賃貸併用住宅はやめとけ?危険と言われる理由と後悔しないためのポイント
賃貸併用住宅は、同じ建物のなかにオーナーが居住する自宅部分と、人に貸し出す賃貸部分が存在する住宅のことです。相続税や固定資産税の節税効果が期待できる一方で、「プライバシーの問題が発生しやすい」「利回りが低くなりやすい」などがデメリットとしてあげられます。 この記事では、賃貸併用住宅に興味を持っている人向けに、賃貸併用住宅の概要をはじめ、メリットやデメリット、そして後悔しないためのポイントなどについ...
不動産投資家K
土地にかかる固定資産税は、住宅が建っている土地に比べて更地の方が高くなります。住宅が建っている土地には住宅用地の軽減措置が適用されるためです。宅地を更地のままにしている人は、不動産投資などで住宅を建築することで固定資産税の節約になる場合があります。
本記事では、土地のみの場合の固定資産税の計算式や計算方法、節税方法を解説します。
土地の固定資産税額の計算式は、以下のとおりです。
固定資産税=課税標準額(固定資産税評価額)×標準税率1.4%
固定資産税の計算の基準となる課税標準額は、原則、固定資産税評価額と同じ額になります。ただし、住宅用地の特例措置の適用や税負担の調整措置により、固定資産税評価額よりも課税標準額の方が低くなることがあります。
固定資産税額は以下の手順で計算できます。
●固定資産税課税明細書
毎年4~6月に届く固定資産税の課税明細書を確認します。固定資産税課税明細書は、固定資産税納税通知書に同封されています。
●固定資産税評価証明書
市区町村の役所で固定資産税評価証明書を申請することで調べられます。申請は郵送で行うこともできます。
●固定資産課税台帳
固定資産台帳を閲覧することで調べることができます。固定資産課税台帳には、固定資産の所有者や課税標準となる価格等が登録された帳簿で、いつでも市区町村の役所で閲覧できます。先の固定資産税評価証明書は、この台帳をもとに証明されたものです。
ほかに、固定資産税路線価から計算する方法があります。路線価とは、道路に面する土地の1㎡あたりの価値です。固定資産税路線価は、市区町村が評価主体で3年に1回見直されます。路線価には相続税や贈与税を求めるための相続税路線価もあり、そちらの評価主体は国税庁で毎年見直されます。両者はそれぞれ別のものですので、注意しましょう。
固定資産税路線価は、一般財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップ(https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216)で調べられます。
固定資産税評価額=固定資産税路線価×土地の面積
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土地のみ(非住宅用地)の場合の課税標準額は、負担調整と呼ばれる措置によって固定資産税評価額に一定の評価倍率をかけることで、求められます。負担調整措置とは、時価と連動する固定資産税評価額の変動によって、固定資産税が急激に変動しないようにするための措置です。
負担調整は負担水準によって調整方法が決まり、以下の計算式で求められます。
負担水準(%) = 前年度課税標準額 ÷ 当該年度の新評価額 × 100%
負担水準と負担調整措置の関係は、以下のとおりです。
負担水準 | 負担調整措置 | 課税標準額の求め方 |
---|---|---|
70%超 | 当該年度の評価額の70%相当額を課税標準額として算出する | 今年度の固定資産税評価額×70% |
60〜70% | 前年度の課税標準額を今年度の課税標準額として算出する | 前年度の課税標準額 |
60%未満 | 前年度課税標準額に今年度評価額の5%を上乗せして算出する | 前年度の課税標準額+(今年度の固定資産税評価額×5%) |
更地の課税標準額は、固定資産税評価額の70%超となる場合が多く、以下のように求めることが一般的です。
課税標準額=固定資産税評価額×70%
最後に、課税標準額に固定資産税の標準税率1.4%をかけることで固定資産税を算出します。
ただし、市区町村によっては、税率が異なることもあるため、あらかじめホームページや窓口で確認しましょう。
住宅以外の宅地(更地やビル等の敷地)と住宅が建っている土地では、固定資産税が異なります。なぜなら、住宅が建っている土地には、住宅用地の軽減措置が適用されるためです。
軽減措置とは固定資産税の課税標準額を減額する制度で、住宅用地に適用されます。
土地の面積によって適用できる軽減措置は異なり、200㎡までは小規模住宅用地に区分され、課税標準額は固定資産税評価額の6分の1となります。一方、200㎡を超える場合は一般住宅用地に区分され、固定資産税評価額の3分の1となります。土地の面積が200㎡を超える場合には、200㎡と200㎡を超える部分の評価額を分けて計算し、算出された額を足したものが課税標準額です。
たとえば、固定資産税評価額1,800万円の300㎡の住宅の課税標準額を算出する場合は、200㎡までの小規模住宅用地と、残り100㎡の一般住宅用地に区分して以下のように計算します。
小規模住宅用地部分の課税評価額
=1800万円 × 200㎡/300㎡
=1200万円 × 6分の1
=200万円
一般住宅用地の部分の課税標準額
=1800万円 × 100㎡/300㎡
=600万円 × 3分の1
=200万円
200万円+200万円=400万円
小規模住宅用地部分と一般住宅用地部分を足して固定資産税評価額1,800万円の300㎡の住宅の課税標準額は400万円です。
固定資産税は400万×1.4%で5万6,000円です。
更地の場合と比較してみます。
更地(住宅用地以外)の固定資産税
= 課税標準額×1.4%
= (固定資産税評価額×70%)×1.4%
= 1800万円×70%×1.4%
= 17万6,400円
土地の固定資産税は、住宅が建っている場合と土地のみの場合を比較してみると約3.2倍もの差があります。このように、土地のみの固定資産税は住宅が建っている場合よりはるかに高いことがわかります。
土地(更地)の場合、建物が建っている住宅用地と比較すると何倍もの固定資産税を支払うことになります。また、土地の立地条件によっては、固定資産税評価額が高い場合もあり、負担が大きいと感じる方もいるでしょう。
そこで、ここでは、土地の固定資産税を下げるための方法を解説します。
土地活用をして、賃貸アパートや賃貸マンションなどの居住用賃貸事業を行った場合には、住宅用軽減措置が適用でき、固定資産税を抑えられます。また、土地活用による収入を固定資産税にあてることができます。
自分の土地にどのような土地活用が向いているのかわからないという方や、いざ土地活用を行おうとしても何から始めるべきなのかわからないという方もいるでしょう。土地活用について相談できる不動産会社やハウスメーカー、専門業者に相談して、自身の希望に合ったやり方で節税を目指しましょう。
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所有している土地が不要な場合は、売却してしまうのも1つの手です。不動産は所有しているだけで、固定資産税やメンテナンス費用がかかります。今後も使用しない不要な土地の場合には、使用しない間にもコストがかかってしまうため、コストの負担を減らすために売却するのがおすすめです。
土地を売却すると、毎年の固定資産税の支払いやメンテナンス費用がかからなくなる上に、売却価格に応じて現金も獲得できます。土地の売却ではまとまった資金を得られることが多いため、不要な土地を現金化したい場合には売却するのもおすすめです。
住宅が建っていない土地は、住宅が建っている土地と違い軽減措置を利用できないため、固定資産税が高くなります。なかには、土地を有効活用できず、毎年の固定資産税がかかり、固定資産税の支払いを負担に感じている方もいるでしょう。
土地の固定資産税を抑えるには、土地活用を行ったり、土地が不要な場合には売却したりする方法があります。土地活用の方法は多数ありますが、立地の条件や土地の規模によって向いている方法は異なるため、不動産会社やハウスメーカー、専門業者に相談して決めるのがおすすめです。自分に合った方法で、土地の固定資産税節税を目指しましょう。
監修者
宅地建物取引士
「解決できない土地はない」をモットーに、現場でお客様の声に耳を傾け、日々業務に邁進している。アパートの請負営業に従事し15年。
不動産投資家Kとその仲間たちでは、「土地を相続する予定だけど、どうすれば良いか検討している」「管理が大変なので、土地を売却したいと思っている」など、土地・建物のさまざまなご相談を承っております。
あなたやあなたの家族の大切な資産を有効に活用できるよう、お気軽にご相談ください!
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