不動産投資はフルローンで組める?フルローンを利用するポイントや注意点などについて解説
フルローンとは、不動産を購入するにあたってかかる費用を、すべて金融機関の融資でまかなうことです。 フルローンを利用すると頭金がない人でも希望の物件を購入できる可能性が広がりますが、キャッシュフローが出にくくなる、金利の上昇の影響を受けやすくなるなどのリスクも存在する点に注意が必要です。また、利用には、一定以上の金融資産を有している、不動産投資ですでに成功していることなどがあげられます。 本記事では...
不動産投資家K
不動産の減価償却とは、建物など資産の価値が時間とともに減少していくという考えに基づき、その価値の目減り分を一定期間にわたって費用として計上していく会計上の仕組みのことです。
この記事では、不動産の減価償却の基礎知識から計算方法、節税に役立つポイントまでわかりやすく解説します。
建物は、基本的に時間の経過とともに劣化し、その資産価値は徐々に下がっていきます。その価値の減少分を費用として計上するのが「減価償却」です。
資産価値の目減りを毎年の経費として認めることで、課税対象となる所得を減らせるのが特徴です。
減価償却は、不動産の購入や売却などを行う際に重要な要素となるため、仕組みを理解しておくことが大切です。
減価償却とは、建物などの固定資産を長年使用していくにつれて、時間の経過とともに価値が減少していくことを会計上で表現するための仕組みです。
たとえば、マンションやアパートは使用とともに老朽化が進み、修繕が必要になったり、入居者が集まりにくくなったりするため、収益性が下がります。こうした時間の経過に伴う建物の資産価値の減少を、建物の種類や構造に応じて決められた費用として計上し、現在の建物の資産価値をあらわします。価値の減少分を、一定期間にわたって費用計上していく会計処理が減価償却です。
また、減価償却を行う際には、土地と建物を分けて考える必要があります。土地は時間の経過によって価値が減少するものではないと考えられ、減価償却の対象とはなりません。
このように、減価償却しない固定資産を「非減価償却資産」と言い、建物のように時間の経過とともに価値が目減りしていく資産は「減価償却資産」と言います。
減価償却費を計算するにあたって、重要な要素となるのが「法定耐用年数」です。法定耐用年数とは、建物や設備などの資産が、会計上、使用できる期間のことで、国税庁が資産の種類や構造ごとに定めています。
たとえば、住宅として利用される事業用の鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年、木造アパートは22年です。
主な減価償却資産の耐用年数表(PDF/406KB)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
ただし、法定耐用年数は建物が会計上どれくらいの期間使用できるのかを定めた数値であり、実際の建物の寿命とは一致しません。法定耐用年数を超えていても、建物を使用することは可能です。
減価償却費を計算する際には、法定耐用年数を基に、取得価額を分割していきます。
参考:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし
減価償却を理解するうえで、知っておきたいのが「減価償却費」と「減価償却累計額」という2つの言葉です。
減価償却費は、1年単位で計算される減価償却費用のことです。たとえば、1,000万円の建物を10年間、毎年100万円ずつ費用計上していくとすると、1年分の100万円が減価償却費にあたります。
一方、減価償却累計額は今まで計算してきた減価償却費の合計額のことで、上記の例で言うと、5年経過した時点での減価償却累計額は500万円です。
減価償却費は、毎年の損益計算書に計上され、その年の利益を計算する際に使用されます。一方、減価償却累計額は貸借対照表に記載され、資産の価値を正しく評価するために使用される数値です。
減価償却費は、基本的に確定申告の際に計上します。ただし、減価償却は、不動産を所有しているすべてのケースで適用されるわけではありません。ここでは、減価償却が必要となる具体的なケースについて解説します。
減価償却が必要となる代表的なケースが賃貸物件の所有です。アパートやマンションを所有し、家賃収入を得ている場合、その収入から必要経費を差し引いた金額が不動産所得となり、この所得に対して所得税や住民税が課税されます。
その際、建物の価値が時間の経過とともに減少することを反映した減価償却費は、税法上の必要経費として認められています。減価償却費を計上することで不動産所得が減少することになり、結果として所得税や住民税の節税につながります。減価償却は賃貸経営を行う上で欠かせない節税対策のひとつです。
不動産を売却した場合、売却価格から取得費など費用を差し引いた譲渡所得が、所得税と住民税の課税対象となります。譲渡所得は、売却価格から不動産の取得費や譲渡にかかった費用を差し引いて計算しますが、この取得費の計算に減価償却が反映されます。
取得費とは、不動産を取得するためにかかった費用の総額で、購入代金のほかに仲介手数料や登録免許税なども含まれます。ただし、建物については取得時点から価値が減少したとみなされるため、これまで計上してきた減価償却累計額を購入代金から差し引きます。こうして算出した金額が、譲渡所得の計算に用いられる取得費です。
減価償却累計額が大きければ大きいほど、取得費が小さくなり、譲渡所得が増えることになります。つまり、減価償却累計額が大きいほど課税額が高くなる可能性があります。
減価償却費を計算する方法には、「定額法」と「定率法」の2種類があり、それぞれ計算方法や特徴が異なります。ただし、平成19年(2007年)4月1日に制度改正が行われており、平成19年3月31日以前に取得した資産には、「旧定額法」または「旧定率法」が適用されるため注意が必要です。
ここでは、改正後の「定額法」と「定率法」について解説します。
定額法とは、毎期一定(定額)の費用化をする償却方法です。具体的には、建物の耐用年数に応じて、毎年同じ額の費用を計上していきます。
計算式は、「減価償却費=固定資産の取得価額×定額法の償却率」です。償却率は、耐用年数によって決められています。
たとえば、取得価額が2,000万円で耐用年数が10年の固定資産であれば、償却率は0.1と定められているため、毎年計上する費用は2,000万円に0.1を乗じた200万円です。
定額法は、算出がシンプルでわかりやすく、毎年一定額を計上できるため、長期的な収支計画が立てやすいというメリットがあります。
定率法は、未償却残高に一定の率を乗じて費用化していく方法です。取得価額からそれまでの減価償却費累計額を引いた金額に、定められた率を乗じて算出します。
計算式は、「減価償却費=固定資産の未償却残高×定率法の償却率」です。
たとえば、取得価額が2,000万円で耐用年数が10年の固定資産の場合は、償却率が0.200です。初年度は2,000万円に対して0.200を乗じて、400万円を計上します。翌年は、2,000万円から400万円を引いた1,600万円に対して0.200を乗じて320万円です。
なお、減価償却費が償却保証額を下回る場合には、「減価償却費=改定取得価額×改定償却率」で算出します。
定率法の特徴として、初年度に計上できる費用が大きく、年数が経過していくとともに計上額が減少していく点が挙げられるでしょう。
減価償却費を計算するためには、対象となる不動産の「取得価額」「法定耐用年数」「償却率」を把握する必要があります。ただし、それぞれに厳密にルールが決まっており、内容を正しく理解しないと、適切に計上ができず処理後に修正が必要となる恐れがあるでしょう。
減価償却費を計算するために必要なそれぞれの項目の詳細について、解説します。
減価償却を計算する上で、まず把握しておかなければならないのが取得価額です。取得価額とは、資産を取得するためにかかった費用の総額を指します。
建物の取得価額は、単純に建物の本体価格だけではありません。購入時にかかった消費税や不動産会社に支払った仲介手数料、登記にかかった諸費用なども含まれます。
さらに、建築前の段階で発生した支払いも取得価額に含められる費用です。たとえば、更地にするための立ち退き料や整地費用、古家があった場合は取り壊し費用なども該当します。
取得に要した費用をすべて合算したものが、減価償却の計算に用いる取得価額です。
建物の取得費には、前述の通り本体価格や仲介手数料など、さまざまな費用が含まれますが、中には取得費に含めなくてもよい費用もあります。
たとえば、不動産取得税や登録免許税、印紙税などの税金は、取得費に含めなくてもよい費用です。また、住宅ローンによる借入金の利子分や、登記の際に司法書士に支払う報酬も建物の取得費に含めません。
これらの費用は、減価償却の計算上は取得費に含まれませんが、確定申告の際には必要経費として計上できます。
減価償却を行うには取得価額が必要ですが、長年所有している不動産の場合、購入時の書類が残っておらず、取得費がわからなくなってしまうケースがあります。
もしも建物単体の取得費がわからない場合は、売買契約書に記載されている消費税額から計算できます。計算式は次の通りです。
建物取得費=売買契約書に記載されている消費税額÷契約当時の消費税率
たとえば、売買契約書に記載されている消費税額が100万円、契約当時の消費税率が5%だった場合、建物取得費は2,000万円と計算できるでしょう。
また、先祖代々受け継いできた建物など、取得時期が古く取得費がまったくわからない場合は、売却した金額の5%を取得費にできます。ただし、この方法では、実際の取得費よりも高くなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
減価償却を行う上で、もう1つ重要な要素となるのが「法定耐用年数」です。法定耐用年数とは、国税庁が定めた、建物や設備などの資産を減価償却する際に使用できる期間のことをいいます。
主な住宅用建物の法定耐用年数は次の通りです。
| 建物の構造・用途 | 法定耐用年数 |
| 木造・合成樹脂造のもの | 22 |
| 木骨モルタル造のもの | 20 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 47 |
| れんが造・石造・ブロック造のもの | 38 |
| 金属造のもので骨格材の肉厚が4ミリを超えるもの | 34 |
| 金属造のもので骨格材の肉厚が3ミリを超え、4ミリ以下のもの | 27 |
| 金属造のもので骨格材の肉厚が3ミリ以下のもの | 19 |
出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表
減価償却費を計算する際に必要となるのが「償却率」で、取得価額の何%を、その年度に経費として算入してよいかの割合のことです。
償却率は、定額法や定率法のような減価償却の方法ごとに定められており、資産の取得時期によっても率が異なります。
たとえば、住宅用途の鉄筋コンクリート造の事業用建物を定額法で償却する場合、2007年4月1日以降に取得した資産であれば償却率は0.022です。
償却率は、減価償却費の計算に大きな影響を与えるため、正確に把握しておく必要があるでしょう。償却率は、国税庁のWebサイトで確認できます。
減価償却を行うことによって、さまざまな税金の節税効果が見込めます。不動産所得を得ている個人の場合には所得税の節税が、法人が不動産を所有する場合には、法人税を節税できる可能性があるでしょう。さらに、不動産を所有することで相続税が節税できる場合もあります。
それぞれの税金における節税効果について解説します。
不動産投資で得た家賃収入は、不動産所得として所得税の課税対象です。不動産所得を計算する際には、収入から必要経費を差し引きますが、必要経費に減価償却費を含められます。
減価償却費を計上すれば所得が減少し、節税につながるでしょう。所得税は累進課税制度を採用しており、所得が多ければ多いほど税率が高くなるためです。
減価償却によって所得が減ることで、納税額を減らせる、累進課税制度の恩恵を受けられる、などの効果が見込めます。
法人が不動産投資を行う場合、賃貸収入などから得られる所得は、法人税の課税対象です。法人税は、企業の利益に対して課税される税金であり、税率は所得額によって異なります。
個人と同様に、法人においても減価償却は有効な節税対策でしょう。減価償却費を計上することで、法人税の課税対象となる所得を減らせる、実効税負担を軽減できる、などの効果を見込めるためです。
相続税は、亡くなった方が残した財産を相続する際に課される税金ですが、財産の種類によって評価額が異なります。
不動産は、相続税評価額を取得価額よりも低く抑えられる可能性があり、相続税対策として有効でしょう。
なぜなら、土地の相続税評価額の算定には、主に路線価が用いられるためです。路線価は、相続税などの算出のために国税庁が定める土地の価格で、一般的な土地の価格の目安となる公示価格の約80%に設定されています。
また、建物の固定資産評価額の設定は、建物を再建築する場合の価格の70%程度が目安です。土地と建物を合わせた不動産全体の相続税評価額は、取得価額よりも低くなる傾向があるでしょう。
さらに、路線価方式で評価される土地の場合、人に貸し付けていると、借地権割合分だけ相続税評価額が下がります。相続時には、現預金を相続税評価額の低い不動産に変えて相続することで、相続税対策に役立てられるでしょう。
減価償却とは、建物や不動産の価値が時間とともに減少していくことを費用として計上する手続きです。不動産を事業に利用して収益を得ている場合に必要となり、所得税や法人税の節税につながります。
減価償却費を計算する際には、取得価額や法定耐用年数、償却率といった項目を正しく把握することが重要です。また、減価償却の計算方法には、定額法と定率法の2種類があり、それぞれの特徴を理解した上で適切な方法を選択する必要があります。
減価償却は、不動産投資や経営を行う上で欠かせない会計処理です。この記事を参考にして、減価償却を有効活用し、節税効果を高めていきましょう。
監修者
東京を中心に、20年以上アパート・マンション建築賃貸業界に従事。現場に密着した営業経験と建築知識、不動産知識を活かして業務に携わっている。
不動産投資家Kとその仲間たちでは、「土地を相続する予定だけど、どうすれば良いか検討している」「管理が大変なので、土地を売却したいと思っている」など、土地・建物のさまざまなご相談を承っております。
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