富裕層の投資戦略に学ぶ|どのように資産を守りながら安定的に資産を伸ばすか
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不動産投資家K
アパートローンは主に投資用の賃貸物件を対象とする商品で、住宅ローンとは目的だけでなく、審査の内容や流れなどが異なります。審査でチェックされる項目は、資産状況や年収、対象物件の資産価値などがあげられます。本記事では、アパートローンの審査基準や審査の流れを詳しく解説します。
アパートローンとは、アパートやマンションといった賃貸物件への投資用に借り入れるローンのことです。不動産投資ローンと表現されることもあります。
アパートローンの対象は居住用不動産(自己の居住以外)とされていることが一般的ですが、金融機関によっては店舗などが入居する、商業用および資産用の借入も可能です。
さまざまな観点から、アパートローンについてより詳しく学んでいきましょう。
アパートローンは、主に自分以外の人が入居する投資用の物件購入に必要な費用を借りるローンであるのに対し、住宅ローンは自分や家族が入居する物件購入のために借りるローンである点が主な違いです。
アパートローンでは、対象の不動産からの家賃収入が返済原資となるため、給与収入などを主な返済原資とする住宅ローンと比べて融資のハードルが高くなる傾向にあります。
また、融資を受けて住宅を新築・取得した際にローン残高の一部を所得税から減額できる「住宅ローン減税」もアパートローンには適用されません。
金融機関や金利情勢、各種条件などによっても異なりますが、アパートローンの金利の方が住宅ローン金利より高いことが一般的です。
たとえば、住宅金融支援機構における令和4年8月借入金利の場合、住宅ローンであるフラット35のもっとも多い金利は1.78%(融資率9割超、借入期間21年以上35年以下固定金利)であるのに対し、アパートローンである省エネ賃貸住宅建設融資(子育てファミリー向け)の金利は1.82%(繰上返済制限制度を利用しない場合、35年間固定金利)に設定されています。(2022年9月5日時点)
アパートローンの金利相場は、1〜9%前後と幅広いことも住宅ローンとの違いです。2〜3%前後をひとつの目安として考えておくとよいでしょう。
参考: 住宅金融支援機構 フラット35 金利情報
住宅金融支援機構 子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資・まちづくり融資(長期建設資金)令和4年の9月の参考金利のお知らせ
アパートローンは、勤務先や年収といった申込人の経済的背景や社会的背景(属性)だけでは判断されません。金融機関によって重点を置くポイントは異なりますが、主な審査項目は以下の通りです。
各基準の内容を簡単に解説します。
金融機関は、申込時に入手した本人確認資料のうち、氏名・住所・年齢といった個人識別情報をもとに、各信用情報機関に信用照会をかけます。信用照会により別の借入での延滞・滞納が判明した場合、アパートローンの審査に通らない可能性が高くなります。
申込人の資産状況や年収は返済原資のひとつであるため、アパートローンの審査においても大切な項目です。申込人に十分な資産や安定した収入があれば、万が一対象の不動産からの家賃収入が得られなくても返済を続けることができると金融機関は判断するでしょう。
またアパートローンの借入額の目安は、年収の7〜8倍であることが一般的です。年収の8倍を超える借入を検討している方は、融資条件が厳しくなることを想定しておきましょう。
住宅ローンの場合と同様、アパートローンでも勤務先情報は審査する上で有力な判断材料となります。安定した収入を得られるかどうかを判断するため、主に勤務先の業種や規模、本人の勤続年数や雇用形態などが確認対象です。
特に、医師や公務員などは安定した収入を得られると判断され、審査が通りやすい傾向にあります。
アパートローンの契約にあたって、団体信用生命保険(団信)の加入を義務づけるケースがあります。団信加入申込時に、持病はないか、過去に大病を患っていないかなど、今後も健康に働き続けることができるか、健康状態を確認されます。
ローン自体の審査に問題がなかったとしても、万が一団信に加入できず借入条件を満たさない場合は、アパートローンを借りられない可能性が高くなるでしょう。
対象物件や既に所有している物件の資産価値が高ければ、アパートローンの審査も通りやすくなります。なぜなら、所有する財産の資産価値が高ければ、申込人が返済不能に陥ったとしても、金融機関は対象物件から資金を回収できるからです。
そもそも、物件が魅力的で安定的な家賃収入を期待できるのであれば、申込人が返済不能になるリスクが低いと判断されるでしょう。
物件を探し始めてから、アパートローンの融資実行までにかかる期間は1カ月半から3カ月程度です。一般的に、アパートローンの相談から融資実行までは以下の流れで進められます。
各ステップの内容を確認していきましょう。
購入したい物件が決まったら、取引のある金融機関や最寄りの金融機関の融資担当者に事前連絡をして日程を調整した上で、アパートローンの相談に出向きましょう。
当日、その段階で入手している物件概要(図面や事業計画書)や年収確認資料、本人確認書類などを持参すれば、そもそも融資を受けられる可能性があるかどうかの大まかな確認ができます。
購入する物件や事業計画が固まり次第、必要書類を準備・作成してアパートローンの審査を申し込みます。金融機関によっては、事前審査と本審査の2回の申し込みが必要な場合があります。
融資承認後、確定した金利、期間、金額に納得すれば、金銭消費貸借契約を締結します。融資を実行する日(実行日)を確定するのも契約時です。
契約の際には、ローンのリスクや諸条件などの説明も受けるため、1時間以上かかることもあります。
申込時に準備や作成が必要な書類は以下の通りです。
上記は、あくまで一例です。金融機関によって異なるため、漏れがないように申し込み前の相談段階で担当者に必要書類を確認しておきましょう。
メガバンク・地方銀行・信用金庫などさまざまな金融機関でアパートローンの取り扱いがあります。それぞれ審査時に重点を置く項目が異なるため、自分の属性や自己資金の金額にあった金融機関を選ぶと審査に通る可能性も上がるでしょう。
同一人物による同一物件の申し込みであっても、金融機関によって審査通過するケースと通らないケースがあります。1つの金融機関で審査が通らなかった際にすぐに動けるように、アパートローンは複数の金融機関に審査を申し込んでおくととよいでしょう。
複数の金融機関から承認がおりた場合も、もっとも条件の良いローンを選択できるというメリットがあります。
なお、アパートローンが通らなかった時、同じ金融機関の別支店に再度審査を申し込むこともできますが、本部で審査を行っている場合は同じ結果になる可能性もあるため、まずは別の金融機関での再審査を前提に考えましょう。
これまでの説明を踏まえ、アパートローンの審査における注意点は以下の5つです。
それぞれ簡単に解説していきます。
アパート建築は賃貸用住宅の建築とみなされるため、住宅ローンの融資は受けられません。低金利だからといって、住宅ローンに申し込まないようにしましょう。
また、手続きや審査の流れが異なるため、「住宅ローンを借りられたからアパートローンも問題なく借りられるだろう」と安易に考えることも禁物です。
アパートローンは、年齢や年収など本人の属性だけではなく、対象物件の収益性も審査の対象です。また、家族の世帯収入や扶養家族の人数も審査の判断材料です。
安定した年収を得ているからといって、審査が通るとは限らない点に注意しましょう。
毎月の返済負担を抑えるためには、金利が低めのアパートローンを借りなければなりません。ただし、金利が低い分条件が厳しいこともあるため、各金融機関の特徴を十分に理解しておくことが大切です。
たとえば、メガバンクや都市銀行は地方銀行と比べて金利が低い分、審査が厳しい傾向にあります。また、同じく低金利の傾向がある信用金庫は、融資対象が営業エリア内にある物件に限定されることが一般的です。
「てこの作用」を意味するレバレッジは、不動産投資の場面において、少ない資金からより多くのリターンを得るという趣旨で使われます。アパート購入資金のほとんどをローンでまかなうと、自己資金を投入せずに家賃収入というリターンを得られますが、その分注意も必要です。
たとえば、投資元本から得られる収益(利回り)が金利よりも低いと、レバレッジを効かせたにもかかわらず利益が下がるおそれがあります。
たとえ不動産会社が収益性の高さをアピールしている物件でも、信頼できる情報でなければ審査に通らないおそれがあります。
好立地で利便性が高い、入居者の人気が集まるようなおしゃれなデザイン、比較的新しい等の条件が当てはまる物件であれば入居率の維持が期待できるため、収益性もある程度信頼できるでしょう。
アパートローンとは、アパートやマンションなど投資用不動産を購入する際に借りるローンのことを指します。アパートローンの審査では、個人の属性だけでなく、対象物件の資産価値や家族構成なども勘案されるのが特徴です。
各金融機関いよって審査の基準や流れが異なるため、少しでも好条件で融資を受けるには複数の金融機関のアパートローン審査に申し込むことがポイントです。住宅ローンとはさまざまな点で異なることを十分に理解した上で、アパートローンに申し込むようにしましょう。
監修者
佃 光昇
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