整地とは?整地のメリットと費用|更地や造成との違いも解説

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整地は土地の利用価値を高める重要な作業です。整地にはさまざまな種類があり、土地の利用目的にあわせた適切な方法を選ぶ必要があります。この記事では、これから整地をしようと考えている方向けに、整地の種類やメリット・デメリット、種類ごとの費用について詳しく解説します。

ポイント

  1. 整地とは、土地を利用できるように、地面を平らできれいな状態にすること
  2. 整地のメリットには土地の価値向上や活用幅の拡大、工事開始がスムーズになる点に加えて、景観の向上もあげられる
  3. 平地の整地費用は、1平方メートルあたり300~800円が相場で、舗装するとさらに費用がかかる
目次

整地とは何か?

整地とは、土地を利用できるように平らできれいな状態にすることです。整地をしていない土地は、ゴミなどの不要物が存在する場合や雑草が生えている場合があり、そのままでは活用できません。

土地に家を建てるときや駐車場として活用したいときには、先に整地が必要です。まずは、整地の基本的な定義と整地が必要になる状況について説明します。

整地の基本的な定義

整地とは、土地を建築や農地など特定の用途に利用できるように、地面を平らできれいな状態にする作業を指します。具体的には、不要な草木や岩などを除去する作業や地面の凹凸をなくす作業、地面を固める作業などです。

整地にはさまざま方法があり、家を建設する場合や庭を整備する場合など整地後に土地をどのように利用するか、目的や状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。

整地が必要な状況

整地は、土地をさまざまな用途に利用するために必要な作業です。整地が必要となる状況は以下のような場合があります。

家を建てる場合は、基礎工事を行うために、整地が必要です。

土地を駐車場として利用する場合にも整地を行います。

土地を売却する際に整地しておくことで、買い手が利用しやすくなり売却価格の向上や早期売却につながる可能性があります。

ほかにも、手入れの負担を軽くするために、土地から雑草を除去し、整地を行う場合があります。整地により雑草の生えない土地にすれば、作業負担を大きく軽減できるでしょう。

主な整地後の仕上げの種類

整地後の仕上げ方法にはさまざまな種類があり、強度や費用、工期などが異なります。土地の利用目的にあわせて正しい方法を選択する必要があるでしょう。

ここでは主な整地後の仕上げ方法として、次の6種類を紹介します。

  1. 粗仕上げ
  2. 砕石舗装
  3. 砂利整地
  4. 真砂土舗装
  5. コンクリート・アスファルト舗装
  6. 防草仕上げ

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

粗仕上げ

粗仕上げは、整地の中でも基本的で簡単な方法です。重機あるいは人の手によりコンクリートガラやこぶし大の石、不要な木くずやガラス片などを除去し、土地を整えます。

粗仕上げの注意点は、依頼する会社によって仕上がりが異なる点です。簡単な作業であっても、どこまで作業するかの基準が、会社により違います。どのような仕上がりになるか、発注前によく確認する必要があります。

砕石舗装

砕石舗装は、粗仕上げをして不要物を取り除いた土地に、適当な大きさに砕いた石を均一に敷き詰め、ローラーをかけて地面を固める整地方法です。粗仕上げよりもきれいに土地を整えられる一方、時間がかかりコストは高くなります。

砕石舗装が利用される場面は、土地の売却を考えていてきれいに見せたい場合や、新しく建築を行う場合、さらに駐車場にする場合などです。また、コンクリートやアスファルト舗装の際、事前に砕石舗装をして土地を強固にしておきます。

砂利整地

砂利整地とは、粗仕上げをした後の土地に砂利を敷き詰め、地面を固める整地方法です。砂利を敷くことにより、土地から雑草が生えにくくなり、手入れの負担が軽減できます。

砂利整地のメリットは、砕石舗装よりも安価に整地ができる点です。ただし、粗仕上げ同様に、依頼する会社によって仕上がりの基準が異なります。発注前に希望する仕上がりとなるか、よく確認する必要があるでしょう。

真砂土舗装

真砂土舗装とは、砂利を用いた整地方法の中でも、仕上がりの美しさを重視する場合に選ばれる手法です。砂利には、花崗岩などが風化して作り上げられた真砂土が利用されます。

美しい景観と安定した地面を作り出せる点が、真砂土舗装の特徴です。粗仕上げよりも念入りに整地を行い、細かいガラや石などを丁寧に除去し、真砂土を敷き詰め、重機などを用いてしっかりと転圧します。

真砂土は水はけが良いため、ガーデニングや庭に利用されることが多いです。また、見栄えの良さは土地を売却するときに良い印象を与えられる可能性があります。

コンクリート・アスファルト舗装

砕石舗装をした土地に、型枠メッシュを入れて、コンクリートやアスファルトで舗装します。

コンクリート舗装は耐久性が高く、長期間にわたって安定した状態を維持できる点が特徴です。ただし、コストの高さや、工期の長さがデメリットといえます。

アスファルト舗装は、施工費用が比較的安く、工期も短くて済むところがメリットです。ただし、夏場に路面温度が高温となる点や、路面がゆがみやすい点などのデメリットがあります。

駐車場のように車両が通行する場所では、コンクリートやアスファルト舗装の利用が多いです。

防草仕上げ

防草仕上げは、防草シートを利用して、雑草の発生を抑制することを目的とした整地方法です。防草シートは、太陽光を遮断することで雑草の生育を抑制します。事前に雑草を取り除いてからシートを敷くことで、雑草が生えにくい環境を整えられるでしょう。

シートを敷く前に、雑草を念入りに除去し、取り残しがないようにする点が、防草仕上げの作業における重要なポイントです。防草シートのみでは、外観があまり良くないため、ほかの整地方法と組みあわせて活用することもあります。

整地をするメリット

整地の効果は、土地からゴミを取り除き、平らな状態にするだけではありません。整地をして土地を整えると、複数のメリットがあります。

整地をするメリットを理解しておけば、土地活用の目的に合わせて、どのようなメリットを重視して整地をするのか、効果的な方法を選択しやすくなります。ここからは、整地をするメリットを解説します。

土地の価値が向上する

整地を行うことで、売り出したときに買い手が見つかりやすくなる、つまり土地の価値の向上が見込めます。

整地されていない土地は、雑草が生い茂っていたりゴミが散乱していたりと、見た目が悪いだけでなく、利用価値が低い状態にあるでしょう。

一方、整地された土地は、すぐにでも利用が可能です。買い手にとっては見た目がよいだけでなく、新たに整地をする手間やコストが省けるため、魅力的に映ります。

土地活用の幅が広がる

整地をすることで、土地活用の選択肢が広がります。整地されていなければ、平らでない場合や不要な障害物やゴミが放置されている場合などがあり、利用できる土地の用途が限られてしまうでしょう。

工事をスムーズに始められる

整地されていない土地は、地面に凹凸があったり樹木や岩などの障害物があったりすると、そのままでは工事を始められません。

しかし、あらかじめ整地を行っておけば、建築をする場合や駐車場にする場合など、土地の活用方法が決定した際には、速やかに工事を開始でき、時間を無駄にしなくて済むでしょう。

整地費用の相場

ここからは、整地費用の相場を説明します。整地費用は、整地の規模や方法、土地の状況によって大きく変動します。

平坦な土地であれば、粗仕上げのみの費用は、1平方メートルあたり300~800円が相場です。ただし、不要物や雑草が多くて作業が困難な場合は、費用が数万円以上になることもあります。

木の伐採を依頼する場合や、斜面での整地などは、技術が必要な作業となるため追加の費用が発生します。また、舗装をする場合は追加の費用がかかり、主な舗装費用の目安は以下の通りです。

舗装方法 1平方メートルあたりの価格目安
砕石舗装 2,000~7,000円
砂利舗装 1,000~2,000円
真砂土舗装 1,000~10,000円
コンクリート・アスファルト舗装 3,000~10,000円
防草仕上げ 1,000~6,000円

整地を依頼する際の注意点

整地をスムーズに進めるための注意点を知らないと、求める水準や作業内容が整地をする会社の認識とあわず、納得のいかない整地となったり、適切な整地会社を選べずに多額の費用がかかったりする恐れがあります。

整地を依頼する際の注意点を確認して、満足のできる整地を実現しましょう。

仕上がりの希望を伝える

整地をする際には、依頼する会社にどのような仕上がりを希望しているのか、明確に伝えることが重要です。

整地にはさまざまな種類があり、それぞれ仕上がりの状態が異なります。単純な粗仕上げを依頼しても、軽くならすだけの会社もあれば、丁寧に細かな石や不要物の除去を行う会社もあるでしょう。

建物を建てるのか駐車場として利用するのか、それとも一時的に更地にするだけなのかといった整地後の利用方法によっても、必要な整地のレベルは変わってきます。

仕上がりの希望を明確に伝えることで、相手との認識のズレを防ぎ、満足のいく整地を実現できるでしょう。

複数社に見積もりをとる

整地を行う際には、複数の会社から見積もりを取得すると良いでしょう。会社によって、得意とする整地方法やサービス内容などが異なるため、同じ作業を依頼しても費用は異なります。

複数社から見積もりをとることで、費用の相場が把握できるようになるため、不当に高い見積もりを提示する悪徳業者を避けることにもつながります。

また、複数社とコミュニケーションをとることで、サービスや顧客対応の水準が比較できるため、自分にあった良い会社を選べるでしょう。

整地と更地、造成の違い

整地に似ていて土地を活用する際によく利用される言葉に、「更地」と「造成」があります。似た言葉と認識されることが多いですが、それぞれ整地とは意味が異なります。

整地と更地、造成の言葉の意味を正しく理解して使用しないと、整地会社との打ち合わせで誤って意思が伝わってしまう恐れがあります。

それぞれの意味の違いを詳しく説明します。

更地との違い

整地と更地は、どちらも土地の上の建物や構造物は取り除かれていますが、土地の状態には明確な違いがあります。

更地は、建物などを撤去しただけであり、地面にはまだ凹凸がある状態です。一方、整地は更地からさらに一歩進み、地面を平らにならし不要なものを取り除いた状態を指します。

更地は単に建物がない状態でそのままでは土地が活用できないのに対し、整地は土地を次の用途に活用しやすいように整備された状態といえるでしょう。更地よりも整地された土地の方が、一般的に価値が高く、売却しやすいです。

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造成との違い

整地と造成は、どちらも土地の形状を整える作業ですが、規模と目的が大きく異なります。整地は、既存の土地の表面を平らにならしたり、不要なものを取り除いたりする比較的簡単な作業です。

一方、造成では、土地の形状自体を大きく変えるため、大規模な工事が行われます。たとえば、山を切り崩して平地を作ったり、谷を埋め立てて土地を広げたりすることなどが、造成で行われる工事です。

造成して土地を宅地にするためには、宅地造成等規制法に従い都道府県知事に申請をする必要があります。

造成は、都市開発や産業用地の整備など、新しい土地の開発や再開発のような大規模なプロジェクトで必要となることが多いです。整地は、建物の建設や駐車場の設置など、比較的小規模な土地活用で行われます。

まとめ

整地とは、土地を利用できるように、地面を平らできれいな状態にすることです。整地を行うべき状況としてあげられるのは、家を建てる場合や駐車場として利用する場合、土地を売却したい場合です。雑草を除去し、土地を維持しやすくするために行う場合もあります。

整地をするメリットには、土地の価値が向上する点や土地活用の幅が広がる点、工事がスムーズに始められる点があげられます。整地により土地の景観が向上する点もメリットといえるでしょう。

整地を行うための費用は、一般的な平地の土地では、1平方メートルあたり300〜800円前後が相場です。舗装をする場合には、さらに費用がかかります。

なお、整地を依頼する場合には、複数社から見積もりを取り、費用やサービス内容を比較しながら整地会社を選ぶことが重要です。また、整地後の仕上の希望も明確に伝えて認識がずれないように注意しましょう。

監修者

1級土木施工管理技士

平田 政二郎

●前職:ゼネコン●現在の仕事内容:施工管理●強み:長年の経験●将来の夢:生涯現役●趣味:バイク、釣り、世界遺産巡り

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