SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とは、RC造(鉄筋コンクリート造)の芯の部分に鉄骨を入れた構造のことを言います。
硬さと強さをもったコンクリートと、柔らかく粘り強い鉄骨の長所を取り入れた、耐震性能に優れた構造です。頑丈な鉄骨の柱の周りに、鉄筋を組んでコンクリートで固めるため、RC造よりも細い柱や梁でさらに強度に優れた構造物を建てられます。
柱や梁を小さく出来るため、大きな空間や間取りに自由度が増しますが、建設工数がかかり複雑になる分コストが高くなるというデメリットもあります。
強度を確保するため、単位面積あたりの比重が思うなってしまう特性上、強い地盤・頑丈な基礎が必須です。強くはなかった地盤が基礎工事を完了して頑丈にすることで、基礎に要するコストが高くなる傾向があります。
SRC造・RC造に使われるコンクリートは、国が「不燃材料」に認定している耐火性に優れた素材です。「不燃材料」とは「燃えづらく、変形や損傷に強い、そしてガスや煙を発生しない素材」のことを指します。
したがって、コンクリートは不燃材料のなかでも特に耐火性に優れている素材と言えます。
「鉄骨」は「鉄筋」よりも太くて強度の高い素材のため、RC造同様にS造よりも耐久性に優れていると言えます。
ただし、耐久性は使用する素材の質や設計によって左右されるものであり、また、その性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。
RC造の耐久性と、S造のもつしなやかさ(変形性能)兼ね備えた構造のため、地震などで受けた衝撃をうまく分散しやすいと言えるでしょう。また、遮音性も高く、音が気になる方でも比較的住みやすいとされています。
ただし、遮音性は壁の厚さや壁に使用している素材、設計などによって左右されるもののため、確認が必要です。
RC造の難しい工事に加えて、鉄骨と鉄筋の取り合いなど、納まり(建築を構成する部材の、接合する部分や取付け部分の状態のこと)が煩雑になります。
また、RC造に比べて鉄骨工事の期間が増える分、工期が長くなりやすいです。
強度が高く、耐震性・耐火性・耐久性に優れていることから、高層マンションなど高層の建築物に用いられている工法・構造です。
また、RC造に比べて大空間や間取りなど自由度が増すといったメリットがあるため、商業ビルなどの建築物にも向いています。