【共担】共同担保を設定する理由やメリット・デメリット

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不動産投資では、高額な物件を購入するため多くの場合金融機関からの融資が不可欠です。しかし、「購入したい物件の担保価値だけでは、希望する融資額に届かない」といった事態に直面することも少なくありません。

そんな時に選択肢となるのが共同担保です。

共同担保は、複数の不動産を担保とすることで、より大きな融資を引き出すことができる有効な手段です。しかし、安易に活用するのではなく、知っておくべきリスクも存在します。

この記事では、不動産投資における共同担保の基本的な仕組み、具体的なメリット・デメリット、活用を検討すべきケースについて、わかりやすく解説します。不動産投資の規模拡大を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。

ポイント

  1. 共同担保とは、希望の融資額を満たすために、複数の物件を同時に担保にすること
  2. 返済不能になると全ての担保物件を失うリスクがあり、原則として単独での売却はできない
  3. 活用すべきか否かは、物件の将来性や自身の返済計画を基に、専門家と相談して慎重に判断することが重要
目次

不動産投資における共同担保とは

共同担保とは、一つの融資に対して、複数の不動産をまとめて担保として設定することを指します。「共担(きょうたん)」と略されることもあります。

たとえば1億円の融資を受けたいと思っても、自身の属性と購入予定の不動産の評価だけでは希望の融資額に届かない場合、投資家は自己資金で補う方法とは別に、ほかに所有している土地や建物などの不動産を追加で担保にすることで評価額の上乗せを求める方法があります。

購入予定の不動産と、追加で担保にした不動産をあわせたものが共同担保です。金融機関は、複数の不動産をひとつの担保として捉えて融資額を評価します。

共同担保を設定する理由

共同担保は、融資を受ける投資家と融資を行う金融機関の両者にそれぞれの理由があり利用されます。

希望額の融資を受けるため(投資家側)

投資家にとっては、不足する評価額を補い、希望の融資額を引き出すことが共同担保を設定する大きな理由です。

たとえば、自己資金をできるだけ抑えて規模の大きな物件を購入したい場合や、担保価値の低い物件を購入したい場合、どうしても購入したい物件がある場合などに、共同担保の設定は有効と言えるでしょう。

共同担保を活用すれば、大きな融資を引くことができるようになり、投資の選択肢が広がります。

貸し倒れリスクの軽減のため(金融機関側)

複数の不動産を共同担保として設定しておくことは、融資を行う金融機関にとってリスクの分散につながるため、大きなメリットとなります。

不動産の価値は、常に一定ではなく、融資を行う金融機関にとっては、担保不動産の価値が下落するリスクが伴います。共同担保を設定することで、一方の不動産の価値が下がった場合でも、他の担保物件での補うことが可能となり、担保価値の安定性が高まると言えるでしょう。

また、複数の担保物件を確保しておくことで、万が一返済が滞った際にも、複数の資産からの回収が可能となり、債券の回収リスクを低減できるといった点もあげられます。

共同担保は活用しない方が良い?

共同担保の設定は、状況によってはデメリットになることもあります。

共同担保を活用すべきかどうかは、デメリットが自身に当てはまるかどうかを慎重に検証する必要があります。共同担保は、充分にリスクが回避できると判断して初めて活用すべき方法であることを理解しておきましょう。

ここでは、共同担保を活用しない方がいいケースについて紹介します。

単独で売却できなくなる

金融機関はあくまでも2つ以上の物件をセットとして担保にしているため、物件所有者の都合でどちらか片方だけを先に売却したいと思っても、金融機関の承諾なしに売却することはできません。

将来、売却する可能性がある不動産であれば、将来的な柔軟性を確保するために、共同担保にするのは見送る方が無難かもしれません。

返済できなくなったら複数の物件を失うことになる

融資を受けた金額の返済が滞ってしまうと、共同担保に設定したすべての不動産が差し押さえられてしまいます。

たとえば、共同担保を自宅に設定してしまうと、最悪の場合は自宅まで失う可能性もあります。こうした事態を避けるためには、綿密な返済計画を立て、なおかつ堅実に返済できる見込みを持って決断することが大切です。

共同担保を検討しても良いケース

複数の不動産を手放すことになりかねないリスクを考慮してもなお、共同担保を設定しても良いケースがあります。共同担保を設定した方がプラスになる条件が揃っているケースでは、一概に共同担保を否定はできません。

レバレッジを最大化できる場合

共同担保によって、少ない自己資金でより高額な物件を購入できる、いわゆる「レバレッジを効かせた投資」が可能になります。たとえば、タイミングを逃したくない優良物件を購入したい場合など、共同担保によって迅速な資金調達ができれば、大きな収益機会を得る可能性が高まります。

逆にいえば、共同担保を設定しても後悔しないと判断できるケース以外は、慎重に熟慮することが大切です。また、すぐには売れないと判断できる物件であれば、無理に共同担保を設定してまで投資する必要はないでしょう。

物件の購入により 価値があがる場合

物件を購入することで、その物件自体の価値があがるケースでは、共同担保を設定してでも融資を受ける意味が大きいといえるでしょう。たとえば、自己所有の土地が不整形土地や三角地などの場合で、隣接地が売りに出た場合が該当します。

隣地を購入することで自分の土地の資産価値が上昇するケースでは、自分の土地と家を共同担保に設定して金融機関から融資を受けて、隣地を購入するメリットは高いといえます。

共同担保を設定できる物件・向いている物件

共同担保が設定しやすい、または共同担保に向いている物件があります。自己所有の物件が共同担保として適正なのか否かは、慎重に判断するとよいでしょう。

ここでは、共同担保を設定できる物件・向いている物件の特徴を紹介します。

融資を受ける金融機関の対応エリア内の物件

共同担保を設定して金融機関からの融資を受ける際、担保物件の所在地が金融機関の指定するエリア内であることが条件となる場合があります。特に、地域に根ざしている地方銀行や地元の信用金庫では、自行の活動エリア内にある物件のみを共同担保とすることがほとんどです。

これは、万が一の際に、金融機関が共同担保の物件を迅速に把握し、管理・処分をスムーズに行うためです。

共同担保を設定する物件が、融資を受ける金融機関の対応エリア内にあるか否かを事前に確認しておきましょう。

長期保有を予定している物件

物件を一度共同担保に設定してしまうと、融資が完済するまでは売却が事実上不可能となります。

不動産投資の際には、目先の利益にとらわれ過ぎて、大事な自己所有する物件を複数も安易に共同担保に設定してしまうことは避けなければなりません。共同担保にしようとしている物件の資産価値が、将来どのように変動するかも熟慮する必要があります。

ローン残債が少ない(または完済済み)の物件

ローン残債が少ない、またはすでに完済済みの物件は、共同担保として非常に有効な選択肢となります。

担保余力が大きいため、金融機関からの評価が得やすく、希望する融資金額に対して柔軟な対応が期待できる点が大きなメリットです。また、すでに借入が完済されている物件であれば、他の抵当権の影響を受けにくく、担保設定の手続きも比較的スムーズです。

債権者の同意があれば共同担保の一部解除はできる

先述したとおり、共同担保に設定した複数の物件は、一体として扱われるため、融資後に片方の抵当権の一部解除はできないのが原則となっています。ただし例外があり、融資した金融機関の同意さえ得られれば、共同担保の一部解除は可能です。

返済期間中に担保物件の資産価値が上昇した場合や、繰り上げ返済等で片方の不動産だけでも十分担保になると金融機関が判断すれば、共同担保の一部解除は可能となります。

また、返済が困難になった場合に、競売にかけて処分するよりも任意売却によって売却した方が返済に充てられる金額が多い場合なども、一部解除が認められることもあります。

ただし、いずれも金融機関と交渉が必要となり、また、上記のような状況であっても必ず認められるというわけではありません。

まとめ

共同担保は不動産投資の可能性を広げる有効な手段です。しかし一方で、少なくないリスクが伴うことは理解しておきましょう。

共同担保を利用すべきかどうかの判断は、個別の状況によって大きく異なります。目先の利益だけにとらわれず、綿密な返済計画を立て、最悪の事態も想定した上で決断することが極めて重要です。

判断に不安がある場合は、融資を相談する金融機関の担当者をはじめ、不動産投資に詳しい不動産会社や司法書士などの専門家に相談し、客観的なアドバイスを求めることをおすすめします。

監修者

宅地建物取引士

相澤 卓也

不動産・建築業界にて13年以上の経験を持ち、これまでに請負営業、工程管理、ファイナンス部門など幅広い業務に従事。請負営業時代には営業成績で表彰を受けた実績もあり、現場目線と実務経験に裏打ちされたリアルな知識を強みとする。

監修者

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

渡邉 脩

2010年より金融機関に15年間勤務し、個人・法人向けの融資業務を中心に、資産運用や不動産担保融資など、幅広い金融サービスの現場で実績を重ねる。2025年から不動産業界へ転身。現在はファイナンス部門にて金融機関で培った与信審査・資金調達・担保評価の知識を活かし、物件取得や開発計画における資金面の提案・実行支援を行っている。

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