託できる業務内容などを十分に吟味して管理会社を選ぶことが大切です。
監修者
久保田 克洋
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