大家になるには何が必要? アパート経営の流れや注意点、成功のポイント
大家になるために、特別な資格は不要ですが、アパート経営を行う目的や理由を明確にしたり、不動産投資の基本知識を身につけたりする必要はあります。また、どのように資金を調達するかまで考えることも必要です。 この記事では、大家になるにあたってどのような準備が必要なのか、またどのような流れで大家になるかなどについて解説します。将来的に大家になりたい人は、ぜひ最後までご覧ください。 ポイント 大家になるための...
不動産投資家K
投資をより長く安定して続けるなら、1つの投資対象に絞るのではなく、適切な割合で複数に分散させる方がよいとされています。投資する人が保有している預貯金や株式、投資信託などの投資対象を総括したものがポートフォリオです。
もし不動産に投資すれば、不動産もポートフォリオに含まれます。ポートフォリオの中で不動産投資は、どのような性質を持つのでしょうか。ここでは、ポートフォリオに不動産投資を組み込むメリットと、最適な割合の考え方について解説します。
ポートフォリオにおける不動産投資の性質について考える前に、まずはポートフォリオそのものについて、きちんと理解しておく必要があります。ポートフォリオは一般に「複数の投資対象に分散して投資している内訳」のように語られますが、そもそもポートフォリオはなぜ重要とされているのでしょうか。
ここでは同じように分散投資と位置づけられるアセットアロケーションとの違いについても考えてみましょう。
投資の世界ではよく「持っているすべての卵を、1つのカゴに盛ってはいけない」といわれます。この言葉が意味するのは、何かの拍子にカゴを落としてしまうと、卵はすべて割れてしまい食べられなってしまうことです。もしいくつかのカゴに分けて盛っていれば、そのうち1つを落としても、割れてしまうのは全体の一部にとどめられます。
この言葉を投資に当てはめると、資産(卵)を1つの投資先(カゴ)だけに集中的に費やす(盛る)のではなく、複数の投資先に分散させることで、リスク(卵が割れること)を抑えようとすること、と言い換えられるでしょう。
ポートフォリオとは、リスクを抑えるためにどの投資対象にどのくらいの資産を割り当てているかを総括したものです。市場が変化したとき、ある投資対象は価値が下がっても、別の投資対象は下がらない、または上がるようなポートフォリオであれば、リスクは抑えられます。
投資においてポートフォリオは、リスクの軽減に欠かせない重要な考え方なのです。
あわせて読みたい
投資においてアセットアロケーションは、アセット(資産)をアロケーション(配分する)という言葉通り、資産配分を意味します。ポートフォリオの意味する分散投資と似ているように思えますが、違うのは分散する対象です。
ポートフォリオで資産を分散する先は、企業の株式や国債、投資信託といった具体的な金融商品ですが、アセットアロケーションは資産の配分を「資産の種類」ごとに表します。
たとえば国内企業であるA社とB社の株式は、ポートフォリオでいうと別の構成要素ですが、アセットアロケーションでいうと同じ「国内株式」として1つの種類にまとめられるといった具合です。
投資の初心者は、最初からポートフォリオを組んでしまいがちですが、投資が本来目的とするリスク管理や軽減のためには、その前にアセットアロケーションを組む必要があります。そうすることで、投資全体のリスクをより軽減させることが可能になるためです。
アセットアロケーションとポートフォリオの関係については、下記リンク先で詳しく説明しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。
あわせて読みたい
アパートやマンション、戸建て住宅を購入して賃貸とし、入居者から家賃収入を得る不動産投資は、ポートフォリオに含める投資対象として、株式や投資信託とは異なる特徴を持っています。不動産投資をポートフォリオに含めるなら、その特徴やメリットについても正しく知ることが大切です。
ここではポートフォリオに不動産投資を組み込むメリット6つの概要を紹介し、それぞれ投資活動にどのような影響を与えるかを解説します。
資産の投資先として、銀行預金がローリスク・ローリターン、株式やFXがハイリスク・ハイリターンとすると、不動産投資はその中間、ミドルリスク・ミドルリターンといえるでしょう。
不動産投資は、まず不動産を購入し、入居者を見つけて賃貸契約を結び、家賃収入を得るというしくみです。生活に欠かせないインフラであることから、継続して安定した収入が得やすい投資先です。
一方で、空室の間は収入がなく費用だけが発生してしまう、台風や水害、震災によって建物などが大きな損害を被るといったリスクもあります。しかしこれらのリスクは、ある程度事前に対処することも可能です。
不動産投資は、まさに中くらいのリスクとリターンの投資先といえます。
あわせて読みたい
不動産投資には、インカムゲインとキャピタルゲインの両方が得られるという特徴もあります。
不動産投資では、インカムゲインが家賃収入、キャピタルゲインは物件の売却によって得られる収益です。このうちキャピタルゲインは、経年劣化等によって物件の価値が目減りすると、十分に得られない可能性があります。しかしこのような事態を想定し、あらかじめ立地のよい土地を選ぶなどしておけば、目減りを少なく抑える、または価値の上昇による利益を得ることも可能です。
たとえば株式では、インカムゲインが配当、キャピタルゲインが売却益にあたります。しかし、配当はゼロの場合もありますし、売却益が得られるほど値上がりをしない場合もあるでしょう。
不動産投資ではインカムゲインとキャピタルゲインの両方がある程度得られるため、比較的堅実な投資先といえるでしょう。
たとえ経済状況が大きく変化し、株価が乱高下しても、土地や建物など不動産の資産価値は比較的安定していることが多く、変わらず毎月決まった金額の家賃収入が得られます。
賃貸契約も年単位で締結されるのが一般的です。年単位での長期間にわたって家賃収入が得られる可能性が高い投資先といえます。
また不動産投資では不動産の購入の際、購入する不動産そのものを担保にしてローンを組めるのも大きなメリットです。たとえば自己資金200万円でも、物件の状況や価格、事業としての将来性などの要素によっては、その数倍、十数倍の金額のローンを組める、つまりレバレッジを効かせることができます。
あるいは自己資金ゼロでも、ローン審査に通過すればそこから長期にわたる家賃収入を得る道が開けるだけでなく、ローンを完済すればその土地や建物といった資産を現物として手元に残るのも大きなメリットです。その時点で売却するか、引き続き家賃収入を得るかを選ぶこともできるでしょう。
現在、日本ではインフレによってモノの価格は上昇傾向にありますが、インフレは現物資産である不動産を取り扱う不動産投資にとって有利です。インフレによってお金の価値が下がると、相対的にモノの値段、価値は上がります。1,000万円の現金の価値はインフレが進行すると徐々に価値は下がりますが、1,000万円で購入した不動産の価値が受けるインフレの影響は限定的です。
現金はただ銀行に預けていてもローリターンでしかありません。とくに投資先がないなら、現金は不動産に投資すると、銀行預金で得られる利息より高い利益を得られる可能性があります。
資産を相続することになったら、その評価額に応じた相続税が発生します。資産が現金の場合、現金の金額がそのまま評価額です。
しかし、不動産の場合は、他の金融資産と異なり低く評価されます。相続税額は評価額によって決まるため、結果として相続税を低く抑えることが可能です。さまざまな特例や優遇措置を併用すれば、より高い節税効果が得られます。
あわせて読みたい
とくに投資はしていないが、不動産は所有しているという方は多いでしょう。ただそのようなケースでは不動産以外への投資が少なく、比較的評価額の高い不動産が資産全体の80〜90%を占めることが多いようです。しかしポートフォリオによる「資産の保全や防衛」の観点でいえば、この状態はリスクが高いといえます。
将来、万が一不動産の価値が暴落すれば、資産全体の価値も大きく下がるためです。バランスを考えると、不動産の割合は50〜80%にとどめ、残りは有価証券または現金といった他の資産にしておくことをオススメします。
いくら安定しているように見えても、不動産もポートフォリオの構成要素の1つです。過剰に集中するのではなく、適切に分散させることが大切です。
「とにかく資産を増やしたい」、「生活に困らないだけの資産があればいい」など、投資する人によって資産を運用する目的は違います。そう考えれば、ポートフォリオにも理想となる1つの形式は存在しないといってよいでしょう。
ただ異なるとはいえ、それぞれの目的をしっかり定めることは大切です。資産を増やすならある程度のリスクは仕方ありませんが、資産を減少させたくないなら、リスクは最小限に止める必要があります。理想のポートフォリオは目的ごと、投資する人ごとに、それぞれの形があるのです。
リスクの許容度は、年齢やライフステージなどによっても異なります。場合によってはポートフォリオより広い視野で投資をとらえる、アセットアロケーションからの検討が必要になるかもしれません。その際は、株式や投資信託とは異なる性質を持つ不動産投資についても、検討することをオススメします。
理想のアセットアロケーションについては、下記リンク先記事で詳しく解説しています。今後の投資のあり方について考えるとき、ぜひ参考にしてみてください。
あわせて読みたい
ポートフォリオは、投資を長期にわたって適切継続するために必要な考え方の1つです。企業の株式銘柄や投資信託など、1つの投資対象に集中投資すると、状況がよくない方へ変化したとき、資産全体が大きなダメージを受けてしまいます。しかし、ポートフォリオによって分散投資しておけば、ダメージの軽減は可能です。
ただし、誰にとっても理想的なポートフォリオの形はありません。なぜなら投資は投資する人の目的によって、負うべきリスクや期待する利回りが異なるためです。理想的なポートフォリオとは、投資する人が定めた目的ごとに作り上げられるものといえます。
ポートフォリオに含める投資対象には、不動産投資も含めて検討しましょう。不動産投資は投資の中でいうとミドルリスク・ミドルリターンで、現物があるためインフレ対策にもなり、いざというときのリスクに備えるしくみもあります。
ポートフォリオの目的は、投資におけるリスクを抑えることです。投資全体から見て、利回りだけでなくリスクも含め、適切に運用できるような組み合わせが求められます。
監修者
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
現在、不動産会社で建築請負営業と土地・収益物件の仕入れを中心に担当している。これまで約20年間培ってきた、現場に密着した営業経験と建築知識、不動産知識を活かして業務に携わっている。
不動産投資家Kとその仲間たちでは、「土地を相続する予定だけど、どうすれば良いか検討している」「管理が大変なので、土地を売却したいと思っている」など、土地・建物のさまざまなご相談を承っております。
あなたやあなたの家族の大切な資産を有効に活用できるよう、お気軽にご相談ください!
大家になるために、特別な資格は不要ですが、アパート経営を行う目的や理由を明確にしたり、不動産投資の基本知識を身につけたりする必要はあります。また、どのように資金を調達するかまで考えることも必要です。 この記事では、大家になるにあたってどのような準備が必要なのか、またどのような流れで大家になるかなどについて解説します。将来的に大家になりたい人は、ぜひ最後までご覧ください。 ポイント 大家になるための...
資産承継は、財産を次世代に安全かつ計画的に引き継ぐための手段です。承継対象資産の整理や承継者の明確化を行い、遺言書や信託を活用することで、相続時の手続きや税負担を軽減できます。 本記事では、資産承継のステップや円滑に進めるためのポイントなどを詳しく解説します。 ポイント 資産承継とは、保有する資産を次世代や後継者へ引き継ぐこと 資産承継を円滑に進めるためには、計画と手順に沿った準備が大切 円満に資...
土地信託とは、土地の所有者が土地を専門家に信託し、管理や運用を任せることで収入を得る仕組みのことです。不動産運用の経験がない方でも始めやすく、自己資金がなくても土地活用ができるのがメリットですが、土地を自由に利用できなくなる、信託報酬が発生するなどのデメリットもあります。 この記事では、土地信託の概要をはじめ、土地信託の流れや主な運用方法などについて解説します。土地信託に興味をお持ちの方は、ぜひ最...
所有している土地を有効活用したいけれど、「多額の初期費用がかかるのではないか」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。実は、まとまった資金なしでも、所有している土地を活用して利益を得られる方法はいくつかあります。ただし、そのリスクや注意点はしっかり確認しておく必要があります。 本記事では、資金なし・少額で土地活用を始める方法や注意点、土地活用が可能な土地の条件について解説します。 ポイント...
東京でのアパート経営は、賃貸需要の高さや家賃水準の高さといったメリットがある一方で、地価や建築費の高さ、利回りの低さといった課題もあります。 本記事では、東京ならではの特性を踏まえ、アパート経営のメリットと注意点をわかりやすく解説します。 ポイント 東京でのアパート経営は安定した賃貸需要と高い家賃収入が見込める 東京でアパート経営する際は、地価の高さや利回りの低さ、税金の高さに注意が必要 東京のア...
海外移住を予定していたり、海外赴任の可能性のある賃貸不動産のオーナーにとって、日本国内の賃貸経営や税務対応は大きな課題となります。入居者対応や家賃管理、家賃収入の確定申告などは現地から直接行うことができないため、管理会社への委託や納税管理人の選任が不可欠です。 本記事では、海外に移住・赴任するオーナーが直面するリスクや対応策を解説し、安心して賃貸経営を続けるためのポイントを紹介します。 ポイント ...
「富裕層の投資戦略」と聞くと、多くの人が「特別な金融商品」や「限られたネットワーク内での情報交換」を想像するかもしれません。しかし、実際に長年にわたって資産を守り増やしてきた富裕層を観察すると、その答えは意外とシンプルです。 『どのように資産を守りながら安定的に資産を伸ばすか』 この問いを軸に投資戦略を組み立てているのです。 ここで注目すべきは、日本の富裕層が一様ではないという点です。資産形成の経...
資産価値とは、現金や不動産、株式などの資産が持つ経済的な価値を指し、不動産の場合は土地や建物の市場での取引価格や評価額で表されるのが一般的です。不動産の資産価値は立地条件や築年数、建物の状態など多くの要素で左右されるため、適切な管理や市場動向の把握によって維持・向上させることが可能です。 本記事では、資産価値の概要や価値の高い土地・建物の条件、維持するために必要なことを解説します。 ポイント 不動...
土地を相続した場合、相続税がいくら課せられるのか分からない方もいるでしょう。土地の相続税率は相続する土地の価値によって大きく異なりますが、かなり高額になるケースもあります。しかし、土地活用や特例、控除を使用して節税できることもあります。 本記事では、土地の相続税の計算方法、節税・特例の活用、申告方法をご紹介いたします。 ポイント 土地の相続税率は10〜55% 土地の相続税は土地活用や特例・控除を使...
賃貸併用住宅は、同じ建物のなかにオーナーが居住する自宅部分と、人に貸し出す賃貸部分が存在する住宅のことです。相続税や固定資産税の節税効果が期待できる一方で、「プライバシーの問題が発生しやすい」「利回りが低くなりやすい」などがデメリットとしてあげられます。 この記事では、賃貸併用住宅に興味を持っている人向けに、賃貸併用住宅の概要をはじめ、メリットやデメリット、そして後悔しないためのポイントなどについ...